Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

キャロットケーキ。

2008-06-11 15:17:58 | 料理
子供のころ、人からもらう手作りケーキでよく食べていたのがキャロットケーキ。
今まで自分では作ったことがないものの、近所のお姉さま方から何度か子供のころにいただくケーキはなぜかキャロットケーキが多かった。
初心者の子供が作るお菓子の定番だったようですね。
野菜が入っているのでヘルシーなイメージもあり、25年前ほどは流行っていたのかも。

最近ではキャロットケーキという言葉も聞かなくなり、ケーキレシピでも本などで見かけることはないですね。作っている人も少ないに違いない。今はロールケーキとかチーズケーキの方が流行っているようでどのケーキ本にもこちらは載っていますが。。。また最近野菜スイーツなるものが流行ってきているようなので、キャロットケーキも再ブレークするかも。

私自身もキャロットケーキという言葉をすっかり忘れていました。いつもの解読中の洋書にちょうどキャロットケーキのレシピを見つけ、キャロットケーキがアメリカンクラシックスイーツであることを知ったくらい。もとはイギリスのお菓子のようですが、スコーンみたいに移民文化でアメリカでも根付いたものなのかも。

早速解読してみると、毎度のことながら、やはり日本のものとはずいぶん違うものであることがわかりました。
どこでどう変わってしまうのでしょうかね。

アメリカンキャロットケーキは、実はスパイスケーキの一つ。日本でスパイスケーキはほとんど見られませんが、シナモンやジンジャーを利かせた香辛料風味のケーキで、辛いというイメージと逆にたいていは激甘です。しかも日本のキャロットケーキの外観は茶色いクラムの素朴なケーキで飾りつけはなく、あっても粉砂糖をふってある程度。生地にレーズンが混ぜてあるのが定番。でもアメリカンは生地はスパイスを加え、フロスティングを乗っけるのが定番。何もトッピングしないものはアメリカンスイーツにはないくらい、何か乗っけたり、つけたりして食べるのがあちらの習慣です。甘いものがさらに甘く、カロリー過剰になる原因なのですが。。。
キャロットケーキの場合はクリームチーズフロスティングがお決まりのようです。

もう一つ特徴的なのが、油脂はケーキお決まりのバターではなく、植物油を使うこと。シフォンケーキと同じですね。今まで日本のレシピのものでさえ作ったことがないので、レシピの比較は難しいのですが、日本のレシピをいくつか見てみると、バターケーキの人参入りバージョン系がかなり多い。卵白を泡だてる別立て法でスポンジケーキ的な作り方ですね。
アメリカンの場合はふわふわしすぎるケーキはクラシックケーキにはならないので、ある程度しっかりしたクラムでなければならないようです。よって作り方も材料も異なってくるのでしょう。

とりあえず作って食べてみることにしました。今回のレシピは低カロリー仕様本の"The Light Recipe"の分量をベースにして、作り方はFull-fat本の"Baking Illustrated"のレシピを参考にしました。

ボウルに強力粉、薄力粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ(重曹)、シナモン、ナツメグを加えて混ぜ合わせておきます。
小麦粉はオリジナルではAll-purpose小麦粉でつくるようで、薄力粉にあたる"Cake Flour"では生地が柔らかすぎるようで、わざと中力粉程度の小麦粉にするようです。日本のレシピでは薄力粉のレシピばかりですが。。。
今回は中力粉が手元にないので、強力粉と薄力粉を半々にして即席中力粉でつくりました。

さらに省力主義のアメリカンな作り方を継承して、フードプロセッサーで生地作り。

まずフードプロセッサーにすりおろし刃を付けて、人参をすりおろします。アメリカのものはシュレッダーディスクで日本のように細かくすりおろす以外に荒削りというのをよくやるために太千切りみたいな刃もあるようです。手動ではボックスグレーダーの大穴削りになりますが、手元にないので、とりえずすりおろしました。
荒削りの方が風味も強くなると思います。

人参はすりおろすと水分が出やすいので加える量にも注意が必要。人参が多すぎるとこの水分で生地がべたべたになって焼き上がりもべたつきます。ひどいものではケーキの仕上がりが水浸し状態になることも。人参の量でケーキの風味も左右するので少なすぎても何ケーキだかわからないのでN.G.。

削った人参を取り出して、粉の入ったボウルに加えておきます。

フープロのボウルは簡単に拭いてきれいにしておきます。今度は刃を普通の金属刃(刻み用)に替えて砂糖と卵を加えて、20秒ほど混ぜ合わせます。砂糖は旦那さん仕様のため、グラニュー糖と甜菜糖を半々。オリジナルは甜菜糖ではなく、ブラウンシュガーでした。

油をここで加えるのですが、マヨネーズのように卵と乳化させるので、フープロを動かしながら、投入口から少量ずつ細く垂れ流します。投入口がなければ小さじ1ずつ油を入れては混ぜ、入れては混ぜを繰り返します。ライト仕様のためかなり油は少量です。
乳化させるのは、普通に加えるだけの場合、焼きあがりのケーキの底の生地が詰まってしまい重くなってしまうのを避けるため。最初に卵と油を乳化させると、油が微粒子状態で生地全体に均等に分散し、生地にムラができにくくなるらしい。

完全に乳化したら、生地を別ボウルに移し、粉と人参を加えてゴムべらで混ぜ合わせ生地完成。

型に流して、180度のオーブンで20分程度焼いて取り出し、2時間程度室温で冷却させます。

型はケーキ丸型やパウンド型で作るのが日本の定番ですが、フロスティングのやりやすいシート状に焼きました。ただし、今回は量が少量なので(オリジナルの1/4) アメリカンローフ型の底を利用して焼きました。
思ったより生地が少なかったので、もっと小さい型でもよかったです。もちろんパウンド型で焼いてもいいのですが、オリジナルレシピでは、パウンド型ではクイックブレッドというイメージになってしまうらしいのでシート型を推奨していました。
シート型はバットなどでも代用できます。

竹串をさして焼き上がりを確認するのですが、ケーキのように串になにもついてこなくなるまで焼いては焼きすぎです。ちょっとクラムがついてくるぐらいでO.K.。焼きすぎはしっとり感がなく、堅くなるので要注意です。このケーキがあまりおいしいと思われにくいのは、この焼き加減のミスと人参の風味のなさが大きな要因ではないかと思います。(今までもらったものがそうだった。。。)

焼き上がりはやはり厚みがちょっと足りない感じになりましたが、オリジナルレシピ通り、底の生地が詰まることなく均一で、もちっとしているけれど柔らかい仕上がりになりました。卵を泡だてていないのでスポンジケーキのような柔らからかさはないですが、黒糖蒸しパン的な食感です。日本のレシピとは違う食感でオリジナルレシピの食感にはかなり近いとは思います。

今回は朝食用にしたかったため、前日にここまで作っておいてラップをして一晩常温で寝かせておきました。

朝イチにフロスティングの制作。
通常レシピではクリームチーズ、バター、粉糖を混ぜ合わせて作るのですが、見ただけでヘビーなので、クリームチーズにヨーグルトと粉糖を混ぜてライト仕様に。サワークリームをバター代わりに使うのが、洋書のライトレシピなのですが、さらにライトな仕上がりになりました。

昨晩焼いたケーキの表面に塗って、三角形に切って完成。なぜかこのケーキも四角いのがアメリカでは定番ですが、我が家は日本風に三角に。

フロスティングをした方が甘さだけでなく、酸味とコクも加わるのでおいしいですね。フロスティングを厚くたっぷり塗るとおやつ用に、薄くすると軽食用になりますね。サラダ油を少量使ったライト仕様なので重くならず、しっとりとしてちょっと重めの独特の食感になりました。
スパイスは結構効いているので、人参の風味が薄くなりました。スパイスに慣れていない我が家には半量でもよかったようです。アメリカの市販品はもっと風味が強いですが。。。日本のものがスパイスが全く入っていないのはわかるような気がします。

もう少し厚めに作り、スパイスを減らせば、かなりおいしいケーキになるかも。現状ではまずまずといったところでしょうか。カップケーキ状に作った方がお持たせ用にはいいですね。お持たせ制作時にはFull-Fatで作ってみたいと思います。

作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
レシピ ライト・キャロットケーキ。 by PCWP


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