かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

芸術作品が「修復」と言う名の損壊を受けるのをどうして防げないのか、なんとも理解に苦しみます。

2020-06-23 22:17:36 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は19.2℃、昼の最高気温は32.6℃、五條市アメダスの最低気温は17.1℃、最高気温は31.5℃でした。今日は朝からよく晴れて、午前中はほぼ快晴の青空が広がりました。午後も特に雲が多くなるということもなく、終日しっかりした日差しが届き、気温も夏らしく上がりました。ただ、南海上に停滞する梅雨前線が北上してくるのが少し早くなったようで、晴れ間は明日いっぱいまで。明後日は雨になり、その後しばらくはぐずついた梅雨空が戻ってくる予報になっています。洗濯とかするなら明日のうちですね。

 さて、スペインでまた芸術作品が素人による修復作業という名の破壊行為によって台無しにされました。バレンシア在住の美術収集家が、バロック期の画家であるバルトロメ・エステバン・ムリーリョの作品「The Immaculate Conception of Los Venerables」の複製画の修復を、家具修復業者に1200ユーロ(約14万5000円)で依頼したところ、秀麗な美少女の顔がおよそ似ても似つかぬのっぺりとしたひどい顔にされてしまいました。あまりの酷さに怒った依頼主が再修復を命じ、出来上がったものは、更にひどくもはや原画の跡が全く見えない絵になってしまったとのことです。実際写真で見比べてみるとその違いは歴然としており、修復1回目にせよ2回めにせよ、よくこれで「修復完了!」と依頼主に見せられたものだな、と呆れるような出来栄えになっていました。
 そもそも美術品の修復にこんな素人を起用すること自体正直理解に苦しむのですが、スペイン保守修復専門家協会のバレンシア支部副会長マリア・ボルハ氏によると、「残念ながら、このような事例はあなたが思っている以上に一般的です」とのこと。今回の事例のように注目を集めるまでに至っていない素人修復家による失敗事例も多々あるのだそうです。
 「お金について話し合う前から、この種の仕事を引き受ける人が専門の訓練を受けているのかどうかを確認するべき」とする専門家のコメントもありますが、どうもスペインではその能力が無いにも関わらず、修復作業に従事することが、法的にはなんの問題もないらしいです。とはいえ、日本の文化財修復に携わる技術者も特に国家資格などがあるわけでもないので、素人が修復に当たること自体は日本でも罪に問われる事はないのでしょう。ただその結果がかくも酷ければ、文化財保護法などに引っかかったり、損害賠償なんてことになるのでしょうが、スペインではそのあたりどうなっているんでしょうね。
 2012年に教会のキリストの絵が似ても似つかぬサル顔に「修復」されたのがウケて、かえって観光客が増えた、というような事例もありましたが、さすがにそんな事例ばかりではなかろうと思いたいですね。

コメント
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