Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

ポレンタ。

2008-06-30 07:21:01 | 料理
来週末からイタリアのフィレンツェへ旅行予定です。
だからという訳ではないのですが、先日ポレンタを作ってみましたのでその試食報告。

アメリカの料理番組でもよくポレンタはサイドデッシュとして使われていて、食べてみたいと常々思っていました。
ホワイトコーングリッツを買って食べてみたことがあるのですが、ポレンタ専用粉ではなかったのでかなりの別モノになったようで、見た目も食感も思ったものと違いました。

先日コーンブレッド用に買ったイエローコーンミールが意外においしかったので、最近コーンミール食研究にはまっているのですが、今度はこれでポレンタを作ってみようと思っていた。ちょうど梅田の成城石井でイタリア製ポレンタ専用粉を見つけたので、思い切って購入。コーンミールの倍額ぐらいしましたが、その分味が違うに違いないと思って買いました。中身を開けてみると、ポレンタ専用粉はミールにくらべてちょっと粗めの粒。グリッツによく似ているので、ちょっとやな予感もあったのですが、イエロータイプなので期待はできそうです。

ポレンタの使い方はいろいろなのですが、今回は味見を兼ねて基本の粥状にして肉料理の付け合わせにしてみました。
メイン料理はラムのオレンジ煮込み。

ちょうどラム肉の特売があったので、ショルダー塊を買って調理開始。
ラム肉はやはり他の肉に比べるとクセと臭いが強いので、まずはワインとハーブに漬けこんでおきます。

数時間漬けておいてから、粉をまぶしてフライパンで焼き目をつけておきます。

オレンジジュースと塩を加えて軽く煮込みます。仕上げに夏ミカンの実を入れてさっと火を通して料理は完成。ショルダーは思ったより柔らかかったので煮込まずにステーキにしてオレンジソースにしてもよかったかもしれません。ラムは部位によってかなり肉質や臭みに差があるようで、まだまだ研究不足です。

次はポレンタ。
アメリカで作ったものは基本的に失敗でしたので、今回は事前にネットや本であれこれレシピをよく検討して予習を十分してからポレンタ作りに挑みました。
ポレンタ粥の基本は作ってすぐに食べなければならないのですが、調理には多少時間がかかります。やはり主食系なので日本のコメと同じように即席では食べられません。よって食べる時間を逆算して作り始めなければなりません。基本は食べる45前から調理開始。

作り方は簡単で、水を沸騰させ、塩を加えてポレンタ粉を加えて弱火で炊くだけ。5分に一度かき混ぜるのがポイントですが、それ以外に工程はありません。ただ30分程度炊き込み必要があるので時間がかかるだけです。これも炊飯と同じような要素です。

今回は付け合わせということで、水の半量を牛乳にして少しコクをだしました。レシピによってはバターを最後に加えたり、生クリームを水分に加えたりするようですが。。。

水の分量は基本的にはポレンタの4倍~5倍程度。炊き込み方によって水分の蒸発状態も変わりますし、ポレンタ粉の種類によっても吸水が違うようで、粥の固さの好みもよるので水の分量はかなりアバウト。今回は最初に4倍の水を入れましたが、吸水がよく、途中で水を加えたので実際は5倍程度になったかもしれません。
もちろんそれだけ水を吸うので、粉の状態から出来上がりは大きく膨れます。80cc程度の粉で二人分の主食にはなります。付け合わせにするのであれば、その半量で十分です。

かなり弱火で40分ほど煮込み、とろとろになって粒々感がほとんどなくなったところで塩、こしょうで調味し完成。
すぐにお皿に敷きこんで、ラム肉の煮込みを載せて料理完成。

時間がたつと、粥が固まってしまうのですぐに食卓へ。
食感はねっとりとして、多少コーンの粒感がのこり、以前食べたものと違いほぼ期待通りの味。米の粥より堅い感じになりますが、べたついた感じにもならないので食べやすいです。

肉料理の付け合わせとしてもよく合いました。マッシュポテトの濃厚さと口当たりの良さには負けますが、色合いがよく、料理が映えますね。さっぱりと食べたいときはこちらの方がいいですね。

時間がたつと固まってしまう性質を利用して、固めて薄切りにして焼いてしまうバージョンもあり、こちらも一度試してみたいところです。
味はよく、調理手法もわかりましたので、今後いろいろ展開して使いたいですね。

この日の献立は、ラムのオレンジ煮込みポレンタ添え、カポナータ、フリッジのクリームソースでした。


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ニューヨークチーズケーキ。

2008-06-28 10:10:02 | 料理
先週末は、自宅に友人が来るので大型ケーキを制作。
作る時は続くもので、今週末はダンナさん実家への手土産用大物ケーキの制作です。

今回はニューヨークチーズケーキ。
毎回のことですが、洋書レシピからみたチーズケーキはやはり日本のNYチーズケーキとはやや異なるようです。チーズケーキはアメリカではかなり人気のケーキで、何かしらよく口にする機会の多いもの。アメリカに住んでいて自ら買う必要はないほどポットラックやイベントやパーティの食事にはよく出されていました。アメリカで食べたケーキの中ではやはり一番おいしかったように思います。

まず見た目からして違いがはっきり。アメリカで市販されていたチーズケーキは背が高い。いわゆる厚みがある状態で、日本のものの2倍から3倍はあります。そして必ずボトムがついていること。日本のチーズケーキは基本的にパイクラストで最近はクラッカーボトムがついているも増えてきましたが、全くボトムのないものもレシピではよく見かけます。学生のころ作っていたチーズケーキのボトムなんて考えたこともなかったですが。。。

日本ではレアチーズケーキやスフレタイプなど種類は意外に多いのですが、アメリカではべークものしか見かけませんでした。
たぶんジャンルの分け方が違うのでしょう。パイクラストを使うとパイの分類に、スフレタイプはチーズスフレとなってチーズケーキとは違うお菓子になってしまうのではないでしょうか。さらに厚みのないものはチーズ・バーとしてペイストリー的感覚のようでした。

日本で調べたNYチーズケーキの定義としては、基本的に50%以上のクリームチーズを含有し、湯煎焼成をするもの。御用達米料理書での定義は、背の高さとブロンズ色の密度の濃いケーキで最低限の甘さと酸味を持ち、やや重めのコクがあるもの。表面に割れがあったり、中央部がへこんではいけない。結構理想のうんちくは長く書かれていました。やはり思い入れが大きいようです。

解読すると作り方がまた非常に"Interesting"で、作ってみるとさらにびっくりでした。今回はもちろん"Full-Fat"です。

まずボトムから作り始めます。

オリジナルではグラハムクラッカーを砕いてボトムにするのを推奨していますが、まずここでコストダウン。以前作った時にコーンフレークでうまくいったので、今回は自家製パン粉で作りました。パン粉を袋に入れて麺棒で袋の上から転がして細挽きにします。

そこへ砂糖を加えて軽く混ぜ、溶かしバターを加えて袋をもみ込むようにしてパン粉にバターを均一に吸わせしっとりとしたそぼろ状クラムにします。

型にクラムを移し、底一面に薄く広げ、平らなコップの底で端から端まで押して均一に広げます。

160度に予熱したオーブンで8分ほど焼いて香ばしさを出し、フィリングを作る間冷ましておきます。

次はフィリング。ボウルにクリームチーズを加えて泡だて器で崩しながらなめらかになるまでよくかき混ぜます。ポイントはチーズの固さ。室温に戻してかなりやわらかくなったもので作り始めないと、混ぜ作業が大変。フィリングは混ぜるだけなので、この硬さがかなり重要。作業性だけでなく、混ぜムラができる原因となり、焼きあがりがまだらになり、食感の滑らかさを欠いてしまいます。

塩と砂糖を2回に分けて加え、サワークリーム、レモン汁を加えてさらに混ぜ合わせます。

卵黄と卵を1度に1個ずつ加えてその都度よくまぜてフィリング完成。とりあえず何か材料を加えるたびにきっちり混ぜるのが二つ目のポイントです。

オリジナルは量が超大量。基本分量が16人前でクリームチーズは1.6Kg使用。家庭用とは思えない量でもちろん混ぜるのはスタンドミキサーです。今回は1/4量での制作でしたが、それでもクリームチーズ2箱も使い、このご時世では自家制作ケーキとしては材料費が高くつくケーキです。サワークリームも自家製にしてコストを下げていますが、このレシピではサワークリームも必要量が少ないので他のレシピに比べて材料費はかからない方だと思います。日本のレシピでもたいてい生クリームを200mL使いますし、サワークリームと併用しているものもあり、こちらの方がコスト高です。

チーズ以外の乳製品を加えるのはチーズケーキに食感をなめらかにするため。100%チーズだけで作ると粘りが出てしまい、モルタルのようになるとか。

また生クリームについてはこのレシピでは味を単調にするためあえて入れないようです。サワークリームも少量使うことで、存在感を出さずにクリームチーズの酸味の質を変える配合になっています。

卵はNY式以外だと、基本的に全卵のみで作るのですが、全卵だけだと軽くふわふわな仕上がりになり、NYケーキの定義ではNG。ずっしりとした食感にするため卵黄を足してコクと固さと滑らかさを出しているようです。

さらにこのレシピでは粉類を一切いれていません。
通常、コーンスターチか小麦粉を少量加えるのですが、コーンスターチは焼き上がり後のケーキ表面の割れを防ぐ効能もあるのですが、反面、食感に粘りがでてしまいます。粉類不使用の方が口当たりが溶けるような食感になるとのこと。

先に焼いて冷ましたクラストの型にフィリングを流しいれます。型のほぼ9割程度入り満杯になりますが、高さが出すためぎりぎりの大きさのものが適当です。

次に焼成になりますが、これが通常レシピと大きく違うところ。
オーブンを240度の高温に予熱し、まず5分焼きます。その後100度に温度を下げ40分間焼きます。最初の高温焼成5分の間はオーブンの扉を開けないことが重要ポイントです。

通常NY式は湯煎焼きするのが一つの特徴なのですが、今回は湯煎をしないやり方になっていて、最初に高温で焼くことで表面を乾かして固くして、その後の低温で中を柔らかくクリーミーに仕上げるようです。
今回もミニオーブンで焼いたので上火が近すぎたこともあり、ちょっと表面の焼き色が着きすぎました。大きいめのオーブンで焼いて表面をナッツブラウンにするのが正解ですね。この色もアメリカではNYチーズケーキの定義の一つのようですから。

基本的に湯煎なし焼成では焼いた後に中央が割れたり、沈んでしまうことが多いのですが、今回のレシピでは低温での焼き時間が長いので中央部まできちんと加熱してしまうため、全くへこみませんでした。しわも1本もよらず、これはびっくりです。
中央部まで完全に火を入れるやり方は通常はせず、浅めに焼いて予熱で仕上げるのですが、焼き不足になる場合が多いのが欠点。その解消として温度計をずばりケーキ中央に刺して最適温度を確かめて仕上げるレシピになっています。
アメリカでは素材にずばり温度計を刺すのは肉料理などにはよくやるやり方ですが、日本ではあまりしませんね。触ってみてどうこうということが多いですが、温度計では数値で判断できるのでわかりやすいです。

40分ほど焼いてケーキの中央がほぼ固まった感じのところで温度計を中央部に刺して73度になればO.K.。78度以上にならないようだけ気を配ればよいです。

焼き上がり後は型のまま室温で数時間冷却し、ほんのり暖かさが残る程度まで冷めたら、型とケーキの側面の間にナイフを差し込んで1周させて切り離します。

まだ型をつけたまま、ラップにきっちり包んで冷蔵庫で最低3時間冷却します。
チーズケーキはその日に食べず、一晩ほど寝かせるのもポイント。冷やすことで形をしっかりさせることもありますし、熟成という意味もあります。

しっかり冷やしてから型を外します。まず先にナイフを入れておいた型の淵をはずし、底板とボトムの間にナイフを差し込んで剥離します。

盛り付け皿にスライドさせて完成。食べる際はさらに室温に30分出しておくのが理想です。切り分ける際はナイフを温めてから切るとアメリカンケーキでは珍しい角のたった形のきれいなケーキになります。

切ってみると内部も完全均一。これも驚きです。味も生クリームが入っていないので意外にさっぱりしていて予想していたほどヘビーではありません。焼いているのですが、なめらかな口当たりですが、ムースとはまた違う独特のコクのあるクリーミーさです。甘さも程よく非常によくできたケーキになりました。
見た目も表面の焼き色以外は上出来。スフレケーキレベルに高さもあり、表面は平らで割れもなくつややか。私の手作りとしては究極な仕上がりでした。

日本ではNYスタイルしかご当地チーズケーキは知られていませんが、ひそかにシカゴ式もあるのを発見。これもそのうち試してみたいです。

この日の献立は、キノコのジェノベーゼパスタ、カツオのたたきサラダ風、大アサリのコキール、かぼちゃスープでした。

このNYチーズケーキを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ ニューヨークチーズケーキ。 by PCWP


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ガスパチョ。

2008-06-27 07:43:35 | 料理
最近スペイン料理が流行っているようです。
今まで単独でスペイン料理の店をほとんど見かけることはなかったのですが、最近はあちこちでスペイン小料理屋をやたらと見かけるようになりました。

料理本もスペイン料理書が家庭料理のコーナーにまで現れるようになり、タパスやピンチョスが人気のようです。

スペインにはバルセロナとタラゴナにダンナさんの学会で一度行ったことがあり、去年のアメリカのELPのクラスメイトにもスペイン人のJさんがいて、一度彼の家でランチをごちそうになったりしてちょっと私にも身近な国になっています。

スペイン現地で食べた料理は当時の印象ではあまりおいしいと言えなかったのですが、Jさんの家で食べたパエリアはおいしかったですね。
おいしくなかったものの代表が"ガスパチョ"。学会の昼食で出されたものですが、期待した味と違い、ぎらぎらした野菜の味が濃厚すぎて、青汁のトマト版といった感じでしょうか。
それ以来、ガスパチョを見かけても口にすることはありませんでした。

アメリカで買った料理雑誌にガスパチョのレシピが載っていて、訳してはいたもののずっとお蔵入りになっていたのですが、お中元商品の新規開拓のために試飲でかったトマトジュースの使い道からガスパチョを作ってみることにしました。
レシピをみると、通常の作り方とはちょっと違い、ミキサーを使わない混ぜるだけのレシピ。その分、寝かせる時間がかかるので、お昼に作って冷蔵庫で半日寝かせて夕食用のスープにしてみました。

作り方は非常にシンプル。
トマトは種を取り、5mm角にざく切り。

きゅうりも縦に半割りにして中央の種の部分をスプーンですくい取って5mm角に切ります。

玉ねぎはみじん切り。

にんにくもみじん切りにして包丁の側面でまな板にすりつけて少しつぶします。にんにくマッシャーのかわりです。
オリジナルはレッドベルペッパーという赤いジャンボピーマンを入れるのですが、今回は手に入らないので除外。

ボウルに刻んだ野菜を入れて、塩、酢、ワインを加え、軽く混ぜて5分ほど置いて、野菜から水分を少し出します。大量の水分を入れる前に調味しておく方が、野菜の味が引き立ちバランスが良くなるとのこと。

5分ほど置いたところでトマトジュースと冷水を加えて蓋をして冷蔵庫で最低4時間寝かせます。オリジナルでは冷水の代わりに氷をいれて早く冷やすようにしているようです。重要なのは水とトマトジュースの割合。水:トマトジュース=1:5が最適らしく、薄くなりすぎず、とろみがつきすぎない適量とのこと。

確かに水分を入れて混ぜ合わせた直後は水っぽい感じでしたが、数時間寝かせると少しとろみがでて、ちょうどいい感じ。
通常のレシピではパンを水に浸して加え、ミキサーでとろみをつけてしまうのですが、このレシピではパンはクルトンとしてしか加えないので、とろみの要素はないのですが、野菜のうまみで若干ですがとろみが自然につくようです。
アメリカのレシピにしては珍しく、手刻みを推奨しています。フードプロセッサーを使ってもいいのですが、野菜の汁を出さずに刻むのは難しく、野菜それぞれの味個別に残したスープにするこのバージョンには手刻みの方がいいようです。

冷やしている間にクルトンを作ります。
パンを角切りにしてフライパンで油と塩、にんにくと一緒に軽く弱火で炒めて水分を飛ばします。オリジナルではオーブンにいれて焼くのですが、トースターで代用してもできそうです。要するに生のパンの水分を飛ばしてカラッと乾燥させればいいですね。加熱することでにんにくも風味がたちますので、その二つがそろえば加熱方法はどちらでもいいと思います。

食べる直前まで冷やしておいて、最後にもう一度味を塩、こしょうで調整してクルトンを散らし、エキストラバージンオリーブ油を垂らして出来上がりです。

味はスペインで食べた濃厚さはなく、あっさりしたスープになっていますが、野菜の食感が楽しめて、こちらの方が食べやすい。夏向きのスープなのでとろみの強い重たいものより、さらりとしてのど越しのよい方が合っていると思います。酸味もほとんど効いていないのですが、味全体のバランスがよく、野菜臭くないのがいいですね。蒸し暑い日には、とてもいいスープだと思います。
今までガスパチョは苦手でしたが、このバージョンは夏場には活躍してくれそうです。いいレシピが開拓できました。

昨日の献立は、鶏胸肉とレンズ豆のブレゼ、ゴーダーチーズのサラダライス、ガスパチョでした。
ダンナさんの帰宅が遅かったのでメニューを急遽変更。深夜食用に軽めにしました。

このガスパチョを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ ガスパチョ。 by PCWP
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クリスピー・ラムダンプリング。

2008-06-25 13:51:10 | 料理
アメリカン・レストランレシピ試作第二弾。

月曜からコンテストモニターでもらった油の作品応募が始まったのですが、コンテスト前は油を使った料理という要綱だったので、別メニューを用意していたのですが、いざコンテストの応募ページを見てみると、揚げもの限定レシピになっていました。

用意していたメニューは揚げものではないので、急遽応募レシピ作りなおし。
揚げものをあまりしない我が家にはちょっと不利な条件設定でしたが、逆にちょうどよい機会なので揚げものを使ったアメリカンレシピを試作してみることに。

前回作った“ベイクドカマンベール”がかなりおいしかったので、同じ本からもう一品作ってみることにしました。今回も味が良ければこの本のレシピはかなりおいしいということになりますね。
今回は"クリスピー・ラムダンプリング"です。

春巻きの皮でとり肉ミンチを包んで、さらにフライのようにパン粉をまぶしてあげて甘酢ソースをかけたものですが、春巻きの皮にさらにパン粉をまぶすのが不思議。どんな効果があるのでしょうか。
形も変わっていて、春巻きというと円筒系なのですが、なぜかピラミッド型です。

まずは春巻きの皮から制作。もちろんオリジナルレシピは市販の皮を使用していますが、今回は有機小麦から春巻きの皮も試作。先日作ったシューマイの皮が手軽にできておいしかったので、今回は春巻きの皮も作ってみることにしました。

ボウルに薄力粉と熱湯を加えて箸で混ぜ合わせ、荒熱が取れたら手で数分こねます。パンに比べると少量でかなり楽にこねられます。つるんと表面がまとまったら袋に入れて30分常温で寝かせます。

その間にフィリング作り。オリジナルは鶏肉ですが、今回は前日のリフトオーバーのラムショルダーを使いました。
フードプロセッサーにラム肉、ネギ、にんにく、塩、生クリームを加えて混ぜ合わせます。少量制作なので、今回はハンドミキサーの小型プロセッサーを使いました。

寝かせた生地を台の上で軽く捏ねて、棒状に成形。これを薄く伸ばします。

シュウマイの皮と同様、今回もパスタマシーンを利用。まず棒状の生地を1度マシーンで縦長にのばしてから6等分の四角形に切り分けます。

さらに1枚ずつパスタマシーンで薄く伸ばしました。正方形に伸ばしたいので90度回転させながら2~3回に分けてローラーにかけて伸ばしました。5分ほどで完成。麺棒で延ばすより薄く楽にできました。打ち粉も必要ありません。

伸ばした生地を1枚ずつ台に広げて、溶いた卵を表面全体にぬり、作っておいたフィリングを載せていきます。次は成形。

このレシピの特徴でもある成形ですが、なぜかピラミッド型。春巻きでは考えられない形ですね。餃子やワンタン的感覚なのでしょうか。
包むのは簡単で四ツ角の頂点を指でつまんでフィリングの上あたりで合わせ、向かい合う端を封じていくだけ。確かにこの成形なら見た目にも高さがでてボリュームが増します。

オリジナルはもっと小さめの皮を使っていますが、今回は個数を少なくして1個を大きく作りました。普通サイズならワンタンの皮ぐらいの大きさでしょう。今回はその倍くらいの大きさになりましたので、材料の分量よりボリュームは満点。

さらに溶き卵をピラミッドの全面に塗ってパン粉をまぶします。もちろんパン粉も自家製です。オリジナルではわざわざ日本のパン粉を使うように推奨しています。
アメリカでは日本製のパン粉は"Panko"として別扱いでした。ご当地では"Bread Cramb"といわれていますが、目が細かいので、フライものには料理番組でも"Panko"を使うようによく指示していました。パン粉は日本の特有の食材なのです。

あとはフライの要領で170度の油で揚げていきます。フィリングは煮込んだラム肉だったので外側がカリッと色づけば出来上がりです。

最後にソースを作ります。小皿にバターを入れて電子レンジで溶かし、蜂蜜、砂糖、赤ワイン、米酢を加えて再度電子レンジで30秒ほど加熱。砂糖が溶けたら出来上がりです。オリジナルは鍋で煮ていましたが、とろみをもっと付けたいならもう少し加熱した方がいいかもしれません。煮込むと酢が飛んでしまうので、今回は軽く加熱しました。ソースだけの味をみるとかなり甘く、私の感覚では作りそうもない甘さでした。

ダンプリングを盛り付けて、ソースをかけて食べてみると、かなり甘いソースの真価が発揮。ダンプリングの味をぐっと引き立てました。特にラム肉をフィリングにしているので、甘いソースと絶妙なマッチング。これも高級な味になっていて、ソースがないとただの揚げワンタンに近いのですが、ソースでビストロ風に。不思議ですねえ。ソースのくどい甘さも料理全体からすれば必要なときもあるんですね。
非常に勉強になりました。
大きく作ったので盛り付けがちょっと問題でしたね。今後の課題です。

春巻きの皮の上にさらにパン粉を付けることでカリカリ感が増し、ソースのからみもよくなりました。ソースの粘度を増せば、パン粉がなくてもいいかもしれませんが、食感はこの方がいいかも。
自家製の春巻きの皮もパリっと仕上がり、出来は上々でした。1回分ずつ作れるので、今後は春巻きの皮を買うこともなくなりそうです。今まで御用達野菜屋で買っていた市販の春巻きの皮(生生地)より薄くできるので、巷スーパーものと同レベルになりそうです。コスト的には粉代だけですので、有機小麦をつかってもこちらが断然お得です。

アメリカのレストランレシピ本から2つ作ってみましたが、二つともハズレなくかなりおいしい。味のレベルが家庭的レベルを超えているのがすごい。ダンナさんを2回とも唸らせるほどですから。。。その分オリジナルではカロリーもすごいですが。。。
オリジナル通りには材料やカロリー面で作れませんし、絶対の信用性とはまだ言えませんが、これはかなりいい本なのかも。ますます今後が期待できるレシピ本ですね。"Baking Illustrated"の次はこの"Restraurant Favorites"にはまりそうです。

昨日の献立は、クリスピー・ラムダンプリング、八宝菜、冷奴でした。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ クリスピー・ラムダンプリング。 by PCWP


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サワークリームコーヒーケーキ。

2008-06-23 09:03:40 | 料理
久しぶりに大型ケーキ制作。
友人が数名自宅に来るのでそのおもてなし用お菓子です。こちらに引越してから初めてのお客様。よってちょっと気合いをいれてコーヒーケーキを作ってみることに。
コーヒーケーキは、アメリカでのお茶菓子の定番。"コーヒー味のケーキ"ではなく、"コーヒーに合うケーキ"の略です。朝ご飯用にマフィンと同様の扱いになることも多く、アメリカのスタバなどのコーヒーショップでもさまざまな味のコーヒーケーキが売られています。こんなマフィンやスコーンなどと同じくらい定番お菓子なのですが、なぜか日本ではほとんど市販されておらず意外に食べられないお菓子の一つです。

作るのは簡単なお菓子なので、今回はせっかくなのでその中でもコーヒーケーキの王様と言われる"サワークリームコーヒーケーキ"を作ることに。
このケーキは名前の通り、サワークリームをたっぷり使ったコーヒーケーキの中で最もリッチでヘビーなコーヒーケーキの一つです。

まずこのケーキのネックがサワークリーム。日本ではサワークリームはまだ汎用性が狭いのかやたらと高い。100mL弱で200円位はしていますね。カップ単位で使うとかなり材料費が高くついてしまうので、今回自作してみることに。

作り方はヨーグルトと同じ。ヨーグルトの場合は牛乳にヨーグルト一さじ加えて暖かい場所で半日放置でできるのですが、サワークリームの場合は生クリームが媒体です。

生クリームは脂肪分の多いもの(45%とか)がよいとされていますが、植物性でも低脂肪ものでも大丈夫です。今回は初自家製ということで、低脂肪の植物性をつかいました。ヨーグルトは安いものは菌の濃度が薄いせいか、自家製ヨーグルト製作でも時間がかかるので、自家製の豆乳ヨーグルトを種にしました。

もちろん発酵は光電話にやってもらいました。
自家製の方が発酵も早いので半日で市販のものに近い硬さのサワークリームができました。これでコストは半分以下になります。あとはお好みでヨーグルトを追加して酸味のレベルと堅さを調整して使えます。アメリカの市販のサワークリームに比べると少々堅いのでヨーグルトと半々に割って増量しつつ調整しました。コストはこれで1/4レベルまで下がりました。カロリー的にもこれくらいの方がいいでしょう。

まずはストロイゼル作りから。コーヒーケーキとは基本的にはストロイゼルをトッピングしたイエローケーキのこと。ストロイぜルはバターとナッツとブラウンシュガーでできたホロホロ、サクサクした甘いそぼろです。今回はそれをケーキの内部にも層状にいれました。しかも二層。渦を巻いたような断面で素朴な外観のコーヒケーキの中では見た目もはなやかです。

フードプロセッサーに小麦粉、グラニュー糖、黒砂糖、シナモンを混ぜ合わせ、一部を別ボウルに移しておき、黒砂糖を追加して混ぜ合わせて取り出します。

取り出した粉類をフープロに戻し、にバターと荒みじん切りにしたナッツを加えてもう一度切り混ぜて小石粒のそぼろにします。こちらは上掛け用のストロイゼルになり、別ボウルに移したものはケーキ内ストロイゼルになります。2種のストロイゼルを作り分けるのがこのレシピのポイントの一つ。上掛け用はナッツを加えてケーキとの食感のコントラストを作り、内部用はバターを加えてペイストリー風に。ストロイゼルに小麦粉を混ぜることで、生地に散らして焼いたときに溶け込んでしまわないため。またカチカチに固まってしまうことを防ぐ役割もあるようです。

次はケーキ生地作り。ボウルに卵、サワークリームの2/3量を加えて混ぜ合わせて卵液を作っておきます。

別ボウルに小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ、塩を加えて混ぜ合わせ、バターと残りのサワークリームを加えてゴムべらでざっくり混ぜますが、水分が少ないのでちょっと混ぜにくかったです。

サワークリームが固すぎるとここで混ぜにくくなるので、少し水分(乳清など)を足して混ぜやすくしました。粉全体が少ししっとりとするまで大きく混ぜ、卵液を3回に分けて加えてその都度よく混ぜました。
最後は泡だて器で激しくかき混ぜて空気を混ぜ込んで、生地完成です。

型はオリジナルでは底の外れないシフォン型がお勧めのようでしたが、今回バンド型を使いました。

型に油を塗っておき、生地1カップ弱を入れて表面をゴムべらで均します。ケーキ内用ストロイぜルの半量をその上に平均に散らして、再度生地を1cup分加えて層にしていきます。

また表面をならして、内部用のストロイゼルの残りを散らし、残りの生地を流し込み、最後に上掛け用ストロイゼルをたっぷりのせて170度の予熱したオーブンにいれて35~40分焼きました。

焼き始めて10分弱で上掛けのストロイゼルのナッツが焦げてくるので、この時点でアルミホイルをかぶせて焼きました。かなり生地が膨れるので、型に7分目程度の生地をいれて焼くことをお勧めします。目一杯入れてしまうと表面がかなり膨れ上がって表面のストロイゼルが割れてしまうかも。今回もちょっと割れてしまいましたが。。。竹串を刺して焼き上がりを確認してオーブンから取り出し、そのまま30分冷却。

ケーキを休ませたあと、型に皿を載せてひっくり返して型を外し、またひっくり返してストロイゼルが表面になるように盛り付け皿に乗せて完成。

このまま2時間休ませて食べることができますが、完全に冷ましてアルミホイルをかぶせて1晩ほど室温でエージングするとさらにおいしいようです。
アメリカのケーキ類は当日食べるより翌日の方がおいしいものが多く、チーズケーキでさえ、一晩寝かせるのが常識。このケーキもおもてなし1日前に作り、一晩寝かせました。

ホールの外観はちょっとごつごつして見栄えが良いものとは言えませんが、切ってみると、オリジナルの写真と同じようにストロイゼルの層ができていて、上出来。
クラムもしっとりと柔らかいですが、ふわふわという感じではなくしっかりとしています。マフィン的という感じでしょうか。
今回砂糖は完全規定量、規定のものを使ったのですが、甘さはちょうど良い感じ。唯一ブラウンシュガーが黒砂糖になっただけですが、甘すぎることはなく驚きです。内部のストロイゼルが甘さの基本になっていて、ケーキ自身はサワークリームの影響か砂糖を入れているほど甘さが感じませんね。かといって酸味を感じることもありません。ストロイゼルが味のポイントで、多めに内部ストロイゼルを入れ方がいいと思いました。

市販のサワークリーム100%だともっとリッチでヘビーなのかもしれませんが、今回のケーキはヘビーさもリッチさも予想したほどでなく、軽い。見た目は地味ですが、味はかなりよいケーキになり、自家製ケーキとして好評でした。このケーキは買って食べるものではなく、作って食べるケーキですね。まあ、日本では市販で手に入れることは難しいですが。。。

サーブするときは、サワークリームをさらに添えて食べると美味。冷やさずに室温で食べる方がBest。エージングも翌日が一番おいしいように思いました。2日目はちょっとぱさつきがでてくるかも。オリジナルはこの倍量で作っていたので、このケーキはエージングも考えると大きな型でどっかり作るのがいいようです。

手土産としても使えそうなので、今後も活躍してくれそうです。今度は朝食用にアメリカンクラシックなクラムコーヒーケーキを作って比較してみようと思います。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ サワークリーム・コーヒーケーキ。 by PCWP



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スイカリゾット。

2008-06-20 15:34:34 | 料理
最近また料理コンテストへやたらと応募している私です。
ということは、懸賞にも応募しているということで、コンテストモニターにも最近また当たりはじめました。

先日の紀文さんの玉ねぎ天セットに続き、今回はダブル当選。ハインツのソースセットと日新オイリオの"ベジフルオイル"です。

ハインツさんのモニターは"つくれぽモニター”。こちらはレシピを応募するのではなく、規定のレシピを作って写真を投稿するもの。1個作品を投稿するだけでいいのですが、セットはデミグラスソース缶とホワイトソース缶が1個ずつと同じ仕様のレトルトパウチ3袋入り1箱が1つずつと買うと1000円位しそうです。紀文さんと同様なかなかの大盤振る舞い。

ベジフルオイルの方は、コンテストモニターなので、来週始まるコンテストに1品応募しなければなりません。
ちょうど油が切れかけていたので、いいタイミングでした。応募作品はもう決まっているので問題なし。こちらは油1本だけでした。それでも買うと700円相当。
下手に投資しているより、こちらで食費を節約している方が効果あるかも。。。

普段こういうものを一切買わないだけに、普通の市販品なるものの味を見るいい機会です。ダンナさんの有機栽培除外項目には"もらいもの"が含まれるので、ただでもらえるものだけはジャンキーでも家でダンナさん用の食事に使っていいことにしています。

箱入りの方はレトルトタイプで小分けになっていてなかなか便利ですね。ちょこっと使いたい我が家のような少人数家庭にはもってこいですね。一缶開けると連続して使いまわさなければなりませんから。。。

味の方は思ったより薄めという印象でした。カロリーも低いので油の量も少ないようですね。ヘルシー仕様のソースになっているようです。料理展開はしやすい素材だと思います。ジャンキーレベルは低いと認定です。逆にそのまま使用するにはちょっと物足りないかもしれません。

ずいぶん昔に食べたキャンベル缶の方がもっとヘビーな味がしていたように思います。今でもそうなのかなあ。

この日はもらったデミグラスソースを使ってビーフシチューを圧力鍋で作り、主食用に“スイカリゾット”を作りました。これも応募作品の一つ。最近はモニターに当選しなくても料理修業の一貫としてできるだけコンテストに参加しています。

某国営テレビを以前見ていた時にイタリアの料理紀行で"メロンリゾット"が紹介されていました。フルーツと米の組み合わせが不思議でしたが、結構イタリアでは定番メニューみたい。一度作ってみたのですが、悪くはない味だったように覚えています。
よって同じウリ科ならスイカでも合うであろうという安易な考えでスイカで作ってみることに。
スイカはちょっとウリ風味が強いところがあるので、加熱せず冷製のリゾット風ミルクライスにしてみました。メロンリゾットとライスプディングの中間的な感じです。

まずスイカを5cm弱程度の厚さに輪切りにして実の部分をくり抜き器で丸く一口大にくり抜きます。残った皮を器にします。よってヘタ近くを輪切りにして底を安定させます。

冷ご飯にヨーグルト、パルメザンチーズ、生クリームを加えて牛乳で溶きのばすようにして粥状にします。
甘い仕様にするか塩系にするか迷いましたが、スイカが結構甘いものだったので蜂蜜を加えてライスプディングよりに。
塩味系にするときは生クリームをマヨネーズに替えるといいかも。チーズも多めに入れるとメロンリゾット寄りになりますね。

あとは皮の器に入れて、くり抜いたスイカの実とナッツをトッピングして完成。食べるまでよく冷蔵庫で冷やすと美味です。火を使わないので特急で作れて朝ご飯にも対応でできます。

お好みでバルサミコ酢を垂らすとちょっと大人風ですね。
我が家はさらにパルメザンチーズチップスを載せて、レストラン風に。こういうものがちょこっと載っているだけで、やけに見栄えがしますね。盛り付けは重要です。

チップスはテフロン加工のフライパンにパルメザンチーズの粉を乗せて水を少量垂らして焼くだけ。降り積もらせるように乗せるのがポイント。弱火で焼いてチーズが少し溶けて全体がひっつけばそのまま冷ましておきます。冷めると固まって取り出せます。熱い間は柔らかく形がくずれますので触らないように。

味つけはちょっと微妙なので、好みの味つけに自分なりに調整する必要があるレシピだと思います。スイカの甘さにもよりますので。。。ただし味レンジをはずすとゲテモノになりかねないのでご注意を。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ 冷製スイカリゾット。 by PCWP


この日の献立は、ビーフシチュー・マッシュポテト添え、スイカの冷製リゾット、夏野菜とライ麦パンの温サラダでした。

追記:ポップオーバーとチーズビスケットのレシピをアップしました。
レシピ ポップオーバー by PCWP
レシピ チーズ・ビスケット。 by PCWP



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ベイクド・カマンベール。

2008-06-18 15:16:13 | 料理
ここのところ、洋書の粉モノレシピばかりにはまっている私なのですが、久しぶりに別メニューを作ってみる機会ができました。

我が家にはいつものに洋書"Baking Ilustrated"とそのライト版"The Best Light Recipe"のほかに惣菜系の"The Restrant favorites at home"と"Cover&Bake"の4冊があります。全述の2冊はお菓子系のレシピも多いので最近愛読中、よく試作して報告していておなじみの本。"The Restran…"の方は他の二冊とともに解読しはじめたものの、作る機会がなかなかないため現在解読休止中。最後の"Cover&Bake"はまだまったく手つかずです。

"Baking…"の本だけでもかなりの厚さの本ですので、全部最初から順番に解読していては全部解読できるまでどれだけ時間がかかるか想像もつきません。最初は前から順番に解読してレシピノートにまとめようと思っていたのですが、今は作りたいものを探し出して、解読レシピノートを作り、試作し、作ったあとは実際の様子や使った材料、分量などを書いた実験ノートならぬ考察用レシピノートを作るというようにしています。洋書のレシピは材料が手に入らないものや分量が合わないものなどが多く、実際作れない、作らないものもあるので解読の順番を変えました。

"The Restrant favorites at home"は、実際のあるレストランの人気メニューを家庭で再現できるようにしたレシピ集で、ほかのものと同じく"Cook Illustrated"から出されている料理書シリーズの一つ。買うと2500円位する本ですが、ほかの3冊を買った時に無料でついてきたお得な1冊です。このシリーズ本はどれもレシピだけでなく改善点や手順について解説が付いているのですが、読むと相当ヘビーなレシピです。レストランでは少量提供するのでまだ問題は少ないのかもしれませんが、家庭でおかずとして他の料理とともに作るにはボリュームとヘビーさはかなり問題。よってなかなか作れずにいました。

今回ちょうど先日作った"パルミエ"用にパイ生地を大量生産したので、その一部を使って作って以前から一度作ってみたかったレシピを試作してみることにしました。

パイ生地はこの料理だけにちょこっと作るには作りにくいので、いい機会です。
オリジナルのレシピはブリーチーズを丸ごとパイで包んでオーブンで焼いたもの。
ここに載っているレシピとしては比較的簡単な手順の料理ですが、ブリーチーズを1個丸ごと焼くとなると材料費はただでは済みません。パイと合わせて1個何カロリーになるやら。想像するだけでも恐ろしい感じです。

ブリーチーズ自体、ホールで売っているのは百貨店のチーズ専門売り場くらいで、ご近所スーパーでは売ってはいるものの、100g単位で切られた三角のものしかない。しかも一切れ700円くらいはする。。。

よって代用できるブリーに似た手ごろな値段のチーズというと"カマンベールチーズ"です。ブリーは未熟成のチーズでみためもカマンベールに近いのですが、ブリーを食べたことのない私は味がカマンベールと同じかどうかはわからない。未熟成で見た目が似ているので味も似ているのではないかと思います。
アメリカのスーパーではカマンベールチーズが売っておらず、ブルーチーズやブリーの方がよく売られていました。もちろんクリームチーズが一番幅をきかせていましたが。。。。

パイ生地はできているので、フィリングを作ります。と言ってもキャラメルナッツを作るだけですが。。。
ナッツを荒く刻んでフライパンで軽くいります。オリジナルではオーブンローストですが、作ってすぐに料理を焼きにかかるならばオーブンの予熱を利用してローストする方がいいかもしれません。

鍋に砂糖と水、バターを少量加えて煮立たせ、トーストしたナッツを加えて煮詰めます。水分がとんで、飴状になったらオーブンペーパーの上に取り出して冷まします。熱いうちにパイ生地には乗せないこと。パイのバターが溶けてしまいますから。。ナッツが冷めると、飴がシート状に塊ます。

パイ生地をチーズの大きさより二周り程大きく伸ばします。今回はチーズの直径が8cmほどだったので10cm強に伸ばしました。

伸ばしたパイ生地の上に冷ましたナッツ飴をのせ、カマンベールチーズをその上に重ねます。生地を引っ張り上げるようにしてチーズが隠れるように包んでいきます。チーズが焼いている間に漏れないように生地の綴じ目に溶き卵を塗ってしっかり封をします。

逆さにして綴じ目を下にして天板にのせ、卵液を表面に塗ってオーブンへ。
今回はこの状態で冷蔵庫に入れ、ダンナさんおかえり後焼きました。

170度のオーブンで15分ほど焼き、パイ生地に焼き色がついたら取り出します。
焼いてから10分ほど室温で荒熱を取って休ませて完成。

付け合わせは某有名パン屋さんのライ麦パン。試食用に買ったのですが、酸っぱくなく柔らかめのライ麦パンでなかなかびっくりのおいしさでした。

切ると中のチーズがとろりとなってキャラメルナッツの甘さが不思議なくらいに合っていて、かなり高級な味がしました。驚きです。家庭の味ではない。。。
ただ単にチーズのパイ包み焼きでなく、キャラメルナッツを入れるのがこれがポイントのようです。キャラメルナッツがあるだけで味が格段に複雑になるのにはびっくりです。これをレストランで食べたらかなり高いんでしょうね。
パイ生地さえあれば、手順はしごく簡単なので、冷凍パイ生地を使えばかなりお手軽に食べられると思います。

なかなかこの本のレシピも味は想像以上にいいようで、ちょっとずつこちらも作ってみたくなりました。ボリュームと材料の調整が必要ですが、できればかなり変わったごちそうが食べられそうですね。

付け合わせのパンに載せて食べるとフォンデュ感覚でおいしいかったです。ブリーの方がもっと癖があるのかもしれませんが、カマンベールでも十分に堪能できます。ホールチーズでないとチーズが溶けすぎてしまうかもしれないので一人1個はやはりちょっとヘビーですね。でも焼くまで切り分けることができないので、小さいチーズを選ぶか、分けて食べられる仲の人と食べましょう。切るとmessyになりがちなので、おもてなしの際に分けて食べるのはご注意を。ちなみにオリジナルではこれがオードブルの分類でした。前菜からこのヘビーさでさすがです。

この日の献立は、ベイクド・カマンベール ライ麦パン添え、金目鯛のズッパ、リンゴと白菜のサラダでした。

追記:キャロットケーキとプリッツェルの作り方をUPしました。
レシピ ライト・キャロットケーキ。 by PCWP
レシピ アメリカンプレッツェル by PCWP
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パルミエ。

2008-06-17 09:52:01 | 料理
物事いつもうまくいくとは限らない。。。
どちらかというとうまくいかないことの方が多いかも。料理もしかり。
新規メニューは特にレシピ通りに手順を踏んでいても何かしらのズレから大きく失敗したりまずい方向に向かったりするものです。

こういうときにどうするかが、次のステップにつながるような気がします。ちょっとオーバーに言うと人生経験と人間性の幅を広げることになると思ってます。"要するにいかに機転がきくか""利かせられるような人間になるか"ということです。
リカバーがきっちりできるかどうかが何事もプロかどうかの大きな要因だと思います。

先日も実家近くの銀行へ投資の用事で行かなければならず、実家用手土産の制作。
ここ最近の実家帰りも銀行側の失敗のリカバーの悪さが大きな原因の一つなのですが。。。
今回は“パルミエ”を作ったのですが、当初の予定は"Apple turnover"でした。これはいわゆるアップルパイで、日本では"ショソン・オ・ポム"とフランス語でのネーミングの方が一般的。パイ皿で焼くタイプとは違い二つ折にした葉っぱ型のパイです。アメリカでは葉っぱ型ではなく、三角形が定番。日本のでリンゴのデニッシュパンに近い感じの見た目です。アメリカンレシピでの簡単折パイ生地の作り方を試してみたくて選んだのですが、パイ生地制作がうまくいかず、急遽方向転換することになりました。

ということでまずはパイ生地の制作失敗の道のりから。
今回も"Baking illustrated"のパイ生地の作り方を参考にしたのですが、レシピというより材料選択が大きな失敗の原因。
バター品薄、高騰の折、お持たせ用にはケーキ用マーガリンを使うことが多いのですが、今回もこれを使いました。問題は"菓子用"ではなく、"ケーキ用"のマーガリンということ。練りこみやすいように冷蔵してもバターより柔らかく、練込やすいのがこの油脂の特徴なのですが、冷凍してもカチカチにはならないようです。

今回もバターと同様に一晩冷凍庫にいれてカチカチに凍らせたつもりだったのですが、見た目カチカチのわりにすぐに解凍できて柔らかい状態に戻ってしまいました。

最初にマーガリンをカチカチにして、包丁で粗く刻みこみました。この時点ではバターと遜色なく問題なし。

フードプロセッサーに入れて、薄力粉を加え、粉と切り混ぜました。数回パルスした時点まではよかったのですが、これ以上かけた時点から事態は一変。マーガリンが解けてきたのか、生地がべたっとまとまってきてしまいました。

とりあえずフードプロセッサーから急いで出して手順通り、水を加えて混ぜ合わせ、本来ならここでまな板の上ですり混ぜ作業をするのですが、もうすでにまとまっているので、このままラップに包んで冷凍庫へ。

オリジナルのレシピでは冷蔵庫で30分休ませて、折り込み作業を開始するのですが、冷蔵庫ではマーガリン生地は柔らかくて作業がしにくいので冷凍庫で凍らせながらの作業となりました。
レシピでは折込み作業は2回なのですが、すり混ぜ作業をしていないこともあって4回作業することに。

折り込み作業はレシピ通りにやりましたが、もたもたするとすぐに生地が柔らかくなってしまうので、オリジナルよりかなり荒くスピーディな作業となりました。

まず生地をラップにはさんだまま、まな板いっぱいの四角形に伸ばし、三つ折り。
90度回転させて三つ折りした生地をくるくると巻いていきます。くるくる巻くほど長く伸ばせなかったので、ざっくりまいた感じになりました。
もう一度麺棒で四角に伸ばし、冷凍庫で30分固め、あと3回作業を繰り返しました。
かなりやわらかい生地だけにきちんとバターが折り込まれているか非常に不安。かなり悪い方向へ向かっているように思いました。
よって一口分だけを試し焼きしてふくらみ具合をチェックして、今後の対策を考えることに。普通だとあきらめて別モノをつくるか、バターで再度生地を作りなおすのが早くて簡単なんでしょうが。。。ケチなのかエコなのかわかりませんが、このまま諦めることができませんでした。

とりあえず焼いてみて膨らまないようであれば、タルト生地へ展開。フィリング材料を買出しに行かなければなりません。膨らむようであれば続行です。オーブンとにらめっこしながら焼いてみると、やや膨らむものの、層が立ち上がるほどのふくらみになりませんでした。タルトにしてはちょっとサクサクすぎるかも。どうするか思案して、急遽"パルミエ"へ方向転換することにしました。
"パルミエ"は日本の源氏パイやウナギパイといったところ。一口クッキーパイです。

こういうときにはどれだけお菓子の種類を知っているかにつきますね。レシピ本を見ながらどれに使えるか食感と見た目を想像しながらマッチングしました。
パルミエも作ったことはないのですが、ターンオーバーほど派手に膨らまなくてもサクッとした食感がでれば見た目はカバーできると考えました。

パルミエの方がターンオーバーやタルトよりフィリングは簡単。砂糖とシナモンを混ぜるだけ。日本のレシピだとジャムを塗ったりするものが多いのですが、アメリカレシピではやはりシナモンシュガーです。

方向転換レシピを模索している間に生地を休ませ、固まらせたので、成形へ。
今度は3mm厚程度でかなり縦長に伸ばして、溶き卵を表面全体に刷毛で塗ります。
シナモンシュガーを卵を塗った上に多め振りかけます。

ここから独特の"パルミエ"の形に成形します。
生地の両端約8cm部分を中央に向かって折り、中央部分は5cmほど空けておきます。さらに折り込んだ部分を半分に折り、最後に中央部分で二つ折にして棒状に。

端からみるとハート型で渦巻き模様が何となく見える。巻き寿司のように絞めて巻くと生地がひっついてしまうので、ふんわりめに巻きました。
生地を再度冷凍庫にいれて一晩休ませて固め、次の日に切って焼きました。

成形した生地が解凍しなくても切れるとレシピに書かれてあったので、切ってみましたが、今度は固すぎて生地が割れてしまう事態に。かなり太めに切る場合は大丈夫ですが、厚さ1cm程度の薄さで切ると、一部欠けるようにわれてしまうため、今度は軽く解凍して切ることに。
かちんこちんの生地は切りやすいだろうと思っていたのですが。。。。

少し柔らかくなったところで1cm幅に切り、天板に並べていきました。解凍が進むにつれて、今度は切ると包丁の押し圧で形が変形してきました。柔らかくなって切れなくなってくるので、手早く切り、天板の上で完全に解凍したものから少し手で形を整えてなんとか巻き模様は保ちました。

220度のオーブンで10分焼きました。レシピではひっくり返してさらに焼くように指示がでていましたが、天板に接する側は砂糖が溶けて層がきれいに見えないので、ひっくり返さずに焼きました。生地の状態がレシピと違うこともあるのか、焼き色をつけず少し浅めに焼いて取り出し、網の上で余熱で乾かすように火を通すとカリッとしていい感じになりました。焼きすぎると、カリカリというよりボリボリになります。

最初のマーガリンとバターの選択の違いでこんなに扱いにくい生地になるとは思いませんでした。成功するより失敗した方がより多く考え、より勉強になるとは思いますが、体力も気力も3倍消耗ですね。
それでもなんとか手土産品のレベルは保てたのでよかったです。
ちなみにアメリカで売られていた"パルミエ"は顔くらいの大きさでした。。。
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ポップオーバー。

2008-06-13 14:47:41 | 料理
即席パンというと、定番はクイックブレッド。
いわゆるイーストを使わず膨張剤として重曹やベーキングパウダーをいれて膨らませたBakingもの。代表的なものにマフィン、スコーン、バナナブレッドなどがあります。
これらは日本では単にケーキに分類されることが多いですが、アメリカではクリックブレッドはパンともケーキとも違うちゃんとした"クイックブレッド"というジャンルで存在してます。
よって料理書も項目が分けてあり、イースト発酵させたパンとクイックブレッドは別分類です。

朝食用のBakingもの修行は、時間の関係上、目下クイックブレッド中心です。今回も"クイックブレッド"の章から試作です。

今回は“ポップオーバー”。
これはクイックブレッドの中でもちょっと特異的。膨張剤を使わずに膨らせます。
生地は基本的にシュー生地と同じ原理で膨らませるのですが、お菓子のシューは日本のレシピだと結構繊細な作り方が要求され、失敗しやすいものの一つ。
というのも膨らまないなど失敗が見た目に目立つからなのかもしれませんが。。。

日本でもパン用のレシピとして極たまーに見かけますが、市販されているのは見たことがないですね。手作りしか食べられないレアもののブレッドです。結婚当初に"きょうの料理”の本に載っていたので名前だけは知っていたのですが、作ったことはありませんでした。
何でもシュー生地と同じように膨れて中は空洞になるので、そこに具を詰めてサンドイッチみたいにして食べるのが定番。
アメリカでは専用の型天板が売られています。日本ではこの型は見かけたことはないですね。

レシピの解説によれば、このブレッドは仕上がりが型によって大きく左右されるようで、作り方が簡単な分、大きく高く膨らますのはほとんど型とオーブンの仕事のようです。

今回も洋書の"Baking Illustrated"のレシピを解読し、参考にして作ってみました。

ボウルに卵と牛乳を加えて泡だて器で混ぜ合わせます。

別ボウルに小麦粉と塩を混ぜ合わせ、卵牛乳液に加え、木べら混ぜます。液量が多いのでかなり生地はダマダマの状態ですが、ここでは混ぜすぎないことがポイントらしい。
マフィンのように生地をふんわりさせるためにグルテンの形成を抑えるためのよう。

そこへ溶かしバターを加えてなめらかになるまで混ぜます。ここではだまが消えるまでしっかりと混ぜていいようですが、泡だて器を使って混ぜると、意外とすぐにダマダマが消え、たこ焼きの生地みたいな状態に。ここでは滑らかになるまで混ぜることで、焼成時に高さがでるようです。

ここで生地を室温で30分間休ませます。これはクレープと同じ手法でグルテンをリラックスさせ、生地に柔軟性を持たせて、焼成時に引きちぎれず、なめらかに焼きのばすためです。冷蔵庫ではなく、室温というのもポイントのようですね。

生地を休ませている間に型の準備。もちろんポップオーバー天板などオタクな道具はもっていませんので、マフィン型で代用することに。オリジナルレシピでもマフィン型で代用してもよいとのことですが、仕上がりには影響するらしい。
というのも問題は高さ。

ポップオーバー専用天板は、アイスクリームコーンのような形でかなり深さがあり、間口は狭い。逆にマフィン型は底が浅く、間口が広いのが特徴です。アメリカの型は特に日本のマフィン型よりも大きいし、底が浅い。
日本のレシピでは代用型としてプリンカップとしているものが多いですが、これでは小さいように思いました。実際、プリンカップももっていないのですが。。。
よって日本のシリコン製マフィン型にセルクルをさらに載せて高さ用の壁を作って代用してみることにしました。

シュー生地と同じく焼き方もポップオーバーの成否の大きなポイントで、最初に高温で焼くのが鉄則。これにより生地中の水分をすばやく水蒸気に変え、蒸し焼きにして膨らまします。さらに焼き固めることで膨れ上げた生地の形を固め、内部の空洞をつぶれないようにする効果も。

よって、オーブンを予熱する際、型も一緒に予熱。その前に型には油を塗って、その上、油を少量ずつ各カップにいれておきます。

休ませた生地は計量カップのような注ぎ口のついたものに移し換えておきます。その方が手早く作業できるのでお勧めです。

ここからは手早く作業することが要求されます。オーブンから型を取り出して、生地を流し入れてすぐにオーブンに戻します。220度の高温で15分焼いてから温度を170度に下げてさらに10分程度焼いて完成。シュー生地と同様途中でオーブンの扉は開けてはいけません。

生地はオーブンに入れて10分ほどで"ムクッ"と大きくなってきたかと思うと一気に立ち上がってきます。オーブンの最下段に入れておかないと頭打ちするくらい大きく伸びました。その力はすさまじく、マフィン型の上に乗せたセルクルをもちあげてしまうほど。
もちろん途中で扉を開けてセルクルの位置をもどすことも取り出すこともできないので、焼き上がりは投げ輪状態になっていました。これじゃあ、セルクルを載せた意味はなかったです。やはり一体型になっていないとだめみたいですね。

セルクルがのっかっているにも関わらず、見事に膨れ上がり、冷めてもしぼむことはありませんでした。中はきちんと空洞になっていて、外側はカリッとしていて中はしっとりとした網目状。理想のシュー状態です。シュークリームを作るときでもこれだけきちんと膨らむことはなかったので、とても意外でしたね。シューよりも生地の固さに気を付けるわけでもなく、混ぜて休ませるだけの簡単な作り方だっただけに仕上がりの変化には驚かされるブレッドでした。

早速中に詰め物をして旦那さんの朝食用に。フルーツと野菜の二種類を作りました。空洞が大きいのでフィリングがたっぷり詰められる割に粉分量は少ないので軽くて低カロリーです。生クリームなどのヘビーな素材を詰めるとたくさん入ってしまうので要注意ですが。。。

ブレッドは大きく膨れているので見た目のボリュームは満点で、食べ応えも満点。ダイエットには良い料理だと思います。
なんでパン屋さんにはサンドイッチと同様に売ってないのでしょうか。サンドイッチよりも見た目は派手だし、詰め物もしやすいのでいいと思うのですが。。。。

冷めてもポップオーバーは柔らかいし、しぼまないのでお弁当用のサンドイッチパンとしても使えそうです。オードブル用に小さく焼いてもいいし、かなり使えるパンになりそうです。

ポップオーバーを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ ポップオーバー by PCWP

いつものことながら、この洋書のレシピはよくできていますね。解説も長く、英語の解読は大変ですが、理論と手順が同時に学べて、本場のものが自宅で手軽に食べられる。素晴らしい。。。
次はどれを解読しようかな。。。

この日の献立は、ロールキャベツ、ブロッコリーとモッツアレラチーズの冷製パスタ、キドニービーンスープ、コールスローサラダでした。
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キャロットケーキ。

2008-06-11 15:17:58 | 料理
子供のころ、人からもらう手作りケーキでよく食べていたのがキャロットケーキ。
今まで自分では作ったことがないものの、近所のお姉さま方から何度か子供のころにいただくケーキはなぜかキャロットケーキが多かった。
初心者の子供が作るお菓子の定番だったようですね。
野菜が入っているのでヘルシーなイメージもあり、25年前ほどは流行っていたのかも。

最近ではキャロットケーキという言葉も聞かなくなり、ケーキレシピでも本などで見かけることはないですね。作っている人も少ないに違いない。今はロールケーキとかチーズケーキの方が流行っているようでどのケーキ本にもこちらは載っていますが。。。また最近野菜スイーツなるものが流行ってきているようなので、キャロットケーキも再ブレークするかも。

私自身もキャロットケーキという言葉をすっかり忘れていました。いつもの解読中の洋書にちょうどキャロットケーキのレシピを見つけ、キャロットケーキがアメリカンクラシックスイーツであることを知ったくらい。もとはイギリスのお菓子のようですが、スコーンみたいに移民文化でアメリカでも根付いたものなのかも。

早速解読してみると、毎度のことながら、やはり日本のものとはずいぶん違うものであることがわかりました。
どこでどう変わってしまうのでしょうかね。

アメリカンキャロットケーキは、実はスパイスケーキの一つ。日本でスパイスケーキはほとんど見られませんが、シナモンやジンジャーを利かせた香辛料風味のケーキで、辛いというイメージと逆にたいていは激甘です。しかも日本のキャロットケーキの外観は茶色いクラムの素朴なケーキで飾りつけはなく、あっても粉砂糖をふってある程度。生地にレーズンが混ぜてあるのが定番。でもアメリカンは生地はスパイスを加え、フロスティングを乗っけるのが定番。何もトッピングしないものはアメリカンスイーツにはないくらい、何か乗っけたり、つけたりして食べるのがあちらの習慣です。甘いものがさらに甘く、カロリー過剰になる原因なのですが。。。
キャロットケーキの場合はクリームチーズフロスティングがお決まりのようです。

もう一つ特徴的なのが、油脂はケーキお決まりのバターではなく、植物油を使うこと。シフォンケーキと同じですね。今まで日本のレシピのものでさえ作ったことがないので、レシピの比較は難しいのですが、日本のレシピをいくつか見てみると、バターケーキの人参入りバージョン系がかなり多い。卵白を泡だてる別立て法でスポンジケーキ的な作り方ですね。
アメリカンの場合はふわふわしすぎるケーキはクラシックケーキにはならないので、ある程度しっかりしたクラムでなければならないようです。よって作り方も材料も異なってくるのでしょう。

とりあえず作って食べてみることにしました。今回のレシピは低カロリー仕様本の"The Light Recipe"の分量をベースにして、作り方はFull-fat本の"Baking Illustrated"のレシピを参考にしました。

ボウルに強力粉、薄力粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ(重曹)、シナモン、ナツメグを加えて混ぜ合わせておきます。
小麦粉はオリジナルではAll-purpose小麦粉でつくるようで、薄力粉にあたる"Cake Flour"では生地が柔らかすぎるようで、わざと中力粉程度の小麦粉にするようです。日本のレシピでは薄力粉のレシピばかりですが。。。
今回は中力粉が手元にないので、強力粉と薄力粉を半々にして即席中力粉でつくりました。

さらに省力主義のアメリカンな作り方を継承して、フードプロセッサーで生地作り。

まずフードプロセッサーにすりおろし刃を付けて、人参をすりおろします。アメリカのものはシュレッダーディスクで日本のように細かくすりおろす以外に荒削りというのをよくやるために太千切りみたいな刃もあるようです。手動ではボックスグレーダーの大穴削りになりますが、手元にないので、とりえずすりおろしました。
荒削りの方が風味も強くなると思います。

人参はすりおろすと水分が出やすいので加える量にも注意が必要。人参が多すぎるとこの水分で生地がべたべたになって焼き上がりもべたつきます。ひどいものではケーキの仕上がりが水浸し状態になることも。人参の量でケーキの風味も左右するので少なすぎても何ケーキだかわからないのでN.G.。

削った人参を取り出して、粉の入ったボウルに加えておきます。

フープロのボウルは簡単に拭いてきれいにしておきます。今度は刃を普通の金属刃(刻み用)に替えて砂糖と卵を加えて、20秒ほど混ぜ合わせます。砂糖は旦那さん仕様のため、グラニュー糖と甜菜糖を半々。オリジナルは甜菜糖ではなく、ブラウンシュガーでした。

油をここで加えるのですが、マヨネーズのように卵と乳化させるので、フープロを動かしながら、投入口から少量ずつ細く垂れ流します。投入口がなければ小さじ1ずつ油を入れては混ぜ、入れては混ぜを繰り返します。ライト仕様のためかなり油は少量です。
乳化させるのは、普通に加えるだけの場合、焼きあがりのケーキの底の生地が詰まってしまい重くなってしまうのを避けるため。最初に卵と油を乳化させると、油が微粒子状態で生地全体に均等に分散し、生地にムラができにくくなるらしい。

完全に乳化したら、生地を別ボウルに移し、粉と人参を加えてゴムべらで混ぜ合わせ生地完成。

型に流して、180度のオーブンで20分程度焼いて取り出し、2時間程度室温で冷却させます。

型はケーキ丸型やパウンド型で作るのが日本の定番ですが、フロスティングのやりやすいシート状に焼きました。ただし、今回は量が少量なので(オリジナルの1/4) アメリカンローフ型の底を利用して焼きました。
思ったより生地が少なかったので、もっと小さい型でもよかったです。もちろんパウンド型で焼いてもいいのですが、オリジナルレシピでは、パウンド型ではクイックブレッドというイメージになってしまうらしいのでシート型を推奨していました。
シート型はバットなどでも代用できます。

竹串をさして焼き上がりを確認するのですが、ケーキのように串になにもついてこなくなるまで焼いては焼きすぎです。ちょっとクラムがついてくるぐらいでO.K.。焼きすぎはしっとり感がなく、堅くなるので要注意です。このケーキがあまりおいしいと思われにくいのは、この焼き加減のミスと人参の風味のなさが大きな要因ではないかと思います。(今までもらったものがそうだった。。。)

焼き上がりはやはり厚みがちょっと足りない感じになりましたが、オリジナルレシピ通り、底の生地が詰まることなく均一で、もちっとしているけれど柔らかい仕上がりになりました。卵を泡だてていないのでスポンジケーキのような柔らからかさはないですが、黒糖蒸しパン的な食感です。日本のレシピとは違う食感でオリジナルレシピの食感にはかなり近いとは思います。

今回は朝食用にしたかったため、前日にここまで作っておいてラップをして一晩常温で寝かせておきました。

朝イチにフロスティングの制作。
通常レシピではクリームチーズ、バター、粉糖を混ぜ合わせて作るのですが、見ただけでヘビーなので、クリームチーズにヨーグルトと粉糖を混ぜてライト仕様に。サワークリームをバター代わりに使うのが、洋書のライトレシピなのですが、さらにライトな仕上がりになりました。

昨晩焼いたケーキの表面に塗って、三角形に切って完成。なぜかこのケーキも四角いのがアメリカでは定番ですが、我が家は日本風に三角に。

フロスティングをした方が甘さだけでなく、酸味とコクも加わるのでおいしいですね。フロスティングを厚くたっぷり塗るとおやつ用に、薄くすると軽食用になりますね。サラダ油を少量使ったライト仕様なので重くならず、しっとりとしてちょっと重めの独特の食感になりました。
スパイスは結構効いているので、人参の風味が薄くなりました。スパイスに慣れていない我が家には半量でもよかったようです。アメリカの市販品はもっと風味が強いですが。。。日本のものがスパイスが全く入っていないのはわかるような気がします。

もう少し厚めに作り、スパイスを減らせば、かなりおいしいケーキになるかも。現状ではまずまずといったところでしょうか。カップケーキ状に作った方がお持たせ用にはいいですね。お持たせ制作時にはFull-Fatで作ってみたいと思います。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ ライト・キャロットケーキ。 by PCWP
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