Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

ボストン・ブラウンブレッド。

2008-08-25 09:23:42 | 料理
ここのところ少し涼しくなって秋の気配が感じられるようになりました。
8月に入って猛暑続きとお盆もあって、ここ数週間は料理修行もちょっとお休みでした。今年の冬もそうでしたが、暑さと寒さの最も厳しい時期は料理修業もお休みしなければ過ごしていけませんね。
また9月くらいに涼しくなってきたら本格的にやる気がでてくるのでしょう。

それでもこの涼しさはありがたいもので少しやる気がでてきたこともあり、久しぶりに作ってみることにしました。
先日、やっとモラセスを手に入れることができましたので、モラセスの風味と味を確かめることも兼ねて今回は"ボストンブラウンブレッド"を製作。

去年に今頃はちょうどボストンに滞在していたのですが、クラムチャウダーやボストンクリームパイは見かけたものの、このパンは見かけることはありませんでした。あっても見た目は黒パンなので見過ごしていたのかも。

料理書によれば、このパンはボストン近郊のみで一般的な庶民ブレッド。オールドアメリカンなパンらしく、ピューリタンが持ち込んだパンらしい。とは言っても日本ではいわゆる"黒糖蒸しパン"。日本では名前も聞いたこともなかったですが、日本でもなじみのあるパンです。ただし、材料がやや異なります。食べ方も甘味がすくなく、蒸しパンというと日本では甘味が強く、おやつ的要素が強いですが、アメリカでは食事パン。ボストンでは同じく郷土食のベイクドビーンと付け合わせるのが定番のようです。

作り方はいたって簡単。ただし、加熱時間は少々かかります。
ボウルに小麦粉と重曹、ライ麦粉、コーンミール、塩を加えて混ぜておきます。

別ボウルにヨーグルトとモラセスを混ぜ合わせておきます。オリジナルではヨーグルトではなく、バターミルクで、小麦粉も全粒粉を使うようです。

モラセスは砂糖を作る時にでる副生成物で、サトウキビ液を煮詰めて再結晶したあとの液体です。日本でいう粗製黒蜜みたいなものです。アメリカでは甘味として用いられることがおおく、焼き菓子によくつかわれています。コクもあり、これを加えることで風味が独特でアメリカンな感じを出てくる要素の一つですね。種類はライト(マイルド)とダーク(ロブスト)、ブラックストラップの3種類が基本ですが、今回は風味の強さがわからないため、お試しで一番風味の弱い"ライトモラセス"を購入してみました。輸入食品店でもなかなか取扱いが少なく、通販で手に入れるのが簡単かも。現品をみてから購入してみたかったので、あちこち探してやっと手に入れました。またモラセスについては味や風味を含め、詳細を解説したいと思います。

粉混合物にモラセスヨーグルト液を加えてゴムべらでしっかりと混ぜます。かなりべたつく生地ですが、もともと重い、どっしりとしたパンになるようですので、粉の混ぜ残りがないように気を付けることを優先してしっかりと混ぜました。
生地はこれで完成。オリジナルはレーズンを加えてありますが、ダンナさん仕様のため削除。

型にオーブンペーパーを敷いて生地を流し込み、ゴムべらで全体に広げて表面も慣らしてアルミホイルで蓋をします。

ひっつきやすい生地なので、オーブンペーパーは必須で、蓋用のアルミホイルにも生地との接面は油を塗っておきます。ペーパーを引かない場合は、かなりたっぷりと油をぬっておくようです。このパンの本来の作り方はコーヒー缶を型をして作るようです。

アメリカのレシピでは珍しく、加熱方法もオーブン焼きではなく、湯煎蒸し。鍋に湯を沸かして生地を入れたコーヒー缶を鍋に入れて数時間蒸し上げるのが基本の作り方のようですね。

今回はさすがにコーヒー缶ではなく、パウンド型を使い、鍋で湯煎蒸しにしました。オリジナルでは鍋はダッチオーブンを使っていました。オーブンで蒸し焼く方法もありましたが、鍋でじっくり湯煎蒸しにした方がこのパンに関しては良いようです。焼き上がりがしっとりと重く仕上がるようです。

大きめの無水鍋に湯を沸かし、アルミホイルで蓋をきっちりしたパウンド型をいれ、型の半分程度の深さになるようにお湯を足して、鍋の蓋をして極弱火で40分程度蒸します。極弱火でゆっくりと加熱するのがこのレシピの最大のポイントです。
途中で何度か鍋の水位を確認して型の半分程度が常に湯に漬かっているようにするのもポイントの一つです。

中心部分に竹串を刺して、何も付いてこなければ加熱終了。蒸しすぎるとぱさついて固くなるので要注意。すぐに型から出してラックで5分ほど荒熱をとり、オーブンペーパーをはずして切り分けて暖かいうちに食べるのがベスト。蒸しパンなので寝かせる必要はありません。

甘さはモラセスの甘みだけなので、かなり控えめな甘さ。食事用としては甘い目なので、濃い目のスープに合います。しっとりとしてアメリカのパンとしては非常に柔らかくすこしchewyな食感です。日本の蒸しパンとほぼ同じ感じですが、卵が入っていないため思ったより軽い仕上がりです。
今回は全粒粉を使っていないのでオリジナルよりもふんわりしていると思います。ライ麦の酸味もなく、コーンミールの風味もほとんど気にはならず、モラセスのコクが少し効いていて食べやすいパンでした。

モラセスは初めて使ってみましたが、思ったよりモラセスの風味は気にならないため、色々なレシピを試していけそうです。

この日は朝食用に作りましたので、前日の残りのラタトィユ風シチューの付け合せにしました。


このブレッドを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
Cpicon ボストン・ブラウンブレッド。 by PCWP



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