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公務員制度改革について

2010年05月04日 08時52分16秒 | 行政制度
これは、難しい問題である。
自民党時代には、できなかった。官僚側の抵抗、というのが具体的に何なのか、というのが、実際のところイマイチよく分からないのである。

また、今の民主党にとっても、官公労とかの労組基盤という点でも、難しい問題ではある。旧社会党とか、日教組のような教職員組合なんかの関係とか、そういうのも公務員ということにはなるわけだし。


かつて、小泉時代に教員人件費削減問題が取り上げられた時、校長先生の退職金がこんなに多い(具体的には「事務次官よりも多い」)、とかいう笑い話が出された。まあ、よく知らんけど、地方ではそういう特権的な何かにあやかれる人たちはいるのかもしれんね。
安部政権下で行われた教育改革とかいうのも、今となっては、民主党が「天下を獲った」という驕りがあるだろうから、全て撤回されたんだったか。

一口に公務員と言っても、様々な側面があるだろうから、細部については個別に細かく考えていくべきなんじゃないのかな、とは思う。


とりあえず、大雑把な基本方針を書いておく。

1.天下りは基本的になくす
2.定年までは働く制度を考える
3.数は、削減一辺倒にはしない
4.独立行政法人は殆どを消滅させる


難しいのは、具体的方法を考えることなんだけど(笑、それがなければ絵に描いた餅か)、思いつき程度の各論を述べることにするよ。とりあえず、地方公務員とか大多数を占める一般公務員ではなくて、所謂「エリート官僚」などと呼ばれる、霞ヶ関の中央官僚の部分について考えることにする。


1)「○人一組」体制が望ましい

現在の体制がどうなっているのかは、知らない。けど、仕事の負荷が「たった一人」に集中する仕組みというのは、システムとしては問題なんじゃないのかな、ということ。それよりも、一人が病気で欠けたりとか、育児休暇(笑)とか、そういうので休める体制の方がいいんじゃないかと、思うからである。

あれだ、例えば「デカのコンビ」みたいなものかな。ベテランデカとひよっ子デカ、みたいなもんだ。それとも、ナルトに出てくるスリーマンセルとか、ああポケモンもそうか。要するに、そんな感じの仕組みを考えるべきなのでは。

これまでは、仕事1単位を各人に割り当てていたとすると、仕事1/人員1、ということ。これを、例えば仕事3/人員3で、仕事をこなす量と人数にはそう違いがでない、ということにできるのではないかな、と。そうすると、突発的に病気で休みになったりした時なんかにも対応できるだろうし、誰かが欠けても「担当者がいないので、他の誰にも判りません」みたいな事態は少なくなるんじゃないのかな、と。それと、個人的経験則だけなんだけど、大抵の仕事って、一人だけに割る当てるよりも複数でやる方がうまく行くように思うんですよね。

たとえば、手術を各人に1件割り当てて3人がバラバラで3症例をこなすよりも、3人が3つとも受け持って3人で3症例をやった方が早く終われるんじゃないのかな、と。各人の能力にバラつきとか得手不得手があるということも、こうした一組になっている方が有利になることは少なくないと思う。

(仕事の種類によっては、たった一人の優秀な人が、自分の頭脳で処理する方がやりやすいとか、捗るとかいう仕事内容というものはあるかも。業務内容によって、工夫したらいいんじゃないのかな)


2)「遊軍」的な人がいた方がいい

仕事の量とかは、いつも平坦ということは多分少ないんじゃないかと思うんですよ。そうすると、仕事量がマックスの時に合わせて人を配置すると、津波が引いたみたいにピークが去ると人が余る、というようなことがあるんだろうな、と。

普通の会社なんかであっても、最大に忙しい時に人員配置はしてないんだろうと思う。ただ、応援部隊がいればきっと助かるだろな、と。例えば、引越しとかも、春頃には最大ピークがあると思うので、そういう時にはバイトを大量に雇うとかして、人員を増すことになる。しかし、それを基準に人員を常時配置してしまうと、他の時が暇になるから困るんですよね。官僚は暇な時期ということで削れるわけじゃないから、応援部隊としての「溜まり場」みたいなものが必要になりますね。

予算編成の時には、大幅増員、だけど、そんなに数が必要じゃない時期には、どこか別な所で別な業務をやっていてもらう、というような。採用の省庁で厳密に区分しない方がいいのと、仕事の種類をこなせる能力が必要になるだろうけど、それは人事異動みたいなものと違いは少ないかも。役所の仕事だから、基本的なところは近いかもしれないし、他の省庁に出向することもあるはずだから、受け入れは困難ということでもないんじゃないのかな。


3)採用試験の評価偏重は改めるべき

キャリアとノンキャリアで評価制度も役職の上り方も違うんだろうと思うけど、中に入ってから仕事のできる人はいるだろうと思うので、そういう区別はあんまりしない方がいいんじゃないのかな、と思う。もっと柔軟な人事評価とか登用がある方がいいんじゃないかな。野球で言えば、ドライチが必ずレギュラー、みたいなもんで、実際には育成から這い上がって一軍に入れる選手はいる、ということ。ドラフト外は1軍になれない、みたいな制度になっているのが、今までの官僚制度だったのであれば、変えた方がよい。


4)賃金カットは殆ど効果がない

国の借金を減らすのには、こう言っては失礼だが「官僚ごときの給料」をいくら削ってみたところで、焼け石に水である。個人的には、雇用者所得増は必須と考えているので、給与引き下げは最大の愚策だと思う。これは、前から言ってきた通り。なので、枝野大臣のような考え方には、大反対(因みに、来年度の新規採用半減を言い出したのって、拙ブログで指摘して以降でしたよね?)。

何なら、役職に手当てを付加するということでいいんじゃないかと思うけど。
賃金が低すぎるというのは、心理的余裕を失わせるとか、利害に影響されやすくなるとか、そういうのがあるのであれば、品格(笑)を保てる程度には相対的に引き上げた方がいいんじゃないかと思う。優秀な人材を集めようと思うなら、そこそこ金額がないとダメかもしれんから。

人事院勧告でボーナス大幅カットとか、そういう互いの削りあいに終始してきたことこそが、デフレを強化してきた側面があるので、上げてやれよ、とは思いますな。現役時代の賃金水準をある程度確保して、その代わりに天下りは廃止、ということにするよりないだろう。


5)独立行政法人の廃止は直ぐにはできない

天下り先をなくす、ということにするとしても、独立行政法人そのものを全て廃止することは難しい。大きな理由としては、これまでの債務の問題があるから、ということになる。現在の保有資産を全て現金化するとしても、債務を解消するには足りないであろう。その分は税金投入が必要ということになってしまう、ということである。

なので、廃止をいきなり実行するのではなく、国庫からの資金投入(一般会計、特別会計からの繰り入れ)をなくす、ということを段階的に実施するよりないであろう。予算を切れば、必然的に効率化、縮小などになるだろうからである。最終的には、存在意義の乏しい組織については、民営化なり売却なりを行うとかして、完全に消滅させるべきである。


6)再評価・改善改良関連に人員を増やすべき

これまでのやり方というのは、行政評価や会計検査院の検査などがあったわけだが、そういう仕組みが十分に活かされていないことが多かったと思われる。評価体制は内輪で終わる場合も多く、改善すべきという評価が出されても、具体的に何をどう改善したり工夫したりしたらよいのか、というのが、実行されないままで終わっているのではないか。平たく言えば「もっとこうしたらいい」というようなことが実施されずに、単なる前例踏襲で「まあ仕方ないか、とりあえず同じくやっておくか」というような曖昧な状態でいつの間にか時間が経過して忘れ去る、みたいなことになってしまうんじゃないだろうか、と。

日常生活の中でもそうなんだけど、「ああ、こうしたら…」とふと気づくことがあっても、その場で直ぐに実行に移さないと忘れちゃったり、面倒くさいから後でやろうと思っても結局そのままにしてしまうことって、ありがちなんじゃないでしょうか?

そういうのと似ているので、やる人(改善プランを実行に移す人)は他に色々やるべきことを抱えている忙しい人ではなくて、直ちに実行に取りかかれる人の方がいい、ということですね。なので、会計検査院の人員増強とか、再評価部門(行政評価関連)とかの人員を割り当てるのは、各省庁から余裕のある人員をそっちに回せばいいんじゃないか、ということです。天下りを止めると余る、というのであれば、そういう部分に人を充てればいいんじゃないのかな、と。
省庁の垣根を越えて、というか、違う省庁出身であるが故に、いいという部分はきっとあるはず。


7)何らかの突発的事態対応やプロジェクトチーム編成等ができる体制

臨時的に人手が必要になることはある。上に書いた「遊軍」的な人たちがいれば、通常業務を手伝ってもらって、今の担当者をチームに回わせる、といった対応が可能になるんじゃないのかな、と。それとも、過去の「○○の検証」プロジェクトチームとかが必要ということなら、応援部隊に頼めるかもしれない(その当時のことを知る人が来てくれればなおいい)。

インフルエンザ等の感染症、食品問題、薬剤問題、災害、事故、製品リコール、国際会議や交渉等々、様々な場面があるんじゃないだろうか。


とりあえず。





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