マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

やねせん亭(その2)

2010年01月14日 | やねせん

 1月8日(金)夜、久し振りに「やねせん亭」の落語を聞きに、『不忍通りふれあい館』に行ってきました。今回が第7回の公演、前回行ったのが6月7日でしたから、7ヵ月振りの事になります。ふれあい館地下ホールには約150の席が用意されていましたが、満席の大入りです。

 今日の出し物は
  「太閤記 日吉丸誕生」  宝井琴柑 (講談)
  「狂歌家主」         三遊亭円左衛門
  「辰巳の辻占」        三遊亭兼好
        ---中入り---
     「野狐三次 木つ端売り」 神田織音 (講談)
  「藝の油」           三遊亭きつつき
  「一文笛」           三遊亭王楽


 (上:左兼好、右円左衛門 下:左きつつき、右王楽)

 講談は前回と同様、何れも女性講釈師。講談の世界は落語と比較して女性が多いようです。

 きつつきさんの語りは軽妙です。2003年に三遊亭圓橘に入門。前座名が橘つき。2006年の二ツ目昇進のときに漢字の”橘”をかなに改め”きつつき”名に。インターネットには「異空間から飛び出したような不思議な雰囲気を持つ。人呼んで”オペラ座の怪人”ならぬ”落語の怪人”」とありました。賞を幾つか受賞してもいます。この日の語りでもその片鱗を存分に見せてくれました。いつも、天才肌を感じます。

 王楽さんは去年真打ちに昇格し、あちこちで”真打ち記念落語会”の様な催しが行われています。面白い事に、円楽の弟子の一人が「笑点」でお馴染みの好楽(2番弟子)、王楽は好楽の息子ながら円楽の27番弟子。要するに、好楽・王楽は親子ながら、兄弟弟子同士でもあるわけです。
 折しも「週刊朝日」(1月22日号)の「親子のかたち 182」には三遊亭好楽・王楽の対談が載っています。親子なのに、友達同士のような雰囲気の対談で、好楽が「お前が落語家になりたいというので、私がどこでも紹介してやるけど、俺はお前の師匠にはならないよ、といったら。お前に、はいそのつもりです、と返されてカチンときたけれど」に、王楽が返して「親子で、兄弟弟子も面白いかなと。兄弟子と言っても、親父から教えてもらったことはなく、こっちが教えたことはいくつかあったけど」に、父は「バカヤロー!読者が本気にするじゃねえか」と、飾らないで、気さくな会話が続きます。

 谷中に住む円左衛門さんはこの「やねせん亭」の企画者、プロデューサー。地域活動への熱意が強い方です。今回の公演はすべて出し物が当日直前にも知らされていません。公演終了後放送がありましたが、マーちゃんには良く聞きとれません。そこで、円左衛門さんがプログラムに書いた記事を頼りにネットにアクセスするも、「このホープページは不具合です」の表示。このブログに「なねせん亭」を書くのが遅れたのはその為です。困ってしまい「やねせん亭」事務局に電話するも留守、留守電を入れておいたら、2時間ほどして、円左衛門さんから直接に連絡があり、もう一つのアクセス方法を教えてくれました。そのアクセス方法で漸く出し物の名称が分かりました。姿形から受ける印象もそうですが、実に誠実な感じの方。学研肌の雰囲気をお持ちです。

 兼好さんは、かって一献飲み交わした方。これが贔屓の遠因かも知れませんが、いつも上手いなと感心します。朝日新聞に載った「円楽追悼公演会」の記事の中でも感心された様に、一段と語りが冴えてきています。
 今日の”まくら”も絶妙です。「今年は寅年、百獣の王ライオンとどっちが強いか専門家に聞いてみました。互角なんだそうですね」(小笑い)「爪は虎の方が強いそうですが、歯はライオンが強いんだそうです。歯よく磨いてるからだそうです」(爆笑)「虎はオスは365日発情しているんだそうですが、メスは年に僅か2日しか、発情しないそうで、他の日にタイガーは何しているか、これも専門家に聞いてみました。ゴルフばかりやってるんだそうです」(爆笑)と枕で笑いをとり、滑らかに本題に入って行きます。かって「まくらでは既に真打ち」と言われた
面目躍如です。
 今日の語りは心中場面、特に女性を演じるのが絶妙です。細い体つきも女性らしさを感じさせますし、声の質も高く、なよなよとした感じを上手く表現していました。
 寄せがはねたのは9時過ぎ、2000円で2時間半を楽しませてもらいました。

  


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