プレイしたゲームはだいたいすべてレビューしたと思いこんでたら実はまだ残ってたという。
steamで購入したゲームは基本的に全部レビューを書くことにしてるので、いっそのことむかーしに購入したゲームも全部レビュー書いてしまおうか……。
本作は東方Projectの二次創作ゲーム。ルールはシンプル、女苑ちゃんが要求してくる品物をひたすら貢いてご機嫌ゲージを規定量まで上げろ!
女苑ちゃんのリクエストは常に2文字でプレイヤーは残り1文字を選択して貢ぐアイテムを選びます。これだけだとすぐにネタ切れしそうなものですが女苑ちゃんは高級志向。安いものでは受け付けてくれないのでご機嫌ゲージが上がらないばかりか、限られたターン数を無駄に消費してしまいます。
さらに女苑ちゃんは気まぐれさん。こちらが入力したワードの解釈はすべて女苑ちゃんに委ねられるので、意図しない解釈をされることもしばしば。しかしその理不尽に耐えてこそ女苑ちゃんへの愛の証明となると言えます。
加えて各ステージには上限金額が設けられており、貢いだアイテムの金額が上限金額を越えると破産して即ゲームオーバー。場合によっては即死することもあるので緊張感のあるプレイが楽しめます。
本作は実にスピード感とライブ感のある知的遊戯であるとともに、いかにして女苑ちゃんが想定しているアイテムを見破るか、言い換えればいかにして依神女苑という人物の思考をエミュレートするかというゲームであると言えます。要するにリアルシャドーです。しらんけど。
こういうゲームは得てして正解の幅が狭くなると面白さが半減して作業ゲーになってしまいやすいものですが、本作はそれを「女苑ちゃんのリアクションの豊富さ」と「サービス問題としての大喜利回答」のふたつの方法で回避しています。
リアクションに関してはあまり詳細には言いませんが単語ごとにいろんなリアクションやツッコミをしてくれるので、そのリアクションを見るだけでもステージクリアを犠牲にしていろいろなボケをかましてしまいます。さらに、まれにどんな回答でもOKな大喜利問題が入るので思う存分ボケ倒せるのが楽しいところ。
このシンプルなルールでステージ数はかなりのボリューム。ステージごとお題や上限金額が違うので、毎回頭を悩ませつつハイスピードで回答するという緊張感が失われません。これだけシンプルなのに飽きが来ないのは実はすごいことなのでは。
あと個人的に本作で一番いいなと思ったのは、終始スピード感が失われないこと。ゲームにおいてもっともスピード感が失われやすいのはミス→リトライの過程だと思うんですが、本作はここにこそスピード感があって連続でプレイしてると変な汁が分泌されてきます。ここにスピード感を配置したのは大正解だと言えるでしょう。
そしてステージを次々とクリアしていくと女苑ちゃんとの関係も深まりません。ストアページにも「恋愛シミュレーションではないので、いくら貢ごうとも好感度が上がったり恋人になれたりはしません。」という無慈悲な一文が。
しかしこのゲームをプレイする諸兄は、そしてこのゲームの制作者さんはそんなことは望んではいないでしょう。ノーマルステージでも貢ぐ、EXTRAステージでも貢ぐ、貢いで貢いで貢ぎまくる。本作は愛とは見返りを求めるものではなく惜しみなく与えるものだということをわれわれに教えてくれるのです。しらんけど。
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