Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

クリンクル・クッキー。

2008-09-24 20:10:03 | 料理
今年の秋はやはりちょっと早い気がする。というよりここ数年が遅かったというのかもしれませんが、去年より確実に涼しい9月です。
去年の今頃は帰国して引っ越ししてばたばたしていたのですが、何につけても暑くて汗だくで物事をこなしていたのが印象的でした。

お彼岸にこれくらい涼しい印象が残っているのが、高校3年のときでしょうか。ちょうど学内推薦で大学進学がほぼ確定したので、非常に印象に残っているのですが、その時のお彼岸のお寺のお参りで汗をかくことなく、今年の状況に近い感じでした。

昨日はそのお彼岸のお参りに2年ぶりに行ってきました。お墓参りはちょくちょく行っているものの、お寺の法要の日に最近はなかなか行くことができず、帰国して初めてとなってしまいました。今年はダンナさん側の法事に出席することが多かったので、色々な宗教作法、文化を体験することができました。私はこのお寺の法事に子供のころからしょっちゅう出ていたので自分の宗教的習慣の基点となったのですが、旦那さん側の法事に出ることで宗派だけではく地方色で宗教習慣がかなりあることがよくわかりました。やはり宗教行事にいくつか出ることも大事ですね。

ということで実家にも帰りましたので、恒例の手土産用のお菓子を作りました。
涼しいとは言ってもまだ日中は30度前後になり、お寺経由になることから長時間常温で持ち運びやすいものを選びました。

今回は“クリンクル・クッキー”です。このクッキーはアメリカンソフトクッキーの一つです。いわゆる“カントリーマーム”として市販されているものに近いです。材料もシンプルで成形も楽。焼成時間も短時間なので手早くできるのが魅力的ですね。今回も特別な買い物をせず、自宅にあるもので作ることができました。

クッキーのレシピは数多くあるのですが、今回は"ウィリアム・ソノマ"のレシピを試してみることにしました。いつもは御用達洋書から作るのですが、レシピの数としてはマーサのサイトの方が充実しています。でもたまには別のサイトのものも試してみたくなり、以前から気になっていたウィリアムソノマのレシピを試してみることにしました。ウィリアムソノマのレシピサイトはかなり上品な感じ。写真もきちんと載っていて、お店仕様な見栄えです。マーサの方は家庭的やちょっとアートな感じの写真が多いので種類は多いけれど作ってみようと思うものは意外に少なかったり。

ウィリアムソノマは高級家庭料理道具店なので見栄えはいいが、味はどうかというところ。レシピは行数も少なく、簡単に書かれていてうんちくは全くないのがある意味特徴でしょうか。。。

小さめのボウルに薄力粉、ココアパウダー、塩、を加えて混ぜ合わせておきます。

別の大きめのボウルに室温で柔らかくしたバターを入れ、砂糖を加えて泡だて器で白っぽくクリーム状になるまですり混ぜます。今回はココア仕様生地には色を少しでも濃く出すために甜菜糖を使いました。バターはかなりやわらかい状態が作業性がいいですね。某国営放送"×××ガッ○ン”でやっていたようにマヨネーズ状くらいまでやわらくして使うのがお勧めです。でも溶けて液状にならないように電子レンジにかけるのが難しいところですが。。。

バターと砂糖がクリーム状になったところへ卵を2回に分けて加え、さらに泡だて器でよく混ぜ合わせます。卵もあまり冷たいと分離しがちになるので、できるだけ常温の方がベターです。一度に加えると混ぜにくいので2回に分けた方が結局早く混ざります。

さらに最初に混ぜ合わせておいた粉類を一気に加えてゴムべらでさっくりと混ぜ合わせます。これで生地は完成。結構べたつく柔らかい生地になったので成形が思いやられますが、このレシピでは意外に簡単でした。

成形は粉砂糖を手粉代わりに使って行うのが面白いところ。小器に粉砂糖を入れておき、生地を大匙1杯程度スプーンですくって、粉砂糖の中に落とします。粉砂糖を生地にまぶしながら手で丸めていきます。粉砂糖がないとべたついてとても成形できませんが、粉砂糖をまぶすと簡単に丸めることができます。

ソノマのレシピにはウンチクが一切ないので作り方のポイントがわからないのが欠点ですが、あとで御用達料理書のとあるクッキーレシピを読んでみると粉砂糖は丸めるときにしっかり余分にまぶしておく方がいいみたいですね。あとからわかったので今回は薄くはたいて丸めてしまいましたが、しっかりまぶしておく方が、オーブン焼成時にこのクッキーの特徴となる割れ目がしっかりできるようです。

丸めたクッキー生地を5cmずつ離してオーブンペーパーを敷いた天板に並べていきます。
このクッキー生地は前回のチョコチップクッキーのように焼成時に溶けて広がる系というより、ベーキングパウダーで膨れて大きくなる系なのでやはりできるだけ生地の間隔は空けておいた方がいいですね。

170度に予熱したオーブンで12分程焼きました。焼きはじめると高さがでて火山にように表面が盛り上がってぱっくり割れました。ソフトクッキーなので焼きすぎには注意です。表面が膨らんで割れ目ができていれば割れ目がちょっと生っぽくてもO.K.です。

天板からラックに移して荒熱を取って完成です。ソノマのサイトの写真とは割れ方がちょっと違い、思ったほど上品な出来栄えとはなりませんでした。やはり粉砂糖のまぶす量が足りなかったからでしょうか。それでもなんとか"クリンクル"にはなりました。

ちなみに"クリンクル"はシワをいう意味。割れるというよりシワとみるアメリカ的感覚が面白いですね。アメリカ的感覚ではクッキー表面にはこういう割れ目のあるものがおいしそうに見えるようで、わざと表面を荒く作るものが多いですね。

オーブンが小さかったので一度に12枚しか焼けず2バッチ作りました。1バッチ目はレシピ通りココア生地にして、2バッチ目はプレーン生地にして2色仕様にしました。

プレーンの方が作り方は同じで、材料の違いは小麦粉にココアを加えず、砂糖は白砂糖を使用。なぜか大きなひび割れは少なくなってしまいましたが、割れ方がよかったようで見た目は上品な感じにできたのが不思議。

味はフレーバー不使用ですが、香りがよく甘さもちょうどよい感じ。ココア生地は甜菜糖を使ったので甘さはソノマのレシピの1/5、プレーンは白砂糖を使ったので2割ほど減量しました。そのままだとやはりちょっと甘いレシピですね。焼き時間やオーブン温度は適正で作る量も家庭量なので作りやすいいいレシピだと思います。

食感は表面はサクッとしていて中はふんわり。冷めてもがりっとしないので上出来ですね。1枚が大きめで厚みがある分食べ応えあるので手土産には一人一枚換算でも大丈夫ですね。何枚も大量に成形、焼成をしなくていいのが作りやすくていいと思いました。

全体的に見て風味も食感も良いですが、味が飛びぬけるほどではないのでいつもの御用達書の方がレシピ評価としてはやはりいいですね。ほかにもいくつか試してみないとわかりませんが、マーサのレシピよりはやはり上品な気がしますね。

このクッキーを作ってみたい方がこちらを参考にしてください。↓
Cpicon クリンクル・クッキー by PCWP



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チョコベリー・ジンジャーブレッド。

2008-09-16 19:29:56 | 料理
ちょうど日本に帰国して1年がたちました。
去年の今頃は新居探しとアメリカ生活とのギャップであたふたしていたのを思い出しますね。時間がたつのは早いものです。ときどきアメリカ生活時代のブログをみたりして、当時を思い出すくらい記憶は過去になりつつあるのですが。。。

ひさしぶりにモニター懸賞があたり、その課題制作。今回のモニターはブルーベリー。シロップ漬け1缶、ブルーベリージャム1瓶、ドライワイルドブルべリー2袋のセットでした。市場価格1000円以上はありますね。缶詰とドライベリーは意外に高価です。

その中でドライのワイルドブルーベリーを使って1品作ることにしました。

これからの季節、アメリカでよく見かけるお菓子としてジンジャーブレッドがあります。年中食べられているお菓子ではありますが、秋から冬にかけてが旬な気がしますね。クリスマスにはジンジャーブレッドハウスを作るのが習慣ですし。。。
でもアメリカでは大衆菓子の定番なのに、日本ではほとんど売られていない、みかけないお菓子のひとつです。味が受けないことが大きいと思うのですが。。

ジンジャーブレッドは、その名のとおりショウガがメインで多くのスパイスが入ったスパイスケーキです。分類は重曹だけを使ったちょっと重めのクイックブレッドです。作り方は簡単なのですが、スパイスをたくさん使うのでこれだけを作るためにスパイスを買うのは予算的には合わないお菓子ですね。ただ他にも使いまわしがきく定番のスパイスばかりで、我が家ではほとんど常備ものになっているものばかりです。

ボウルに強力粉と薄力粉と重曹、塩、しょうが、シナモン、クローブ、ナツメグ、オールスパイス、ココアを加えて混ぜ合わせておきます。

小麦粉は今回は強力粉が多めの配合になっています。いつもはall-purpose小麦の代用として薄力粉と強力粉が同量にするのですが、しっかりとしたクラムのなる方が良いようですので、少しタンパク質が多めに設定しました。このブレッドに関しては薄力粉だけだと柔らかくなりすぎるようで、中力粉以上が質感の上で必要のようです。

スパイス類は粉状のものを使用しますが、しょうがはおこのみに応じて生のすりおろしでも、砂糖がけのドライ状のものでもかまいません。使う種類によって風味の強さが変わってくるので、強い風味がお好みであれば、生しょうがとドライを併用するのがいいようです。ただし、日本人向けとしては全体的に風味は抑え気味にした方がいいと思います。今回は生のしょうがをすりおろして使いました。

別のボウルに溶かしバター、モラセス、砂糖、卵、牛乳、ヨーグルトを加えて泡だて器でよく混ぜ合わせます。モラセスをたっぷり使うので黒い生地になり、スパイスに負けない独特の風味を出します。なければ黒砂糖を溶かして代用するといいですね。

よくあるレシピでは牛乳のかわりに水を使っているのですが、乳脂肪が入ることでこのケーキの欠点でもあるぱさつきを抑えてしっとりとさせます。
甘味としてモラセスを使っているので、さらに砂糖はブラウンシュガーを使うレシピも多いのですが、御用達洋書ではグラニュー糖がお勧め。意外にグラニュー糖の方が甘味がはっきりすっきりしているのでスパイスが引き立つらしい。癖が多いものをたくさん入れるので、相乗効果で殺しあうのを避けているようです。
そういう意味でモラセスの代用としてメープルシロップはご法度とのこと。スパイスの風味がメープル風味と相殺されてしまうようです。

油脂としてバターを使っていますが、植物油でも可能。バターの方が目の詰まったしっとりとしたケーキになうようでおすすめです。他の多くのレシピでは砂糖を固形バターをクリーム状に泡立てて作るレシピもあるのですが、こちらはアメリカンケーキとしては膨らみすぎになるらしく、N.G.。ふわふわの軽い日本人受けするものにしたい場合はバターケーキ的作り方をするといいかもしれませんが、アメリカンなジンジャーブレッドはかみごたえ、食べ応えが重要ですのでお忘れなく。

卵も粉の分量に比べて少なく済みます。卵が多いと焼成中に中央部が落ち込みやすくなるようです。
今回はヨーグルトを加えましたが、本来のレシピはバターミルクを使っています。代用としてヨーグルトは洋書レシピでは基本的にNGとのこと。サワークリームも同様で三位が強すぎるとの指摘がされていましたので、自家製の豆乳ヨーグルトを使い、酸味の少ないものにしました。牛乳とヨーグルトを同量使うのがベスト配合とのこと。

生地の最後に加えるチョコレートは板チョコを刻んでおきます。お好みでチョコチップをつかっても構いません。板チョコの方が安価なので、私はこちらを選択していますが。。。

液体系のボウルに粉類を加えてゴムべらでなめらかに混ぜ合わせます。混ぜすぎないように注意しながら粉っぽさがなくなるまで全体を良く混ぜ合わせます。

最後にワイルドベリーと刻んだチョコを加えてざっくり混ぜて生地完成。ベリーとチョコを加えるのが今回の私のオリジナルです。

すぐに油を塗ったパウンド型に流しこみ、170℃に予熱したオーブンに入れて40分焼きました。
べたつく生地なので型への油の塗り込みはしっかりめにしておくとよいでしょう。
重曹を使っているので粉と液体を混ぜ合わせたら10分以内に焼きにかかるのがポイント。酸と重曹が反応し始めてしまうので時間がたつとふくらみが悪くなります。

表面を手で押して弾力が出ていれば焼き上がりです。オーブンからだして型のまま10分ほど冷却してから型から出します。型にしっかり油を塗っておいたので型だしは楽でした。
焼く前の生地はモラセスの香りが強かったのですが、焼き上がり後は気になるほどつよい風味は消えました。

暖かいまま食べることもできますが、冷めてから切った方が断面が断然きれいです。味はベリーとチョコがスパイスの風味を和らげるのでかなり食べやすい味になっていてなかなかおいしいですね。ワイルドベリーは意外に酸味がきいているので、チョコとよく合っていました。砂糖の量からすれば甘めの仕上がりなのですが、この酸味でくどい甘さにはなっていないのがいいですね。これなら子供でも食べやすいスパイスケーキです。

御用達洋書のクイックブレッドの項はこれでほとんど作りつくしました。次はイーストパンの項を攻略しにかかろうと思います。ジューイッシュ系(ユダヤ系)ブレッドなど日本ではあまり見かけない種類のパンの作り方がたくさんののっているのでこちらも楽しみですね。

このジンジャーブレッドを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
Cpicon チョコベリー・ジンジャーブレッド。 by PCWP


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