江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

いわき

2013-03-12 00:40:52 | 日記
いわきの劇場は、照明の灯体をブリッジに吊り込むので、
照明を仕込んでいる間は、舞台上の作業はできないと聞いた。
届いた平面図や側面図、パンフレットなどからブリッジの位置を測り、
仕込図を起こそうとしたけれども、灯体の吊り位置が読み取れない。
凡その見当で図面をひき、微調整は現場ですることにして、
結果それで間に合ったのだが、
正直言って使いづらい劇場だと思った。
しかも現場に入ってから禁止事項(使用禁止の物があった)を知らされた。
図面などの資料の中に書いてあれば済むことなのに
一事が万事この調子だ。

劇場スタッフに震災の被害を尋ねると、全くなかったそうだ。
そして私たちの公演中に地震があったときは、
ブリッジに吊り込んであるので灯体が落ちることはないけれども、
ともかく速やかに舞台袖に避難するようにと言われた。

ここで私は戸惑ってしまった。
ブリッジに仕込むがゆえに使いづらいのに、
ブリッジであるがゆえに安全とは。
やはり安全第一か。

いわきでの仕事は5回目になる。
しかしまだ塩屋岬に行ったことがない。
震災の爪あとと復興の現状も見たくて、
塩屋岬から小名浜まで海岸を走ることにする。



右側に写っている家は、新築。
しかしほとんどがコンクリートの土台を残したままになっていた。
その一画に何台もの車が駐車していた。
皆サーフィンに来た人のものらしい。
海にはオットセイのような頭が、いくつも浮いていた。

瓦礫は人間の無力さを、
サーフィンは、人間の逞しさを表しているのだろうか。

小名浜の”ららみゅう”という商業施設では、
津波の高さは2mちょっとぐらいだったそうである。
そこは既に営業再開していて、
私たちは昼食に「どんこ煮膳」を注文したのだが、
余りの美味しさにたっぷり1時間かけて、きれいに平らげた。
そう、全く骨しか残らなかったのである。
この「どんこ」も、地元産ではなく青森産だという。
いつになったらいわき産の物が食べられるようになるのだろうか。

塩屋岬の灯台に、登るつもりだった。



ただ観光客は多かった。
少しでも被災地にお金が落ちればと祈っている。
コメント
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