Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

「デザート」レモンメレンゲ・バー。

2009-03-29 06:40:09 | 料理
久しぶりにお菓子実習。今回はレモンメレンゲ・バーです。
アメリカではパイ、ケーキなどと同じ菓子ジャンルの一つとして"バー"があります。明確な規定は知りませんが、感覚的には器系のボトムにクリームやジャムなどのフィリング入っているものがパイやタルト。バーはボトムがショートブレッド的で縁はなく、角切りにしてある簡易型パイといったところ。日本でも最近"バー"と名のついたお菓子が増えてきましたが、健康食品的色合いが強く、まだお菓子として売られているものは見かけませんね。

アメリカのバーは甘ったるいものや固いものが多いので、あまり食欲をそそりそうなものがないのが今まで作ったことはない理由。今回はマーサのネットレシピの写真がおいしそうだったので作ってみようと思ったのですが、味の信憑性から御用達料理書のパイのレシピからはフィリングを、ボトムだけバーのレシピを参考にし、マーサのレシピの写真でルックスを参考にして組み合わせて作ってみることに。こうすればパイやタルトとどう違うのかも同時によく分かりそう。

まずはボトム作りから。フードプロセッサーに小麦粉、粉糖、片栗粉、塩を入れて軽く回転させて混ぜあわせます。小麦粉は今回も強力粉と薄力粉を半量ずつブレンド。オリジナルはコーンスターチを使っていますが、普段つかうことが無いので買い置きはなく、全て片栗粉で代用。

角切りにしたバターを粉の上に散らして載せ、粉を軽くまぶして再度10秒ほど連続で切り混ぜます。バターが砂粒くらいに細かくなり粉と混ざり合うまで1秒ずつ細切れに3~4回回転させ、クラストの混ぜ込み終了。

今回の型はステンレスバットを使用。バットにオーブンペーパーを敷きこみ、フープロ内のクラスト粉を移します。

型の底全体にクラスと粉を広げ、ゴムヘラで押し付けていきます。とはいっても水分を一切入れていないので、パイ生地のような粘土状でなくまだ粉の状態なのでパラパラ。ペーパーにやっと張り付くような感じでこれがボトムになるのかかなり心配な感じでした。側面も1cmほど型の側面に沿って無理やり押し付けて縁を作っておきます。

そのまま冷凍庫に入れて30分以上冷やします。

パイ生地であれば、水分を入れて一まとめにし、麺棒で伸ばしてから冷蔵庫で寝かし、再度伸ばして型に敷きこむのですが、伸ばす手間もまとめることもなくただバターと粉を混ぜて押し付けただけ。あっという間にボトムの下準備完了です。

冷やして寝かせている間にフィリング作り。パイではレモン+メレンゲが一般的なのにバーと言えばレモンフィリングだけになってしまうのですが、バー用のフィリングには片栗粉は加えず水分は大目で焼いて固めてしまうレシピになっています。

今回のフィリングは御用達書のレモンメレンゲパイのレシピを参考にして作りました。

鍋に砂糖、片栗粉、塩、水180ccを加えて弱火にかけ、泡だて器で絶えずかき混ぜながら加熱していきます。

水分が煮立ってくると、とろみがでて半透明になってきます。火から下ろして、卵黄を1個ずつ加えてその都度よくかき混ぜます。

レモンは皮をグレーターで摩り下ろしておき、その後半分に切ってフォークを使って汁を絞っておきます。

卵黄を加えたフィリングにレモン汁、レモン皮を加え、最後にバターを加えて完成。ラップをフィリングの表面にぴったりと貼り付けて保温します。冷めるうちに表面に膜が張るのを防止するのだとか。

冷凍庫で寝かせたボトムを170度に予熱したオーブンに入れて約10分程度焼きます。ボトムの表面が少し色づく程度でO.K.。冷めないように少し早めに火を切り、オーブンに入れたままにしておきます。

焼いている間にメレンゲ作り。メレンゲもマーサではなく、ちょっと変わった作り方をしている御用達料理書のパイレシピを参考にして試してみることに。解説によるとレモンメレンゲパイの問題点の多くはメレンゲにあるとのこと。メレンゲの縮みや水滴、水溜り、しぼみ、ひび割れ、焦げ、ゴム状など。ただあわ立てて焼くだけなのにかなりポイントが多いようです。

鍋に片栗粉と水50ccを加えてかき混ぜながら弱火でとろみが付くまで加熱して冷ましておきます。

卵白に砂糖を除々に加えて柔らかくツノが立つ程度まで泡立てます。

ここで先ほど作った片栗粉と水のとろみ液を大さじ1ずつ加えてさらに泡立て、ピンとツノが立つ固いメレンゲに仕上げます。くれぐれも泡立てすぎないように注意が必要です。

片栗粉のとろみ液を加えることで表面の水滴やメレンゲとフィリングの間にできる水溜りなどのの水分のにじみ問題を防げるらしい。

各パーツができたところで仕上げの焼きに入ります。

水分のにじみ原因は基本的には焼き加減が影響しているようで、表面の水滴は加熱しすぎ、水溜りは生煮えが原因とのこと。これを防ぐために焼きに入る前にフィリングが温かい状態でメレンゲを載せてすぐに焼くことが解決策。フィリングからの熱もあってメレンゲが加熱されやすく、焼き温度もやや低く抑えられて緩やかに加熱できるため焼きすぎの防止も同時にできるとのこと。高温で焼くとメレンゲはすぐに色づいてしまいますから。。。

まずフィリングのラップを取って弱火で軽く温めてます。

焼きたてのパイ生地の上に温めたフィリング流し、底全体に広げます。さらにメレンゲを載せて表面を全体を覆うように広げ、表面はヘラで凹凸をつけます。


160度に予熱したオーブンで10分程度焼いて、メレンゲがこんがりと色づけばO.K。

完全に冷ましてから型から出して四角に切り分けます。
懸案のボトムは想像以上にうまく出来ていました。粉状で押し固めただけなのにさくさくで味も上々。パイ生地よりもしっかりしていて切りやすくべたつきがないのには驚きです。フィリングの柔らかさと対比してかりっとした食感がベストマッチです。

フィリングは生のレモン汁が効いていてすっきりとした甘さ。片栗粉でとろみをつけていますが、糊的なべたつきもなく、切っても流れ出さずにいい状態を保っていました。

メレンゲの方も縮みも水分のにじみもなく良好。ふわっとしていて、フィリングとのバランスもよかったです。
以前にパイとして作ったものより断然味も形もよく、想像以上になかなか美味なお菓子となりました。ボトムの作り方も簡単なので夏場でも作れそう。今後はパイよりもバーボトムでパイ菓子を作ってしまいそうです。

このレモンメレンゲバーを作ってみたい方はこちらを参考にしてください↓
Cpicon レモンメレンゲ・バー。 by PCWP




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バナナ・マフィン。

2009-03-10 15:59:08 | 料理
明日から渡米のため、毎度の如く非常食作り。
今回は定番のロサンゼルスなので現地での食料調達は問題ないのですが、問題は飛行機。ここのところ、往路については毎度飛行機が時間通りに飛ばずに待ちぼうけを食らっています。前回は特にひどくて1日中待った挙句に欠航になり、丸一日遅れました。無期限待機用の食事用だけでなく、ひどい機内食時の代替食としても持っていると安心です。最近はだいぶ食べれるようになりましたが、機内食も半分程度食べられるといいところ。匂いと味、ヘビーさで敬遠してしまいがちです。

今回も持ち運びに便利で食べやすいマフィンにしたのですが、原点に戻ってバナナマフィンを作って作り方をあれこれ検証してみることに。

マフィンもレシピがたくさんあるのですが、基本的にはアメリカンレシピの方がおいしいように思います。日本のレシピも味は悪くないのですが、食事用というよりお茶菓子的。ケーキ的で甘く、軽く、そして小さい。

アメリカンマフィンもに種類あることが最近わかってきて、食事用としてのボリュームがあるビッグマフィン系と日本のマフィンに近い、ブルーベリーマフィンのような小型マフィンがあります。現地で売られているのはほとんどビッグマフィンですが。。。日本ではビッグマフィンはあまり見かけませんね。スタバでも日本では小さいですから。値段はアメリカの方が当然安いし、大きさも倍くらい違います。何故なんでしょう?

今までも色々なマフィンを作ってきましたが、なかなか思うように仕上がらないようになってきて、その原因を探るべくプレーンマフィンに近いものをフルファットで作ってみました。

御用達料理書にはミニマフィン系のブルーベリーマフィンしかなかったのですが、ネットの方にベーシックなものがあったので、そちらを参考にしてみました。
作り方は最初に作ったARIのマフィンの作り方とほぼ同じ。

まずバターと三温糖をボウルに入れ、泡だて器でクリーム状になるまでしっかりと泡立てます。
御用達書では今まで液系と粉系材料をそれぞれ別で混ぜ合わせてから両者を合わせるクイックブレッド法で作る方法を推奨しているレシピでしたが、ベイシックなビックマフィンについてはバターと砂糖を泡立てるクリーミング法が採用されていました。
最近膨らみがいまいちだなあと思っていたのですが、やはり大きく作る場合はクリーミング法がいいようですね。ただし、食感が柔らかくなるらしいのですが。。。

泡立てたバターに卵を数回にわけて加え、その都度よくかき混ぜます。一度に加えると混ざりにくいので、手間なようですが、少量ずつを何度も加えたほうが結果的に早く均一に混ざると思います。

別ボウルに粉材料を合わせておきます。強力粉、薄力粉、ベーキングパウダー、重曹、塩、ナツメグを加えて混ぜ合わせておきます。アメリカではバナナにはナツメグを加えるものが多いですね。日本ではシナモンが定番ですが。。。

卵を加えたバターに粉の1/3量を加えて混ぜ合わせます。ヨーグルトの1/3量を加えてさらによくかき混ぜます。

残りの粉の半量を加え、またヨーグルトの1/3量を加えて交互に混ぜ合わせることをもう一度繰り返します。

最後に粉を加えて混ぜ終るようにします。何故か最後は粉で終るようにとの指定は日本のレシピには多いのですが、アメリカでは指定なし。今回のオリジナルもレシピ通りだとヨーグルトで終る計算になっていましたが、粉で終るように最初に加える粉の量を1/3に減らしました。

プレーンなマフィンでも良かったのですが、バナナを入れてちょっとパワーアップ。粉を混ぜ終わった生地に最後に刻んだバナナを加えて大きく混ぜて生地完成です。

マフィン天板に油を塗っておき、計量カップで生地をすくって、均等に型に入れていきます。ビッグマフィンにするためにはキノコ笠状に膨れるのが理想。この形をつくるために型一杯に生地をつめる必要があります。
ミニマフィンの場合は逆にキノコ型するとN.G.。8分目程度に生地を少なめに詰めるようです。詰めすぎると平たいT字型のマフィンになるらしいとのことですが、日本では市販品によく見かけるマフィンですよね。アメリカではN.G.マフィンということになるようですが。。。

180度のオーブンで25分程度焼き、表面が色づき、かりっとして竹串をさして何もついてこなければ焼き上がりです。焼けたら型ごと荒熱を5分ほどとって、型からだし、暖かいうちに食べるのがベスト。少し冷ましたほうが外側のクラストがかりっとして、形も崩れずにしっかりして食べやすいですが。。。

焼きだしてすぐはいつもより膨れ具合がよく、焼き上がりが早そうだったので15分程度焼いて様子を見てみましたが、まだ中まで火が通ってなかったのでオーブンに戻したのですが、生焼けの状態で一度オーブンから出してしまったためにトップがしぼんできてしまいました。庫内が狭いので焼き色が付き易く途中で少し温度を下げたのも原因かもしれませんが、出来上がりは完全なキノコ型にはなりませんでした。

溢れ具合はよく、笠は出来ていたのですが、トップが少し平たくなってしまいちょっとN.G.。表面の色づきはよく、外側はかりっとしていてクラストとしての出来は以前より良かったと思います。
クラムの方は柔らかくもちっとしていて、ちょっと理想の仕上がりとはならず残念。味は悪くないのですが、クラムの仕上がりとしてはいまいちですね。A.R.I.のレシピと比較してみるとA.R.I.はヨーグルトの代わりに牛乳を使っていました。また重曹は使わず、ベーキングパウダーのみ使用。今回は重曹を入れているのでヨーグルトの方が膨らみがよいと思ったのですが、ヨーグルトの酸の効能より弾力が出る作用の方が効きすぎたようです。
写真で生地を比べてみると、今回の生地は柔らかいように思います。日本のヨーグルトはアメリカのものより柔らかく水分量が多かったのかもしれません。

御用達書のミニマフィンのレシピではヨーグルト使用は弾力が出るのでN.G.となっていて、サワークリームを使っていました。日本のヨーグルトは酸味が利いていないのでよけいに弾力が出たのかも。

今回はヨーグルトの量が多かったことと途中でオーブンをあけてしまったことがN.G.の原因だと思います。膨れる要素は分かってきたので、次回はヨーグルト量を減らし、25分くらいオーブンをあけずにしっかりと焼いて見ることにします。
味はやはりミニマフィンよりビックマフィンの方がおいしいように思いますね。日米ともに市販のマフィンは甘すぎで、カロリー過剰なので、自分でうまく作れるようになると便利ですね。

今回の渡米ではミニマフィンの型を買ってきたいと思っています。日本ではなかなか見かけませんからね。スプリングフォーム型も調達したいのですが、いいものが見つかるといいですね。

このマフィンを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
Cpicon バナナ・マフィン。 by PCWP



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ブラック・フォレスト風ケーキ。

2009-03-07 17:04:39 | 料理
週末はダンナさん実家に久しぶりにお里帰りのため、手土産製作。
冷蔵庫の在庫整理中に急なお菓子作りは、材料調達が微妙なため作れるものが限られてしまい、新規なものとなると非常に困難。材料数が少なく、在庫でほぼ作れるものということでロールケーキにすることに。

実はほぼ和製英語ではないかと思う私。アメリカでは基本的に"ロールケーキ"という言葉すら存在せず、似たようなものであれば、クリームの代わりにジャムを挟んだ"Jelly Roll"かアメリカ版ブッシュ・ド・ノエルの"Yule Log Cake"。ロールどころか基本的に生クリームのみを挟んだケーキという発想がないようで、たいていはチョコやココナツなど何かを混ぜ込んだバタークリームが主体ですね。

日本のロールケーキは非常によく出来ているレシピだと思います。在米中に何度か作り、料理教室でも教えていたので、今回は逆にアメリカ版のロールケーキを作ってみることにしました。オリジナルは"Yule Log Cake"のレシピ。でも途中で失敗したので、出来上がったのは結局ブラックフォレストケーキ的なレイヤーケーキになってしまったのですが。。。

今回のログケーキはチョコスポンジ生地でした。日本ではスフレ生地かジェノワーズ生地ですが、やはりアメリカではふわふわ生地はダメみたいですね。

耐熱ボウルにチョコレート、バター、水を加えて混ぜ合わせ、ラップで蓋をして湯煎にかけて、チョコとバターを溶かします。この際、湯煎温度に気をつけて過熱しすぎないのがポイントらしい。途中でチョコ液を混ぜるのもご法度で水やバターを沸騰させないように、ゆっくりと溶かしていきます。
水を加えるのがポイント。ココアと水が合わさるとココアの風味が倍増するし、チョコレートの風味もよくするらしい。その上、生地のツヤもよくなるとか。

その間に卵のあわ立て作業。オリジナルは卵6個をスタンドミキサーで別立てしていましたが、我が家的には量が多いので半量の手動製作。ハンドミキサーは撤廃しているので、スタンドミキサーで泡立ててもいいのですが、手で泡立てる方がキメが細かく泡立てられ、メレンゲの見極めのしやすいので、別立法なら卵3個までなら手動です。ミキサーだと、泡立てが早すぎてピークを越してしまいがち、以前に失敗して以来基本的にはメレンゲは手動製作にしています。

卵を卵黄と卵白に分けて、まず卵黄から泡立て。砂糖の半量を加えて白っぽく、リボン状に流れ落ちるくらいまで十分に泡立てます。手動の場合は卵黄の泡立てにやりすぎはないですね。体力と時間がある限り泡立てておくといいと思います。

次に卵白の泡立て。同じ泡だて器を洗わずにそのまま使います。卵白にも砂糖の半量を数回に分けて加えながら泡立てていきます。卵黄の場合は1度に加えてあわ立てても大丈夫ですが、卵白の場合は数回に分けて入れるほうがよいメレンゲができますね。卵白はあわ立て限界があるので、角がぴんと立つ少し手前がベストの状態。ちょうど角が立ち始めてツヤが出てきたところで止め時です。

卵の泡立てが完了したことにちょうどチョコレート液も程よく溶けてきているので、湯煎からはずして、初めてかき混ぜます。

滑らかにツヤがでるまでよく混ぜ、泡立てた卵黄に加えて混ぜ合わせます。

さらにメレンゲの1/4量を加えてよく混ぜ合わせます。残りのメレンゲを加えて全体をさっくりと混ぜ合わせ、全体がちょうど均一になるまで混ぜ合わせます。

ココアパウダーと薄力粉、塩を混ぜ合わせておきます。

粉類を振るいながら一度に卵液に加えます。手早く、全体を大きく混ぜ合わせて生地完成です。

今回の型は半量製作のため天板ではなくステンレスバットを使いました。バットにオーブンペーパーを敷きこみ準備しておきます。

生地を流し込んで、ヘラで表面を慣らしながら角まで生地を均一に広げます。200度のオーブンで10分間焼きます。ケーキの中央部を指で触ると弾力が出てきたらO.K.です。

バットから出して網の上で荒熱をとり、バットをかぶせてそのまま冷却。ここは日本式の冷まし方を採用しました。オリジナルはただ冷ますとしか指示はありませんでした。

まだ解説を読む前にレシピだけ読んで作ったので、ここで失敗。オリジナルの指示通りスポンジを冷ましてからペーパーをはずして一度形をつけるために巻き込むのですが、生地が割れてしまいました。後で解説の方に目を通すと、完全に生地が冷める前の暖かい状態で巻き込みをするとのこと。冷めていたからなのか、生地自体が失敗だったのか、巻き込み時にすでにクレバス状態になってしまったので、ロールケーキにするのを断念しました。レシピの方にも暖かいうちに巻き込むとどうして書かないのか。。。。

作り直すことも考えましたが、味は悪くないし、もったいないので形を変えてレイヤーケーキに急遽変更。ちょうど1/3幅のところで割れてしまったので、そのまま割れた部分で3等分にし、クリームを塗って重ねることにしました。日本では2段が主流のようですが、アメリカンケーキは何故か3段重ねが基本です。

フィリング用のクリームはオリジナルはやはり生クリームではなく、エスプレッソ・マスカルポーネクリームでした。オリジナルはインスタントのエスプレッソ粉と砂糖を溶かすために生クリームを一度加熱していましたが、ちょうどマスカルポーネチーズに付いていたエスプレッソソースを加え、砂糖はヨーグルト用のフロストシュガーを使って非加熱で混ぜ合わせるだけにしました。生クリームも泡立てずに加えてチーズに混ぜ合わせ、フィリング完成。

上掛けは残った生クリームと練乳を混ぜて泡立てて作っておきました。クックパッドのレシピ曰く、砂糖ではなく練乳を使うとコクがでて高級生クリームになるとか。。。私的にはそう変わりはないような気がしましたが。。。

1/3のチョコスポンジにチーズクリームの1/3量を塗り広げ、スポンジを重ね、またクリームを塗って残りのスポンジを重ねて3段にします。

泡立てた生クリームを表面に塗り広げてデコレートしました。なんとなく寂しい感じなので使い残しのチョコレートを削って側面にまぶしつけ、もらい物のアーモンドチョコで飾ってちょっとブラックフォレスト風ケーキにしてみました。ホンモノはアーモンドチョコではなく、ブラックチェリーなんですが。。。
一人分ずつ切って、セロファンを巻いてケーキ屋さん風にすると見栄えもよくなりました。なんとか作り直さずにうまく転用できました。

味の方はというと、スポンジは粉の量がかなり少なく、あまり膨らまないので厚みもないからなのか、チョコレートがたっぷり入っているものの、フラワーレスケーキのようなFudgyさもなかったです。スポンジもぱさつきはないものの、甘さも控えめで、特別なふんわり感もない、可も無く不可もなくという無難な仕上がり。スポンジにしてみるとやや固めという感じですね。前回のヴェノワーズ生地の方がはるかにおいしいので、これで作ったほうが断然いいと思います。
クリームももっと挟んでクリームの味を楽しむケーキにするといいかもしれませんね。マスカルポーネクリームは簡単ですが、味はあっさりめでおいしかったです。塗るにも硬さがちょうどよいので、扱いやすいクリームでした。

このまま冷蔵庫で一晩寝かせておけば、生地がもう少しおいしくなるかもしれませんね。やはりロールケーキは日本のレシピの方が格段に良いことが分かりました。
本来のブラックフォレストケーキもチョコレイヤーケーキも別にちゃんとレシピがあり、スポンジもそれぞれ作り方が違うので、こちらも作って今回のものと比較してみたいですね。

とりあえず持参菓子の体裁が整ったのでよかったです。



スェーデン風ミートボール。

2009-03-06 16:15:16 | 料理
来週から渡米のため、冷蔵庫の食材一斉使い切り週間に入っています。早くも在庫調整が効きすぎて、生鮮食材がほとんどない状態。まだ1週間あるのですが、買い足すには中途半端で、この少ない食材でほとんど買い足さずになんとか切りまわしたいところ。
よって夕食やお弁当の献立はますます混迷を極めています。とは言え、マンネリにならないように何かと料理レシピを読み込む毎日が続いています。
そこで御用達ネットレシピサイトの最近のトピック記事で画像つきで紹介されていたのを思い出して、ちょっと変わったスェーデン風ミートボールを作ってみることにしました。

ミートボールと言うと子供用またはお弁当のおかずという感じがする私ですが、アメリカではミートボールというと何といっても"ミートボール・スパゲッティ"が主流といったところ。洋書のレシピをみてもまずは"ミートボール・スパゲッティ"が出てきますね。日本ではスパゲティというとボールにすることよりも、バラバラのままソースにしてしまうスパゲッティミートソースか、大きな肉団子にしてハンバーグにしてしまうの主流ですが。。。アメリカ崇拝の日本人ですが、どこでどうスタイルが変わってしまったのか。。。

作り方もスェーデン風なのかちょっと変わっています。
オリジナルはスタンドミキサーを使っての作業ですが、少量製作なのでフードプロセッサーで作ってみることに。

まず、パナード作り。卵と生クリームを小器に混ぜておきます。

食パンのみみを切り落とし、大きくちぎって卵液に浸してしばらく水分を吸わせてるため置いておきます。このパナードを肉種に加えることで種の保湿効果と肉が焼き締まるのを防げるようです。もちろん増量効果もありますが。。。ハンバーグではパン粉に牛乳を加えますが、ヘビーな生クリームを加えるところがスェーデン風。寒い国だからなのかヘビーな料理手法が特徴のようです。

その間に、フードプロセッサーにたまねぎを加え、回転させみじん切りにしておきます。

豚ミンチ、ナツメグ、こしょう、黒砂糖、塩、ベーキングパウダーを加えて1分程度きり混ぜます。全体が白っぽく滑らかになればO.K.。ソーセージのフィリング作りのような感じで作るのがポイントで、ハンバーグとは違い独特のぷりぷり感を出すようです。
ベーキングパウダーを加えることでジューシーさを保てるのだとか。パナードと同様ボリュームUPもかねているとのこと。なかなか興味深い配合です。

卵液でふやかしたパンをフォークを使ってつぶし、パナード液にします。フープロ内のパテにパナードを加え、再度攪拌し混ぜ込みます。牛ミンチを加え軽く全体をきり混ぜて肉種完成。

手を水で濡らして、大さじ1杯強の肉種をとり、手で丸めます。大きさはお好みですが、この後炒めて火を通すのであまり大きいと火が通りにくいので注意です。小さ過ぎてもボリューム感にかけますので、直径3cm弱程度がお勧めのようです。

フライパンに油を敷いて肉種を焼いていきます。オリジナルでは170度の油で揚げ焼きにするとのことで、肉種の1/3量が浸るくらいの多量の油を使っていましたが、今回は普通の炒め物程度の油の量で焼きました。
中火でひっくり返しながら全体を焼付け、最後に蓋をして軽く蒸し焼きにしました。一度ミートボールをキッチンペーパーの敷いた皿に取り出して油をきっておきます。

続いて同じフライパンでソース作り。フライパンに油が残っていればふき取り、焼け焦げはそのままにしておきます。バターと小麦粉を加えて炒め、軽く色づいてきたら水かチキンスープを加えて混ぜながらフライパンの底の焼け焦げをこそげ落とし、スープに溶かしこみます。

黒砂糖を加えて、液が2/3量になるまで数分煮詰め、生クリームを加えて軽く煮立たせます。

ミートボールを再度フライパンに戻し、ソースに絡めながら5分程度温めます。最後にレモン汁か酢を少量加えて味を引き締め、塩、こしょうで味を調整します。付け合せを盛り付けた皿にミートボールを載せ、ソースをたっぷりかけて完成です。

付け合せはマッシュポテトとスェーデン風キュウリのピクルスが定番のようですが、今回はジャガイモ在庫切れのため、グリンピースミルクピラフとレタスにしました。

見た目と作り方はヘビーな感じだったのですが、食べてみると意外にあっさりで薄味でした。驚いたのは食感のぷりぷりさ。ハンバーグのようではなく、ソーセージっぽいのですが、ソーセージよりぷりぷりかも。
香辛料も洋書レシピにしてはほとんど効いていないので、子供でも十分に食べられますが、子供っぽい味付けでもないのが不思議なところ。がつんと肉っぽい味にはならず、生クリームでかなりマイルドな味になっていました。ソースがちょっと甘めになっているのも面白いですね。よくある肉団子的な味ではなく、新しい味でおいしかったです。

トマトソースのミートボールよりもやや上品な感じですね。ぜひ一度、レストランで本物を食べてみたい料理でした。

この日の献立は、スェーデン風ミートボール、フリッジサラダ、根菜トマトシチューでした。

このミートボールを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
Cpicon スェーデン風ミートボール。 by PCWP



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