Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

No knead bread。

2008-11-16 18:48:20 | 料理
自家製パンを作る上で一番の障害となるのが、”捏ね”。力がいるし、手も汚れるのでどうしてもモチベーションが下がってしまう作業です。

その作業をなんとか簡略化するために、まずはスタンドミキサーを昨年導入しました。確かにこれで力作業からは解放。捏ねの時間も短縮できましたし、技を磨かなくてよく、かなりパン作りを簡略化できました。

でも少量のパンを作るのには捏ねにくいというところもあり、もっと簡略化できないかと思っていたところ、御用達の料理書のネットサイトで見つけた"ほとんど捏ねなくてよいパン"というレシピを見つけ、試してみることにしました。

"不捏ねパン”というと一番に思いつくのがクイックブレッドのアイリッシュブレッド。これは捏ねなくていいというより、捏ねてはいけないパン。イーストを使わず、重曹でケミカル的に膨らませるパンですので、イーストを使ったパンとは食感、味ともにやや劣ってしまいますね。パンのうまみを味わいたい場合はやはり発酵させる方が数倍おいしいし、食感も即席のクラムではややぱさつきぎみでずいぶん違います。アイリッシュブレッドもそれはそれでおいしいので、私的には嫌いではないですが。。。。

パン生地を"捏ねる"という作業は、パンの構造となるグルテンを作りだすために必要な工程。これをやらない代わりにこのレシピでは水分量を増やし、一次発酵の時間を12時間と長くしているのが特徴。長時間発酵させるのでその分イーストは少なくて済み、通常発酵に必要な砂糖も加えず、またビールと酢を加えてイースト臭をなくし、風味を増強しているのも面白いところ。
また焼き方もちょっと独特で、出来上がりがどうなるか興味津々でした。

先月より仕事を始めてしまったので、一日家にいる日はほとんどなく、逆にその時間を利用して"作り置き"or"寝かせておけるもの"の目下研究中。このパンも長時間発酵のため、研究対象にどんズバリ。

ちょうど試飲のビール缶をもらったこともあり、仕事で家を空ける時間を利用して発酵させてみました。

作り方はほとんど手間なし。まず大きめのボウルに小麦粉、イースト、塩を入れて混ぜ合わせておきます。小麦粉は強力粉と薄力粉を3:1の割合で配合。オリジナルのAll-Purpose小麦より強力系を多めにした配合にしました。

そこへ温水、ビール、酢を加えゴムべらを使って大きく混ぜ合わせてまとめます。ビールはノンアルコールのものでも可能とのこと。今回は発泡酒でした。

水分の多い生地で、捏ねてまとめないのでかなり"もさもさ"の状態ですが、そのまま何となく丸くまとめた状態で蓋をして室温で10時間程度放置。いわゆる一次発酵に持ち込みます。日本でよく売れている長時間発酵のパンの本では、冷蔵庫発酵になっているのですが、このレシピでは室温状態での発酵。ちょうど朝食後にこねて、仕事に行っている間を利用して夜帰ってくるまで発酵させました。

10時間後の帰宅後、ボウルいっぱいに発酵している生地を打ち粉をしたまな板に取り出して、ゴムべらを使って10回程度折りたたみながら軽く捏ねます。捏ねる作業はこれだけ。生地はやはり柔らかく打ち粉がないとかなりべたつきます。手でさわらず、ゴムべらで生地の端を中央部に入れ込むようなたたみ方でガスを抜きを兼ねて丸めなおします。

大きめのオーブンペーパーに生地を移し、そのままボウルに入れて室温で2時間二次発酵。約二倍の大きさになるまで発酵させます。

その間にオーブンと焼き型の準備。レシピではダッチオーブンを使って焼くのですが、我が家はダッチオーブンがないので土鍋を利用。耐オーブンの蓋つきの鍋があればそれを利用しても構いません。ル・クルーゼの鍋などは最適ですね。耐オーブン用の小さめの蓋付き鍋がひとつはあれば、アメリカ食作りには便利なのでそのうち購入する予定です。。。とりあえず今回は一人鍋用小鍋で代用試作。

発酵終了15分前くらいにオーブンを200度に予熱し、土鍋も同時にいれて空焼きで熱しておきます。

二次発酵の終えた生地をオーブンペーパーごと熱した土鍋に入れ、蓋をしてオーブンで20分間焼きました。
オーブンペーパーごと生地を土鍋に入れるのがポイント。形を崩すことなく予熱した型へ移すことができますし、予め熱した鍋にいれて蓋をして焼成することで高湿環境で一気にパンを膨らませ、カリカリのクラストを形成することができます。

20分後、蓋を取ってさらに15分ほど焼き、表面に焼き色をつけます。

焼き上がりの確認はアメリカ的手法の温度計直測り。パンの中央部に直接温度計を刺してみて100度になっていればO.K.。

オーブンから焼けたパンを鍋ごと取り出して、鍋からペーパーごと持ち上げてパンをとりだし、ラックで1時間ほど冷まします。焼きたてはカリカリのクラストで、中はもっちりとしてなかなか上出来。

アイリッシュブレッドのようなぱさつきはなく、均一な気泡できっちり発酵させたクラムになっているので捏ねたものと遜色ない仕上がりになっています。

クラストはカリッとしているのでハードパン的で、冷めると外側は柔らかくなります。焼いた当日食べるのが基本ですが、次の日でもクラムは固くならないので、普通のパンと同様に使えます。トーストにするよりも生で食べる方がお勧めのパンですね。トーストするとやはりちょっと水分が飛びすぎるようでカリカリになりがち。

二次発酵は暖かめの場所で1時間程度でも大丈夫のようなので、1時間半あれば、なんとか夕食用に焼きたてのパンを作ることは可能です。もしくは夜発酵させて朝食用にすることも可能。
冷蔵発酵法より私的には仕上がりのよいパンに思えます。ただし作れるのはハード系のパンのみになるので食事用かサンドイッチ用になりますね。菓子パンの生地に転用できるかは試してみる余地がありますが、焼き方を変えないとだめでしょうね。

とりあえず、使えるレシピではあるので何度か作ってみたいと思います。

このパンを作ってみたい方はこちらを参考にして下さい。↓
Cpicon ノーニード・ブレッド。 by PCWP



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