江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

生存競争

2011-09-07 19:37:21 | 日記
親とは勝手なものである。
子供を産みっぱなしにすればいいのだから。
といっても、人間のことではなくアゲハの話。

以前何度もブログに書いたが、我が家の山椒の木にアゲハが卵を産みつける。
全く産み付けない年も以前にはあったが、
今年はどうしたことか、凄い。
夏前に10匹以上の幼虫を見て、5匹が蝶にかえったのを見た。



この写真は、山椒の幹で蛹になったのがかえったときのもの。
そう、このときは良かった。
まだ山椒の葉はたくさん繁っていたから。

8月半ば、気付くと10匹ほどの幼虫がかえっていた。
先に大きくなった幼虫の食欲は凄いものがある。
葉1枚食べる速さは驚くほどで、しかも食べ方が判で押したように決まっていて、
見ていて飽きない。
しかし葉には限りがある。
幼虫もかえった時期に差があるから、大きさに違いがあって
大きいのはもりもり食べるが、小さいのは食が細い。
大きいのはさっさと蛹になったが、なんと次から次と幼虫が生まれる。
そうするとニアミスが生まれる。
なんとある幼虫は、頭を左右に大きく振って威嚇し、
近づいた幼虫を追い払ってしまった。
小さな幼虫が一生懸命食べているところに大きいのが近づき、
そのお尻を何度かつついて、追い払ってしまう。
そして1本の枝で出会ったときは、
何度かお互いに相手を確かめるように触っていたら
突然1匹が落ちてしまった。
身を守るためなのだろうけれど、同じ仲間ではないか、
なんて人間の考えは通用しない。
卵からかえったばかりの1mmほどの幼虫が付いていた葉も
大きいのが食べてしまい、1mmは地面に落ちていた。

今は全くないといってよい状態。
数枚残っているのだが、なぜかどの幼虫も食べない。
地面に落ちた幼虫を乗せてみたが、やはり食べない。

確認できるものだけで5つの蛹ができている。
きっと同じくらいの蛹が、我が家のどこかにあるのだろう。
そして蛹になれなかった小さな幼虫は、
我が家のベランダを、餌を求めてさまよい続けている。

バケツを使用し持ち上げたとき、蛹が落ちた。
バケツの裏に付いていたのだ。
仕方がないので、水に濡れないところに転がしておいた。
蝶にならないかもしれないし、なっても羽が伸びないだろうと思っていた。



ある朝、立派な蝶になっていた。
生存競争は厳しいけれども、生き残ったのは強いという事かもしれない。
コメント
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