マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

村上を訪ねる旅(その2)

2016年04月20日 | 

 村上は“酒と鮭と人情(なさけ)”の、3つの“さけ”が揃い踏みする街と言われている。
 今回の旅行では図らずも酒・鮭・人情の順で村上の素晴らしさを味わうこととなり、もう一度は村上を訪ねてみたいと4人が4人とも思ったのであった。

 4月15日(金)、まず向かったのは「〆張鶴」を醸造する宮尾酒造。ここ宮尾酒造では、トシコさんの幼友達の弟さんが営業部長をしておられる。トシコさんの紹介でこの酒蔵の内部見学が可能となり、9時半には到着し早速ご案内をして頂いた。醸造タンクのある内部奥は部外者入室禁止となっていたが、建物内部を見学し、酒作りのあれこれを話して頂いた。
 
以下部長さんから聞いた話である。
 
ここの酒蔵で用いられるお米は岩船産の酒造好適米と“五百万米”。近年では「越淡麗」というお米も開発され、大吟醸には「山田錦」を用いている。
 
酒名「〆張鶴」は、神聖な酒を迎えるために張る「〆縄」と、当時の銘柄「若鶴」を合わせた。(宮尾酒造正面)



 
蔵の歴史としては、江戸末期に村上の城下で北前船を航海させる廻船業も営み、北前航路に交易する一方、酒造りに励んできた。
 
原料米は米処村上の五百万石などを中心に、良質の酒造好適米を丁寧に自家精米。酒の味に影響を与える水は、鮭の遡上で知られる三面川の伏流水にしてキメ細かな甘みを持つ軟水で、敷地内の井戸から汲み上げて仕込みに使用。
 酒質を一言で表現すれば「淡麗旨口」。ふくよかな味の膨らみと豊かな旨み、キレを伴ってさり気なく消えていく綺麗な後味は、蔵が築きあげてきた伝統の味わい。
 
「商売的な感覚や損得で酒を造りたくはない」という信念から、ネット販売はしていない。
 
熱心に語られる部長さんからは純朴な人柄と酒造り一筋に生きて来られたプライドが感じられ、普段より多くの「〆張鶴」を購入して宮尾酒造を後にした。 (写真:内部に吊るされた暖簾)

 
       (外からの撮影)                 (村上も桜は満開だった)

 次ぎに訪れたのは「喜っ川(きっかわ)」。村上は百種類を超える鮭料理がある町で、他に例を見ない鮭食文化を誇っている。三面川を遡上してきた鮭を調理・販売する。それらのお店の老舗中の老舗が味匠「喜っ川」。ここの暖簾の前での吉永小百合のポスターは特に有名で、トシコさんからも一押しされていた。室内奥に入ると干されたサケがぎっしりと尻尾を上に吊るされていた。見惚れていると、実に感じのよい女性が説明に現れた。
 村上では鮭を首からは吊らない。首から吊るさないのは絞首刑を嫌ったため。
 
腹は裂け目が二つになっている。一文字に割かないのは切腹をイメージさせないため。
 
村上が武家のまちやだったから、いかにも武士らしい考え方が反映されたものと考えられている、などの面白い話が聞けた。当然のごとく、夜の酒の肴に塩引きシャケなどを購入。 

 
    (尻尾から吊るされたシャケ)             (喜っ川の入り口は狭い)

 昼食は割烹「千渡里(ちどり)」へ。ここは村上市で人気NO1のお店。右写真の「塩引き鮭定食」が1500円。村上特産塩引き鮭に小鉢3品が付く。美味しいシャケだったが、それ以上にここで働く人々の対応が気持ち良かった。この日は非常に寒く村上城などへは脚を延ばさなかったが、ただただ満足であった。村上人の情を強く感じつつ咲花温泉へと向かった。(塩引き鮭)





           (千渡里玄関)


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