江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

ニュースを見てちょっと気になる事

2009-11-26 23:38:07 | 日記
今一番の話題は、事業仕分けだろうか。
その中で、児童劇団への助成は残すというのがあった。
また最近は「芸術立国論」なるものが注目されていると言う。
この「立国論」なるものは、全国で2600ほどある劇場など公立の箱物の
うち26ほどの拠点を決めて芸術監督を置き、そこで独自の創作活動を行い、
内容がよければ他の地域にも回していく、荒っぽく言うとこういうことか。
この二つのことには共通項がある。
それはあくまで創作側の視点にしか立っていないことだ。
観客を忘れている。

そもそも助成制度そのものが、不公平なのだ。
機会均等ではない。
例えば文化庁に限って言えば、
HP上に発表されているが、その時期がその年によって違っているし、
発表から締め切りまで極端に短い事もある。
どこかの協会に入っていれば情報は入るかもしれないが、入っていないものには
毎日チェックしなければならないという状態だ。
かつてこんな事があった。
年末に突然支援金を募集した事がある。
ある協会では理事が集まり、その支援金の性格は不適切だという事で
会員の劇団には知らせないという事を決めた。ところが、何人かの理事は
しっかり募集に応じ、支援金を受けていた。

観客を育てる意識が、余りにも欠落している。
各劇団任せになっている。
それはそれで正解の一つではあるのだが、その客席を見ると
演劇関係者と身内で占めていたりする。
私もこの世界に入ったばかりの頃には、随分友人が見に来た。
ところがやれ結婚した、子どもができた、会社で地位も上がり仕事が忙しくなった
そういっては一人ずつ減っていった。
これは仕様がないといえばそうなのだが、何とかしようと考えて行き着いたのが
大道芸だった。
確かにこれにも欠点はある。
ただ演劇関係者や舞台関係者も考えて欲しいと思うのだ。

児童演劇で言えば、子ども劇場の会員が激減している。
子ども劇場の活動に対する意見はいろいろあるかもしれないが、
ただ会員数がピークの1割以下になっているところもあると聞くと、
私でも危機感を抱いてしまう。
しかしそれを助成金で補うというなら、それは良い結果を生まないと思う。

村上隆という美術家がいる。
彼は、芸術もビジネスで考えるべきだといって、日本人に嫌われているようだ。
私のやろうとしていることはなかなかビジネスラインには乗らないと思うのだが、
この考えは凄いと思う。
曽野綾子さんが日本財団の会長時代にいった言葉は、象徴的だと思う。
援助はあくまで自立を手助けするものである。
助成金や支援金もそういった性格を強くすべきなのだ。
そして自然淘汰もあってしかるべきなのだ。

そして官が作った「芸術」なんて、ろくなものにならないと私は思っている。
コメント (2)
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