ロマン・ポランスキー監督のカトリーヌ・ドヌーブ主演の映画「反撥」を鑑賞。スチル写真とかは昔から知っていて気になっていた映画でしたが内容とかは知りませんでした。ドロドロした恋愛ものかな?と思ったりもしてましたが神経質でヒリヒリするようなサスペンス・ホラー映画でした。


ポランスキー監督の「テナント」でも似た嫌な気持ちの悪い感覚がありましたが、こちらもじっくりと狂気の世界に引きずり込む見事な演出と殆ど1人芝居のカトリーヌ・ドヌーブの眼力と顔力で画面に惹きつけられました。モノクロの映像も実に良くて美しくも不気味でもありました。
男性恐怖症の主人公が性的な恐怖と欲求不満とストレスから壊れてゆく様が描かれています。何か良からぬ事が起きそうな間の緊張感と何処か間の抜けた感じが同居する居心地の悪い雰囲気が続き突然解放されるかのように殺人の流れとなる場面は衝撃的でした。印象的なカットも多い映画で悪夢のような場面も効果的でした。
台詞は少なく映像と状況の積み重ねで恐怖を上手く出した映画でした。

