漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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フウ(楓)の実

2010-12-24 | 植物&動物
『フウ(楓)の木』というとても美しく紅葉する木があるそうだ。
京都府立植物園に大木があり、有名なのだそう。
この成熟果実は漢方生薬でもあるので(路路通:その名の通り、血行とか経絡などの通りを良くする作用がある)一度見てみたいと思い、近場にないものかと紅葉の時期には
あちこちウォーキングしながら探したのだけど、結局見つからずじまいでした。

そのうち、そんなことはすっかり忘れてこの日のウォーキングは、
やたらと雑念が多くて周りの景色がちっとも目に入らない。
視線も落とし気味でぼーっと歩いていたのに、ふと、呼び止められたように
面白い実が足元に転がっているのに気がついた。
(こっちこっち、見てよ、ねえ見てったら・・・と囁いたかどうかわからないが)

直径3センチくらい。大きな金平糖といったところだ。
クリスマスの飾りにも使えそう。


あれれ、これは写真で見たフウの木の実に似てるぞー
と、そばに立つ木を見上げれば、葉はほとんど落ちてしまっている。
もうすっかり冬だもんなあ~。
だけど、その一枝だけにわずか数枚葉が残っていた。その色は見事に紅い



ああ、フウの木だ。
しかし残念、この葉っぱは5裂にわかれている。
フウの木(路路通)の葉は3裂で、原産は中国や台湾でタイワンフウとも呼ばれる。
5裂葉のこの木は『アメリカフウの木(またはモミジバフウの木)』。

同じマンサク科フウ属だからこの実のタネも同じ作用を持っているかもしれないけど、
先日のアメリカタカサブロウに続いて、またしてもアメリカにしてやられてしまったなあ。

金平糖みたいな実がまだたくさんついて、愛らしさを感じる木。
来年はぜひ、この木が真っ赤に紅葉した姿を見てみることにしよう。

ただし来年の紅葉の時期とこの場所をまた忘れないようにせねばなあ。
それともまた、木が囁きかけてくれるかな。