漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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武士の家計簿(映画)

2010-12-15 | 映画
経理課(?)の勤務風景。
そろばんの音が心地よく懐かしい。(役作りのために練習したのかな、そろばん)
今ならパソコンがずらっと並んでるところだけれど。


加賀藩の、経理課勤務サラリーマン「猪山さん」の壮絶なる借金返済物語。と言うより、
『芸は身を助ける』を証明した物語。というほうが合っているかもしれません。

几帳面な性格で真っ正直に入払帳を管理したら、出世もし、家庭の破算の危機も乗り越え、そんな几帳面過ぎる父親に反発していた長男もそろばんのおかげで命を落とさずに済んだのですから。(おっとネタバレ)

その几帳面な役に堺雅人はぴったりだし、その妻は仲間由紀恵ときて、
あまりにもありがちで真っ正直なキャスティング。
中村雅俊は、おじいちゃん役をやるような歳になったわけですが(ちょっとしみじみ・・・)、微妙にとぼけた感じがなんともいい。
その相手、松坂慶子ののんきぶりはやっぱりうまい。
おばばさま役の草笛光子はさすがの存在感。西村雅彦が脇を固めて温かい気分です。

そろばんを教える父親の冷徹さを振り返って「父上は私を一度もおんぶしてくれなかった」という長男。
「子供は覚えていないのよ」と穏やかに答える母。
成人してから、父母の深い愛情を初めて知る一場面。心にチクリと刺さりました。

想像を絶するような事件が起こるわけではないけど、
家族が丁寧に刻んでいく小さな歴史の中に、とても愛おしくて大切な感情を覚えました。


武士の家計簿:★★★☆ キャスティングがいいですね。
もうひとひねりあってもよかったかなあ。さらっと行き過ぎて物足りなさもありました。

監督 森田芳光
原作 磯田道史
出演 堺雅人 仲間由紀恵 松坂慶子 西村雅彦 草笛光子 中村雅俊