マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『伝書鳩(レース鳩)のお話会』を終えて(その1)

2019年02月01日 | 学び舎

 1月29日(火)、『伝書鳩(レース鳩)のお話会』が参加者24名のもと、本駒込地域活動センターで行われた。
 語り手は、「尾上小鳥店」の経営者だった、86歳の尾上(おがみ)多喜雄さん。お話会の主催者の一人津久井さんの紹介によると、彼は豊島区のある町会の会長を30年間も勤められるかたわら、伝書鳩を約40年も飼われ、鳩レースには何回も参加し優勝した経験も多数ある。そのエピソードの数々や伝書鳩についての話を2時間半近く熱く語った。私はパワポを用いて映像面でのお手伝い。
 はじめに語ったのは、ドバトと伝書鳩の違い。伝書鳩の元もとはドバトと同種類のものだったが、その優れた帰巣性と長距離飛行の特徴を生かして人工的に改良したものが伝書鳩。かっては「伝書」という通信手段としての役割を担っていた。今では鳩小屋も解体し、鳩の飼育も中止して20年近くも経つが、年に2~3回は鳩の夢を見、涙をながすほどの「ハトキチガイ」。
 鳩レースに参加して2年目。東京から600km離れた野辺地からのレース。今か今かと鳩の帰りを待ちわびる目に、北西の方向からごま塩のような黒点が見る見るうちに影が大きくなり鳩舎目がけて猛烈なスピードで鳩小屋の到着台に舞い降りたバンデン号!後で分かったことだが、参加532羽のうち帰還出来た鳩は3羽のみの過酷なレースでの優勝だった。バンデンは輸入したバンデン・パパ号の直仔だった。

 その後1000kmも離れた汐見(北海道羽幌町付近)からのレースでも初挑戦にしての優勝し、連合会の中で一躍注目を浴びるようになっていった。しかし、稚内1100kmからのレースでは必勝の思い出参加させたバンデン号は7日の記録期間中にも帰還せず、意気消沈し諦めかけていた17日目、息絶え絶えに舞い降り、羽はバサバサでヨレヨレの鳩はバンデン号だった。自分と
向き合った鳩の目に涙。鳩にも気持ちがあり、その気持ちが以心伝心で伝わった瞬間。それ以来鳩の世話に心血を注いできた。

 一気に個人的・具体的な経験や思い出を語ると話は鳩の歴史・その帰巣性や身体的な特徴へ移っていった。(つづく)

 
 
 



 今日の一葉:雪かと窓の外を見ると月と金星が輝いていた