陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

高台の緩和ケア病棟

2021年07月06日 | slow life

緩和ケア病棟に入院しました。
と言っても私ではありません。
身内です。先ず面談があったのですが
状態からその日の内に入院することに。
というかうまく部屋が空いていたので
即入院することができたのです。
こういうのもタイミングというのがあるもの。
ここで逡巡していればもう満室になるかも。
救急車を呼んで病院まで運んでもらいました。
病院と連携していれば、こういうケースでも
救急車で運んでもらえるのだと初めて知った。

こちらの緩和ケア病棟は新しい病棟。
部屋からは大阪湾が一望できます。
オーシャンビューの素晴らしい部屋です。
新しい建物でまるでホテルのようなクオリティ。
主治医も物腰柔らかく丁寧であるし
看護スタッフもみな優しい。いわゆる
ホスピタリティに溢れているのである。
緩和ケア病棟というのはこういうものなんだ。
と初めて知った。
病院と言えば患者を治すために治療する所。
緩和ケアは勿論、最低限の治療はするが
終の看取りの場所である。そこでは
何よりもクライアントの人間的尊厳が尊重される。
医療のコンセプトが違うのである。

病室の窓に広がる港町神戸、そして大阪湾の一景。
私も最期はこういう場所で死ねたらいいなと思う。
ここで辞世の句など詠みながら最後を迎えるなんて
なんといい環境だろうかと正直思ってしまった。
人生の最期は、神戸を一望しながら
幸せのエンドルフィンに包まれて死にたいな。
でも人は生まれた場所も死に方も選べないのだ。
コメント

うまいもの選 淡路ビーフ

2021年07月05日 | slow gourmet

淡路島から冷蔵便で淡路ビーフが届きました。

これは淡路ビーフだと思うのですが
淡路牛と淡路ビーフは違うそうです。
淡路島等で生まれ育った牛、または
淡路島での飼育期間が他の場所よりも長い牛を
淡路牛というのだそうです。
片や淡路ビーフは淡路島に生まれた但馬牛で
決められた厳しい認定基準をクリアした牛肉だけに
許されるブランド名が「淡路ビーフ」なのだとか。

まあ蘊蓄は別として、早速すき焼きで頂きました。
私は小さい頃から馴れている、霜降りの極上の
柔らかい肉よりも噛み応えのある方が好みなので
この赤身はちょうどよい按配でございました。

かなり昔、京都の三嶋亭で極上近江牛のすき焼きを
接待に与ったとき、あまり美味しいので皆で
追加の牛肉の皿をお代わりいたしました。
そのときはとても満足だったのですが、翌朝
お腹を壊してしまったのです、すわっ!食中りか!
と思ったのですが、出社すると他の者は異状なし。
あまりにいい肉なのでお腹壊したのだろうと
笑われてしまいました。それは正解らしく
どうも霜降りの脂にお腹を壊してしまったようでした。
以来霜降りは食べ過ぎないことを肝に銘じております。
そんな贅沢はほとんどないので心配はないのですが。

ごちそうさまです。とても美味しゅうございました。

■淡路ビーフ 新谷
兵庫県淡路市塩田新島3-4
コメント

紫陽花の咲く道

2021年07月02日 | slow life

やっと梅雨らしい空模様になってきた。

認定日なのでハローワークへ行く。
歩けばやや遠い距離にあるのであるが
徒歩で往復するとおよそ一万歩なので
贅沢をしてもいけんしウォーキングも兼ねて歩く。

途中であまり見かけない咲き様の紫陽花を見つけた。
縁取りのあるツートンカラーの紫陽花だ。
かつての女のひとのファッションで、こんな
白い縁取りがあるきれいなスーツを見たことがある。
あの70年の万博のコスチュームで見かけたような気も。

さて、午後の遅い時間帯もあってハローワークは
比較的空いていた。順番を待っている間
ラックにあった最新の求人一覧表に目を通す。
フルタイムとパートタイムの二種類がある。
年齢不問と書かれている求人はほとんどルートセールス
介護、警備、厨房、調理補助、データ入力事務などだ。
おっ!阪神高速道路料金所スタッフ募集もあった。
月10回ほどの勤務でシフト制である。

かつて、自分の携わってる仕事が虚業のように思えて
これでいいのかと疲れていた時期、真の労働とは
工員のような仕事ではないのか?と思ったことがあった。
今で言うエッセンシャルワーカーこそが、真に社会に
必要な仕事ではないのかと自問した時期があったのだ。
尻の青い頃の話であるが…。
黙黙と工程をこなして、終業のベルと共に終えて
帰りには独り安酒場で酒と冷奴で疲れを癒す。
そんなプロレタリアートに憧れた時期があった。

何の地位も所属もない無位無官の身となった初老の男。
ハローワークという社会の片隅で、若かりし頃の
そんなことを回想しながらどこか醒めている私。
厭な奴だな。それでもふと萩原慎一郎さんの
あの「滑走路」をもう一度読んでみようと思った。

きみのため用意されたる滑走路
きみは翼を手にすればいい   萩原慎一郎
コメント