福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

重症な乳歯むし歯

2009-02-25 | 虫歯治療の話
乳歯奥歯は3歳過ぎくらいからむし歯リスクが高くなってくるわけですが、まずかみ合わせの溝部分そして2本の奥歯間にむし歯が発生しやすくなります。
溝部分のむし歯は、初期であればシーラントで溝を封鎖すればむし歯はストップします。むし歯が進行して穴があいて来た場合、削って詰め物をするという治療選択になります。以前は金属の詰め物が多かったのですが、最近はコンポジットレジンといって歯の硬さに近いある種の硬質プラスチック系の材料を詰めれば、歯の色と殆ど変わらない修復が1回で終了します。
さらにむし歯がひどくなると、歯の中の神経血管部分まで虫歯菌の感染が及んで、いよいよ痛みが出てきたり、さらに根から歯の周囲まで感染が進行すると、歯の周囲が腫れたりグラグラも起こってきます。ここまでなると「神経をとる」とか「根の治療」とか必要になります。
乳歯の場合、根の先まで感染が及んでしまうと、周囲の骨が溶けるだけでなく根自体も溶けてきて、治療が不可能になって、残念ながら抜歯しか選択が無くなってしまいます。このような重症な状態でも小児の場合意外と痛みを訴えないことも多いのですが、じわじわと感染が進んで、形成中の永久歯まで悪くなることがあります。
とくに歯間のむし歯は、中で進行している割には外からは小さく見えて、通常の集団歯科健診でも発見されない場合も多いと思われますので、大丈夫と思っても、時々は歯科医院を訪れて、X線も含めた詳しいチェックを受けていたほうが安心ではないでしょうか。
むし歯も歯周病も症状が出た時は結構進行していたというケースが少なくないですので。





以前、他の歯医者さんで神経の治療を受けて銀歯(乳歯冠)を被せてある乳歯奥歯です。2本ともグラグラしていましたが生え変わる時期ではないのでX線でチェックしました。
治療も空しく、慢性炎症が進行して根が折れていたり、根を支える骨が溶けています(黒く抜けた部分)。下には形成中の永久歯が見られますが、炎症が永久歯に近づいています。
これ以上進行させないためには、残念ながら乳歯を抜くしかありません。
治療前から結構重症のむし歯だったのではないでしょうか。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/
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