福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

シーラントの使い分け

2024-09-04 | むし歯予防の話

歯科でのシーラントは、奥歯などの溝部分からの虫歯予防に有効な処置です。
保護者世代では、シーラントの普及率がいまいちで、例えば6歳臼歯の治療率が非常に高い現実がありました。
歯が出てから数年間は、歯質が未成熟ということもあり、いわゆる虫歯リスクが高い時期になります。
シーラントの虫歯予防率は70%以上と高いのですが、歯の出始めから数年間をシーラントで予防することに意味があります。



虫歯予防には、フッ化物の適切な利用が一番有効です。
しかしながら、溝部分の予防効果が不充分なため、アメリカ歯科医師会&小児歯科学会のガイドラインでもシーラントが推奨されています。
歴史的にも古く一番普及しているのは、レジンシーラントです。
レジンシーラントは白色がほとんどですが、当院では白色(写真一番下)と透明(写真真ん中)の2種類があります。
レジンシーラントは、接着処理で歯を脱灰することと、低年齢では手順がかかり負担があります。
そこで、当院デフォルトは、一番上のグラスアイオノマーです。
歯面処理が不要で、材料から微量のフッ素が出続けるため、歯の成熟や強化に役立ちます。
乳歯奥歯も3歳過ぎくらいでシーラントが望ましいのですが、低年齢でも迅速にできるのでメリットは大きいと考えます。
レジンシーラントと比較して材料の摩耗があるので、定期健診で材料追加もありますが、出て3年間くらい材料が残っていればOKです。
それでもその後、溝の形態的に虫歯リスクが高いと判断される一部の患者さんでは、初めてレジンシーラントに切り替えます。
対象年齢が上がっているので、処置に対する患者さん負担は少なくなります。
シーラントは上の前歯の裏側(特に側切歯)がくぼんでいる場合、適応が望ましいことがあります。
最初はグラスアイオノマーを使いますが、それでもリスクが高い状況が続く場合、前歯では審美性を考えて透明なレジンシーラントを使用しています。
一般の小児歯科と比べて、ちょっとこだわり過ぎかもしれませんが、歯の成熟や患者さん負担軽減を考えるとこうなります。


ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

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