江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

よくわからない「中止のお知らせ」

2011-09-13 00:11:11 | 日本の文化について
はしけを劇場に仕立てた「ふね劇場」でフェスティバルを開く企画があったが、
港湾局の不理解から中止に追い込まれたそうだ。
港湾局の言い分を、「ふね劇場、出航できず」というチラシから写すと、
『イベントで水域を占有する場合には、公有水面を独占排他的に使用する行為で
あることから、花火の打ち上げなど、広く一般の市民が楽しめるような、公共的・
公益的事業に限り、占有を認めています。
 このことから、通常、陸域で行うエンターテイメント的な興業等については、
利用を制限しています。』

よくわからない。
この企画は、横浜赤レンガ倉庫側の岸壁にふね劇場を泊めて、1ヶ月に亙って
様々な劇団が公演するというもの。
この港湾局によると、演劇は、「広く一般の市民が楽しめるような、公共的・公益的
事業」に当らないと言うことになる。
もちろんナンセンスな話だ。
演劇は、公共的・公益的行為である。
(意識的にそうでないものにしている人もいるかもしれないが)
「広く一般の市民」とは、何千人、何万人もの人を指すのだろうか。
広く広報して100人、200人集まるのは、その対象にならないのであろうか。
定義が曖昧である。
レストランクルーズや屋形舟はどうなのだろう。
しっかりステージを作ってあるのがあり、私も何度か人形を遣ったことがある。
これは「陸域で行うエンターテイメント的な興業等」に当らないのだろうか。
所詮役人の嫌がらせの文言でしか過ぎない、と私は思う。

もっと分からないのは、主催者の意識だ。
チラシの最後に、
「今後は改めてふね劇場の魅力をアピールし、東北の人たちにも負けない頑張りで
復興を目指します」
とあるが、この言葉からは力を感じない。
別の会場を借りて、東北3県から呼んだ劇団の公演だけは行うことを受けての言葉だと
わかっても、である。
役人の主張は論破できるだろう。
確かに論破された役人は意固地になるだろう。
しかし、2009年10月から交渉を始め、上記の文章が届いたのは今年の7月、
開催予定の2ヶ月前なのだ。
なめられているとしか言いようがない。
私がもし主催者だったら、裁判も視野に入れただろう。
交渉経過が分からないから、失礼なことを言っているのかもしれないが、
このチラシを見る限り、ふね劇場でなければならない意義、
そしてそこから何かを発信しようとするはっきりした意志が伝わってこないのである。

演劇がだんだんだめになっていく、そんな思いに駆られ、ブログを書いてしまった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする