福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

コンポジット・レジン

2012-05-30 | 虫歯治療の話

虫歯治療で白い詰め物をすることがありますが、この材料がコンポジットレジンです。コンポジットとは複合という日本語に訳されており、硬質プラスチックをベースとしてセラミック系の微細な粒子が練りこめられていると理解して下さい。ペースト状の材料を詰めて特殊な波長の光を照射すると、歯に近い硬さの詰め物になります。
詰め物の耐久性は材料自体の丈夫さと歯との接着の強さに依存します。この両方の要件が改善され、あまり大きくない虫歯であれば金属をかぶせたり詰めたりしなくても、直接詰めることで、1回で奇麗な治療が終了します。
特に乳歯の場合は噛む力が永久歯ほどないので、奥歯もかなり適用できます。コンポジットレジンシステムの発展で、最小限に歯を削って最小限に詰めるという、歯にやさしい治療範囲が増えました。
私自身、大学勤務時代にレジン系材料の研究をしていたこともあって、最近成人の分野でも前歯、奥歯に関わらず適用範囲が広がっていることに、ある種嬉しさを感じます。






左の書籍のタイトルにMIと書いてありますが、これはminimum intervention の略で最小限の介入(切削)という意味です。
右側の書籍は最近購入した、コンポジットレジン修復のArt & Imagination というタイトルのもの。
コンポジットレジンの性能がここ数年で飛躍的に向上したわけではありませんが、小児成人に関わらず、できるだけ削らないというコンセプトが歯科医側に浸透して、術式なども含め進歩してきています。もちろん出来上がりは奇麗なのですが、耐久性が充分かについては、歯の場所や欠損の大きさ、噛み合わせなどで検討する必要はあると思います。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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