Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

プリッツェル。

2008-06-09 09:52:16 | 料理
アメリカで発達している食文化は何といってもスナック。
カウチポテトの習慣があるためか、日本よりずっとこういうものは充実しています。
日本でもスーパーのお菓子コーナーは駄菓子類でいっぱいで、これはこれでアメリカより進んでいるところがあるのですが、アメリカのスナックは味も種類もかなり幅広いのが特徴のように思います。

日本では基本的に甘いものが主流。大きさも一口大完結形がおおいのですが、アメリカではほとんど軽食状態のものも多く、甘いものだけでなく、塩味系やピリ辛系のものなど、ビールのおつまみ系もスナックの花形です。

スポーツ観戦時には、スナックとビール、ジュース、アイスはセットみたいなものでプレイヤーは体を動かし、ウオッチャーは口を動かすという感じです。よって会場の観客席はゴミだらけですね。ピーナッツのカスなどリスが座っていたのかというほど山のようにあちこちなっていますし、ホットドッグやピザもスナックの一部と化してますのでスモーキーな匂いがあちこち漂っています。

このようなアメリカンスナックは我が家にとってはおやつというよりほとんどブランチ。よって今回はその典型的スナックを朝食用として"プリッツエル"を試作してみました。

"プリッツエル"は日本ではあまり売られていないアメリカンスナックです。独特の編みこみ成形が目立つもので、ヨーロッパでもよく見かけるのですが、アメリカのものとはちょっと食感が違うようですね。ドイツのプリッツエルは固くて塩味が基本ですが、アメリカのものはソフトで塩味系から甘い系の両刃遣いで、さらに大きさも顔くらいのサイズから一口大のものとなぜか幅広いのです。
これ専門のファーストフード店がいくつかあるくらい庶民におなじみの味です。
日本のミスドみたいなものでしょうか。。。

一口サイズのものも日本的スナックでおいしいのですが、大きなソフトプリッツェルはドーナツのような感覚で売店でかうスナックとしては私の一押しでしたね。

作り方は基本的にパン。ベーグルにかなり近く、特徴としてケトリング工程がはいります。でもベーグルとは一線を画す作り方になるところがまた不思議。。。

スタンドミキサーに小麦粉、ドライイースト、蜂蜜、塩を加え、温水を加えながらパン捏ねと同様に10分程度こねます。小麦粉は高グルテン含有のパン専用小麦がお勧め。中力粉や薄力粉だと柔らかい仕上がりになり、プリッツェルというよりディナーロールとなり、独特の弾力ある食感がでないようです。
我が家にはパン専用小麦はないので、超硬質小麦粉のセモリナ粉を強力粉に混ぜて代用してみました。

糖分は砂糖ではなく、蜂蜜を100%使用。このパンは生地が非常に硬いので手ごねはかなりしんどいです。スタンドミキサーが便利ですが、代用としてフードプロセッサーでも可能です。フープロ使用の場合、フープロの専用ボウルにイーストと塩、小麦粉を入れて軽く混ぜてから、機械を動かしながらお投入口から暖かい蜂蜜水を垂らし入れてまとめます。一度取り出してラップをかけて数分休ませた後、手で数分こねる必要があります。

捏ねた生地は軽く油を塗ったボウルに移して、生地にも油を塗りつけてラップをかけて一次発酵。時間は長めで1時間30分ほど必要です。それでもふくらみは悪く、生地が固いからかもしれません。それともセモリナ粉の影響でしょうか。。

ガス抜きをしてもう一度発酵。通常のパン作りでは2度一次発酵させることはないのですが、プリッツェルは発酵時間が長いのが特徴。前日から冷蔵発酵で作る方がいいかもしれませんね。

再度生地が2倍程度に膨らむまで30分ほど待ち、メインイベントの成形へ。
プリッツエルは何といっても独特の形が特徴ですので、成形が一番楽しい作業です。

硬い生地なので扱いは楽。発酵した生地を4等分して各生地を紐状にのばします。それもかなり長めの50cm。生地のべとつきなないのですが、伸ばすのは固いのでコツが要りますね。一度30cmほど伸ばしてから少し寝かせてもう一度伸ばすとスムーズなことがわかりました。

棒状の生地の両端3.5cmのところで重ねて卵型の輪にし、重なったところで生地をねじってそれぞれの端を輪状のななめ下部分に湿らせてくっつけます。レシピでは時計の5時と7時の位置あたりにくっつけるとのこと。

次にケトリング。ベーグルもケトリングによって独特の食感が出るのですが、ベーグルと違うのが重曹水でゆでること。ベーグルではモラセスやはちみつなど糖分を加えるのですが、プリッツエルは重曹水でゆでることにより、焼き色を非常によくして、Chewyな食感を作りだすのに必須です。

ゆで方はベーグルと同じ。広口の鍋に水と重層を加えて沸騰させ、成形した生地を入れます。形が崩れないようにそっと入れ、30秒ゆでて網杓子でひっくりかえしてまた30秒茹でます。

すぐに取り出してそのまま天板へ並べます。これ以上あまりふくれませんので、詰めて並べても大丈夫です。ケトリングでもそれほどふくらみませんでしたが一回りは大きくなったでしょうか。
塩味系の場合はここで粗塩をふって焼きます。今回は甘系にするのでそのまま焼成へ。


220度に予熱したオーブンで12分焼きます。色づきがかなり速く濃いので焦げないように注意が必要。

焼いている間にフロスト用シナモンシュガーを作っておきます。
砂糖とシナモンを混ぜるだけですが。。。

焼けたら荒熱をさっと取ってバターを片面に塗ります。バターが乾かないうちにシナモンシュガーをまぶして完成です。

食感は確かにChewy。これでも市販のものより細い小ぶりなので思ったより生地が詰まっているように思いました。冷めると固さが増すのでアツアツを食べる方がおいしいですね。ベーグルよりも軽いので、朝食用にはちょっとボリューム不足かも。やはりスナックですね。子ども用くらいにはいいかも。

発酵時間がかかるので朝いちばんに焼きたてを食べるのは時間調整が難しいのです。この日も早朝4時から作っても7時の朝食にはちょっと間に合わなかったので。

塩味の場合は焼いたプリッツエルにマスタードを塗って食べるのがアメリカ流です。基本はやはり塩味らしいのですが。。。。ヨーロッパではどうなんでしょうね。日本ではあまり作り方が載っていないものなので、なかなか勉強になりおもしろかったです。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ アメリカンプレッツェル by PCWP

<お知らせ>
"作ってみたいが、分量表示がないので記載してほしい"とのご要望を頂きました。分量はかなり大雑把に作っているものが多かったのと著作と時間の問題もあって記載しなかったのですが、洋書の翻訳レシピについては参考になるようにネットの料理レシピサイト"COOKPAD"の私のコーナーに随時載せていくようにしようと思います。
現況はコンテスト用に作っているものが主流ですので、ここでの作り方とちょっと材料等が異なる場合もありますが、参考になれば幸いです。

内容に関しては全訳を載せるわけでもなく、我流アレンジで試作したものを載せており、本来の洋書のレシピでは日本で手に入らないものが多いので代用した材料表記、手順になっています。
掲載レシピはあくまで参考ですので、詳細は個別にメール等でお尋ねください。

最新版としてチョコチップクッキーとコーンブレッドの作り方です。
レシピ アメリカンビッグクッキー by PCWP

レシピ ライト・コーンブレッド by PCWP

みんなのレシピが28万品!クックパッド

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