まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

八ッ峰(剣岳)から池ノ谷・馬場島まで

2016-08-06 15:44:55 | 日常
平成28年7月29日から8月2日
このコースはクライマーでない一般登山者にとっては最難関のコースであり、先の大山縦走と併せればどこえでも行ける力があると言えます。
私も二度と八つ峰には行くことはないと考えていましたが後輩たちの為私の経験、ルートを継承してもらうためと、彼らが将来行くであろう小窓尾根。池ノ谷ん状況を知ってもらうため実施しました。八つ峰の岩峰縦走、厳しい池ノ谷の下降、雪渓、クレバスの下降、突破、鉄砲水、土石流、増水して白萩川の渡渉、連日の雨天下におけるビバーク等かってない困難を乗り越えたことは大きな自信となったことでしょう。後輩に対する最高の贈り物になりました。
29日20時福山に集合、6人で出発。途中仮眠して立山駅8時発、お昼ごろ剣沢、雨になる。以降この昼過ぎになるといつも雨でした。今年は雪渓が本当に小さくなっていました。万一に備え雪渓はザイルで各人を確保して下降しました。真砂沢ロッジには予定より早く着き、かけ湯で汗を流しました。
建物は雪の重みの為の地盤沈下で立てつけが大きく傾いていました。もう数年しか持たないような有様です。
30日、4時前に朝食をとり出発。雪渓のところで装備をつけ取り付き点の岩小屋へ。沢登りのようなルンゼを1・2のコルを目指す。左という意識が強すぎて迷ってしまった。下降も困難なのでザイルを出し草付の岩壁を登る。大きく左にそれ到着地点は2・3コル。大幅に時間超過。かなり体力を消耗した。3峰、4峰の大懸垂を過ぎここで雪渓を壊し今夜の水を仕入れて5峰に。ここで3回懸垂するが、20mの懸垂のところ30mあり、ザイルが足らないところがあり空中停止となり時間を要した。6人なので何をするにも時間を要します。この先適当なテント場はないのでここ5・6のコルでテントする。
31日、トラバース部分はザイルを使い、登りはフリーで登攀する。A,B,C,Dフエィスの頭を越え6峰にまで来ると絶景が広がる。7峰はまき、8峰へ、8峰の頭への快適な岩峰を楽しく登り超えると頂上、日本離れした絶景が広がる。眼下をみれば2パーティが見える。エールを交わし励ます。一気に下る予定なので、そうそうに懸垂下降する。池ノ谷乗り越しでおおきなザックの2人のクライマーに会う。情報を尋ねると,三の窓までは厳しい、渡渉も厳しいかもとのこと。
三の窓までは何度も経験済みであり下降する。池ノ谷ガリはいつも以上に厳しい。適地を探して下る。2350m位から雪渓になった。いたるところに大きなクレバスがある。左に右に下山路を探す。左岸側のシュルンドは10m以上あり困難。困難としていた右岸以外下山路はない。支点となるものはアイアイハーケンは2本、アイスバイル2本、最悪はテントのポールしかない。持参していたアイスハーケンが少ないので1本で深く打ち込み、もう1本はバックアップとして残すことにする。ザイルで下降し、雪渓をバイルで乗り越え、何とか下降のめどをつける。2俣まではまだ距離がある。ザイルで繋ぎ下降をつづける。この調子では今日中下山は困難。適当うなビバークを探しながら下降するが両岸は切り立った絶壁,下部の河原は急なごろ石の原、はるか先に草地が見える。
右岸の下部に平らなところが見える。その手前の斜面は砂の斜面。自然の雨でもずり落ちる。
まして足を踏み入れればさらに激しく崩れる。しかしここを越えなければそこに行けない。
雨が激しくなり崩落も続く。ここには長くとどまれない。ザイルで確保しながら点在する岩を頼りにザイルで確保してもらいながら泥だらけの中這いつくばりながらなんとかわたることが出来ました。足場となるような大きな岩がもろくも崩れ落ちるさまは想像できないでしょう。大きな岩の岩小屋でほっとしていると、突然ゴーという轟音が響く。ちょろちょろと流れ落ちていた滝の水が突然濁流となって落ちる。背筋が凍るとはこのことでしょう。万一川底にいるとき発生していれば巻き込まれて命はなかったでしょう。途中にダムらしきものはなかったので数日に降った雨がせき止められていたため池の堰堤がこの雨のためあふれ崩壊し一気に鉄砲水となって流れ落ちたのでしょう。初めての経験でした。この先は不明なのでこの斜面にテントを張り濡れたままの状態に寝袋をかぶり朝まで過ごす。1日の予備日は設けていたが、携帯電話で留守宅に帰宅は明日になるとの遅延を連絡出来ひと安心す。幸いにも夏の為かあまり寒さは感じなかった。
1日、曇り、小窓尾根の取り付き地点はかってキャンプ地で平らであるとのこと。
右岸の草付の踏み跡有。しばらく水平に歩き1510m付近の大岩のところより急坂を上る.崖地の手前である。1600mの岩のピークを越え下りにかかる。急坂である。冬期、大きな荷物を持ち乗り越えるとは本当に感心する。私にはとてもできない。
案の定、白萩川は増水し水量も多い。岩を噛む白波、激流方々探すが岸の足場も悪く適切なところがない。降り立った地点が幅は広いが浅いのでここしかない。横断するザイルと上流より渡渉者を確保するための流れどめのザイル2本をはり全員無事に渡渉できた。これで一安心。ここから先はかってきたことがあるからもう大丈夫。タカノスワリの高巻路を80m余り登れば後は下りが大半、取入口のコンクリートの擁壁に降り立ち完了。本当にご苦労様でした。全員無事に帰れたことを天に感謝した。
充実した意義のある山行でした。後輩たちにとっても記憶に残る山行となったことでしょう。
(写真は突然の土石流,岩石や雪渓の塊が轟音とともに流れ落ちる珍しい写真です)
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