陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

季題 盆の月

2023年08月30日 | slow value

令和五年八月三十日。この日は旧暦では七月十五日、つまり「旧盆」である。

お盆と言えば地方によって違いがある。関西は新暦の八月を盆としたため「月遅れ盆」と称されている。東京などは新暦七月盆が主流だと言う。明治時代の新暦採用時には、地方などでは旧暦七月十五日にお盆が行われていたという。今年で言えば八月三十日となる。それが段々と旧暦七月十五日に近い八月十五日となったとある。沖縄などの一部地域では今も厳然と旧暦の七月十五日の旧暦盆を守っているとあった。本当に行事関連で旧暦と新暦のダブルスタンダードは実にややこしい。

さて、旧盆の日の月を「盆の月」という。ホトトギス新歳時記にはこう書かれている。「本来盂蘭盆会にあたる旧暦七月十五日の満月を盆の月という。ただ最近では盆が陽暦または一月遅れで行われることが多いため実感が薄れたが、陰暦で行う地方で仰ぐ盆の月はしみじみとした思いに人を誘う。本来盆踊も、こうした盆の月明りのもとで行われた。」

旧暦七月十五日だから満月である。厳密にいえば翌日の31日が満月だが…。さて、今年の押さえておきたい月の暦は以下の通りだ。8月30日(旧暦7月15日)盆の月、9月29日(旧暦8月15日)十五夜、10月27日(旧暦9月13日)十三夜(後の月)。この三つの月は押さえておきましょう。十五夜は楽しく愛でる月だが、盆の月と後の月はどこかしんみりとした味わいの月である。

三十日夜にこのブログをご覧になれば、ぜひ空にかかる盆の月を見上げて下さい。

あの人もこの人も逝き盆の月

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