江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

秋津島

2010-08-20 00:25:04 | 日記
カツオ船の出漁を港の防波堤の突端で見送る。
一隻、二隻・・・
手を振ると、碇を揚げ忙しく立ち働いている若者たちが、力一杯振り返してくる。
港では大漁と無事を祈願して、お酒とお米を海にまく。
そんな光景を見て感慨にふけっていると、ふと黒い点が目の前を横切った。
また横切る、また、また・・・
見るとアキアカネのようだ。
えっ? 海にトンボ?

今日の海は珍しいほどの凪ぎ。
その海から次から次へとトンボが湧き上がってくる。
いつの間にか私たちはトンボの群れに包まれてしまった。
幻想の世界
そして私は、トンボの群れに背中を押されるようにフラフラと歩き出したが、
途中で群れは見えなくなり、行く末を確かめることはできなかった。
帰ってきたご先祖がトンボに乗って帰っていくというが、
こんな情景から生まれた言葉なのであろうか。

外洋で漁をしたことのある人の話では、陸地から相当に離れたところで停泊していると、
翌朝甲板の上にトンボの死骸がいっぱい落ちている事があるという。
私もトンボが海を渡ると聞いたことがあるが、
こんな感じなのであろうか。

わが国は秋津島なのだ。
コメント
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