平安夢柔話

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日帰り京都旅行2005年夏2 ~十二単体験

2005-08-27 15:39:25 | 旅の記録
 さて、今回京都を訪れた一番の目的は、京都文化博物館で開かれている風俗博物館の出張展示を観に行くことでした。

 風俗博物館については、2005年2月5日の記事「光源氏」でも書きましたが、「源氏物語」に出てくる六条院春の御殿を4分の1の大きさで再現しており、「源氏物語」の色々なシーンが精密な人形や調度品の模型で展示してあります。また、実物大展示室では袿や狩衣も着ることができ、平安時代の好きな人なら何時間でも遊べる素敵な所です。

 その風俗博物館が、8月16日から9月10日まで、高倉三条の京都文化博物館において出張展示を行っているのです。
 展示内容ですが、博物館の別館では「六条院へ出かけよう」と題して、「源氏物語」の「藤裏葉」の巻より、朱雀院と冷泉帝の六条院行幸の場面が展示されています。
 また、本館6階においては、「京の家づと」と題して、風俗博物館所蔵の様々な調度品や屏風などが展示されています。
また、こちらでは十二単、狩衣、白拍子の衣装といった平安時代のさまざまな装束の着用が体験できます。ただ、装束体験は「要予約」となっていましたので、平安好きな私は8月16日に早速「十二単を着せて欲しい。」と予約のメールを出し、今日23日朝10時の予約が取れたのでした。
 
 実は私は、十二単を着るのは今回が2度目になります。2005年1月16日の記事「髪が長い」にも書きましたが、一昨年の5月に京都の仁和寺で行われた「日本文化フォーラム21」というイベントで着せていただきました。しかし、その時は髪の毛が短かったため、十二単がどうもはえなかったのです。そこで、「髪を伸ばしてもう一度十二単を着よう!!」と決心したのでした。

 それから2年余り……、私はせっせと髪の毛を伸ばしてきました。そして現在は約70センチ、腰の下あたりまで伸びてきました。「このくらいの長さなら、十二単もさぞ似合うだろうな……」と、胸をわくわくさせて今日を迎えたのでした。

 6回でエレベーターを降りてすぐ受け付けへ……。それから奥の着付けの部屋に向かいました。畳を敷き詰めた広い部屋が三部屋続きで、いかにも平安時代の雰囲気を感じます。

 十二単は10着ほど用意されていました。勿論それ以外にも数種類の装束が用意してありました。2年前は紫と白の十二単を着たのですが、今回は違う色目がよいと思い、竹色の唐衣とえんじ色の袴のものを選びました。特に理由はないのですが、何となく明るくて華やかで良いなと思ったものですから…。

 着付けてもらっている時からすでに、平安時代の姫様の気分を味わっていました。
姫様が十二単を着るときは、こうして女房が着付けてくれるはずですから。

 着付けが終わって扇を持ったときはとてもわくわくしました。でも、やっぱり重いです。まず、上げてあった髪の毛を下ろしてブラシでとかそうと思ったのですが、衣装が重くて腕がなかなか上がりません。髪の毛を下ろすことは何とかできたのですが、そのあとはだんなさんに髪の毛を解かしてもらいました。

 こうして用意が整ったあとは、あちらこちらに移動して写真を撮ってもらいました。今回の写真はそのうちの1枚です。撮影用にセットされた御帳台に座り、右手で扇を持っています。平安時代の姫様らしく?…扇で顔を隠しています。
う~ん、すっかり姫様気分ですね♪

 なお、私はずっと「姫様」と書いていますけれど、上流貴族の姫様が十二単を着るのは正式な行事などの時だけで、普段は裳袿などのラフな格好なのだそうです。そして、普段十二単を着ているのは姫様のお着きの女房たちなのです。
つまり、彰子中宮は裳袿、彼女のお着きの紫式部や和泉式部、大納言の君などは十二単を着ていたのですよね。そうなると私は姫様というより姫様のお着きの女房と言った方がいいのかもしれません。

 それにしても、この格好で姫様のお世話をするのは大変だっただろうなと思います。もちろん女房たちにも、世話をしてくれる女達がついていたとは思うのですけれど…。
そんなことを考えると、上流貴族の姫様に仕える女性たち……、おもに受領階級の女性でしょうけれど……、彼女たちは意外に体が丈夫でたくましかったのだろうなという気がします。