福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

早期矯正治療に適する例

2017-08-24 | 歯並び、矯正の話

世の中、矯正治療は早く始めた方が良いというある種、流行みたいなものがあるようです。
歯並び噛み合わせの相談を受ける場合の保護者の方から、よくそのようなお話をうかがいます。
早くしなきゃ、という危機感というか心配されて相談されるわけで、これこれ言う理由で、しばらく経過観察をして診断がクリアになってからの治療でOKですよと説明いたしますと、安心されることも多々あります。
例えば小学校低学年ほどで永久歯前歯が生えそろった位の年齢で相談を受けた場合、ずっと放置していたらこうなるだろうと言う予測がある程度たちます。患者さんサイドはもちろん現時点の問題が気になって相談されるわけですから、見方が違いますね。予測のもとに、現時点で将来に繋がる有効な治療法や装置があれば、早期治療をお勧めします。
早期治療と言うのは、それによって将来の仕上げの矯正治療が簡単になるか、不要になるかもと予測される場合に意味がありますね。
一時的に良くなっても、将来的に通常治療が必要だろうとか歯を抜く矯正が必要だろうと予測される場合は、 いたずらに治療期間が長引かないように、あえて早期治療をせずに経過をみます。


 






この患者さんは小学校中程。前歯が永久歯になって横の乳歯も生え替わり始める時期。
横から見るとよく分かりますが、 噛み合わせが深く、上の前歯が出っ張ってバラけています。下の前歯は下の前歯に押し込まれるように若干デコボコです。
奥歯の噛み合わせはほぼ良好ですので、バラけやデコボコは歯の傾斜度によるものです。
上の前歯の出っ張りで、いつも口がボ〜ッと開いた状態でもありますので、放置すると症状が悪化することが予測されます。
この時期に使える装置は少ないのですが、この患者さんでは永久歯が生えそろうまでの1年半くらいの期間、マウスピース装置の使用が適切と診断しました。
就寝時に加えて1時間ほどの使用でOKです。気長に日常生活に定着させることです。
この患者さんの場合、マウスピース矯正のみでほぼ良好な結果が出ると予測していますが、全て永久歯になってから再評価と言うことになります。
同じマウスピースを使うにしても、適切で有効な例、時期を選ぶことが歯科医側の責任と思います。 



 

これはプレオルソというマウスピース装置。タイプ1、Sサイズソフトをこの患者さんでは使用開始しました。
既製の装置の大きさや形態を、患者さんに合わせて調整します。 装着の習慣化によって、開いていた口が閉じやすくなるというトレーニング効果もあります。
予定では1年ほどソフトタイプを使用し、後半はハードタイプに移行予定です。 






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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