福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

シーラントの効果と使用材料

2019-04-26 | むし歯予防の話

昨日は中央区保健所で3歳児歯科健診の担当でした。担当は各区の福岡市歯科医師会会員の持ち回りで、数年ぶりに廻って来ました。
歯科医師2名で70名弱を健診したと思います。
地域性もあるかとは思いますが、3歳になったばかりですとむし歯が無い小児がほとんどです。
3歳前の年齢で、歯科にフッ素塗布等で受診している小児も少なくありません。
なかには、奥歯にシーラントをしてもらっているケースもほどほどあって、なかなか予防に対する関心が高いと実感しました。
当院でも1歳半健診以降くらいを境に、かかりつけ歯科ということで定期的に予防で受診される場合が多いように思います。
さてシーラントですが、主として奥歯の溝部分を封鎖して虫歯予防を行う方法ですが、歴史的にはレジン系(ある種のプラスチック)を使用して行う方法が基本で、今でもほとんどの歯科医院でレジン系シーラントを使用していると思われます。虫歯予防率は過去の多くの研究によると70%程です。





レジン系材料は、その接着で水分と相いれないため、歯面処理や材料を付ける段階で唾液や水分があると、接着エラーですぐ外れてしまいます。
そのため、特に低年齢では、ラバーダムという、処置する歯だけゴムシートから露出させる装置を付けて行うのが望ましいのですが、3歳未満くらいですと、ラバーダム自体が大変な小児がほとんどだと思われます。
シーラントは目的ではなく虫歯予防の手段ですから、当院では、主としてグラスアイオノマー系の材料を使用しています。
水分が若干ある環境でも接着OKで、歯面処理も不要なので、患者さんに負担なく短時間で終われます。また、材料から微量のフッ素が出ることと、フッ素入り歯みがきやジェルの使用で、材料にフッ素が取り込まれ、さらに歯に作用し続けると言う利点があります。
グラスアイオノマーは1990年代から次第に普及して来ていて、世界的にはかなりメジャーなのですが、日本では予防の分野ではその使用がまだまだです。
写真の材料はフジ9、フジ2LCというメイドインジャパンのグラスアイオノマーで当院で使用しているものです。
患者さんにも術者(歯科衛生士)にも楽で、フッ素で歯の成熟を促進するグラスアイオノマーシーラントですが、一般歯科はもちろん小児歯科専門でも普及しないのはなぜ?
不思議です。
ちなみにすべての奥歯にシーラントをするか?またいつするか?というのは研究データに基づいて、当院の場合は乳歯の一番奥歯に3歳すぎ頃から、永久歯では6歳臼歯、12歳臼歯に行うことをお勧めしています。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam 

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