江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

天念寺

2016-04-10 23:20:16 | 日本の文化について




この寺は、豊後高田市の東のはずれにある。
宇野小四郎氏の文献には載っていなかったが、
「日本の祭り」というテレビ番組で、修正鬼会があることを知っていた。
ここのそれは、毎年旧暦の正月7日に行われているそうだ。
豊後高田市からその日の宿泊地・あかねの郷に向かう街道沿いにあって
一見何の変哲もない建物に見える。
もっとおどろおどろしたところかと想像していたので、
ちょっと拍子抜けしてしまった。
しかも無住寺だった。
(長安寺の住職が兼任しているそうだ)

何か鬼会につながる岩穴か何かを期待して、
鳥居の脇の階段を上っていくと
岩をくりぬいて作った祠があった。
岩山が境内に少しかぶるようにせり出している。

講堂に入ると、松明が3本置いてあった。
その手前が舞台になっていて、
鬼は下駄を踏み鳴らしながら、踊るのだそうだ。
その手前に、松明に火をつけるかまどのような場所があった。

その場に佇み、建物に染み込んだ修正鬼会の喧騒やにおいを感じようとしたが、
凡人の私には無理だった。

寺の隣に、歴史資料館がある。
遅かったのか既に閉まっていたので
東京に帰る前にもう一度訪ねる。

それが良かった。
ビデオが見られただけでなく
自称隣町のただの農家という年配の男性の案内で、
ここが山岳信仰の場であることを、遠くに確認することができた。
岩山の稜線の左の方に、小さな橋が架かっているのがわかるだろうか。
そして右の一番高い頂の上に、お堂が立っているのが。
修験僧は、橋を渡ってお堂まで行くと、
その下のむき出しになっている岩を、鎖を頼りに上り下りするのだそうだ。

その先に修正鬼絵があるのだろうか。

これは、本番を見ないといけない、と強く思った。



コメント
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