A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

夏コミ戦利品レビューFINAL。

2011-10-20 23:44:47 | それさえも平穏な日々

18と書いてワンエイトではなくアハツェンと読んでしまうわたくしです。
さて、それでは夏コミ戦利品レビュー東方編最後の1サークルです。

・RAINMAKER第1話~第4話(雨山電信社)
今週の目玉です。
目をつけたときにはすでに第1話が売り切れで各所で通販した直後にメロンで再販されてて涙目だった雨山電信社さんの作品です。
まさに「異色」の一言。
作風、画風、ストーリー、キャラ付け、どれをとっても他の二次創作とは一線を画しています。
というか実質東方×バイオメガというか東方×二瓶作品だぞこれ。あと宮沢賢治も入ってるし古橋秀之くさいし木城ゆきとも混じってるし手塚治虫も入ってるよな。
集落を守る退魔師として戦う魔理沙と、民衆に畏れられる霊夢。
その二人を巻き込む、霧雨家と稗田家の確執……
特筆すべきは霊夢の徹底した異常性の描写。
通常の人間とはまったく異なるメンタリティで描かれた霊夢の姿は、作中の一般人に、そして読者にひとたまりもない違和感を覚えさせます。
こういう特殊なメンタリティを持つキャラを描くのって本当に難しいんですよね。たとえば倫理観のまったく欠如したキャラなんかでも、どうしたって人間くささが残ってしまうものなんですが、この作品の霊夢はなんというか、「人間の姿をした、人間でも妖怪でもない何か」っていうある意味もっとも原作の霊夢の造形に近いものに描かれていると思います。
そして対象となる魔理沙の描写がその分どこまでも人間くさい。
霧雨家における家族内の確執、霊夢への想いの中で翻弄され続ける魔理沙の姿は、これまた原作の魔理沙の造形にもっとも忠実なのではないでしょうか。
とくに阿求なんて原作とは完全に別人なのに役どころがぴったり合ってるんですよね。
そして世界観の高レベルの構築がまたすごい。
原作や求聞史紀で出された設定を大幅にアレンジ……というかいい意味でガン無視した世界観は、それでも文句のつけようもなく東方世界です。
これはもう歌舞伎や武道でいうところの「守・破・離」の「離」の部分まで達してるんじゃないか……?
妖怪が人間を襲って食う一方で、退魔師と妖怪が宴会をするという、いわば東方世界の基本骨子部分がきっちり描かれていて、原作とはかけ離れているのにも関わらず限りなく原作に近いという……。
ある意味この作品は、東方キャラと世界観によって演じられた作品とも言えるかもしれません。
わたくし自身も二次創作をしている身なので、こういう完成度のド高い作品を読むと、ふんがああああああああああなんでこんなん書けるんだよおおおおゴロゴロゴロゴロゴロと転げまわってしまいます。
こんな作品を書けるようになりてーよ……。
問答無用で今夏の最大注目作品でした。

今日はここまで。
東方編は無事終わりました。残るはあと1作品。
夏コミ戦利品レビュー、フィナーレを飾るのは……?

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