何度も書いてきたが、弱小業者数の減少が始まったのは00年の金利引下げ以前からです。堂下論文とか貸金業界の人たちが言うような、「2000年の上限金利引下げのせいで中小業者は減少した」というような、安直な推定は当然なのでしょうか?こういうのが、当たり前と思うことに甚だ疑問を感じますね。
大手の貸出比率は経年的に上昇してきた。これは競争力があることで達成されただけであって、普通に考えれば大手スーパーが弱小個人商店を駆逐するのと何ら変わりないように思えるが。上限が引き下げが本当の原因だ、などとは思えないのである。
金融庁の統計上の区分としては「消費者向無担保金融業者」というのがありますが、一般的な貸金業はこれです。で、90年には約8000社あったのですが、90年代は一貫して減少傾向でした。90年以前でも、上限が段階的引下げが行われていたので、どこからが引下げの影響なのは不明ですけれども、かつては貸金業者は事業者向けも含めて約8万社あったと言われていますが、それが90年には約21000社に減少してきたのですね。なので、ずーっと昔からほぼ減少トレンドを続けてきて、大手への集約化が進んでいったという過程を見ているだけとも考えられるのです。
で、約8000社から98年には6067社、99年には5859社に減少してきたのです。10年くらいで2000以上減ってきたのです。大手の無人機登場が93年、広告緩和が95年、社内上限金利引下げが97年頃までですから、その間は中小業者数は確実に減ってきたのですよ。ところが00年の上限引下げ直前には逆に増加しているのですよ。6029社に増えている。引下げ完了後の01年には6218社ともっと増えたのです。この時に多かったと思われるのは、財務局の認可を受けて、通常の借り手を釣り上げる「闇金」が増加したことです。結局、上限金利引下げが直接原因とも言えず、大手・準大手のグループがそれ以下の規模の業者を駆逐していったのだろうと思いますね。
しかし、これ以降闇金被害が社会的に取り上げられ、警察の取り締まりも強化され、03年の取立て規制などの強化(貸金業規正法改正等)された結果、違法業者の登録は行いにくくなったので、かつての減少トレンドに戻っただけなのではないかと思えます。
貸金業と隣接市場とも言える、質屋ですけれども、これも時代と伴に減少傾向なのであり、上限金利は日賦業者と同様に特例的に認められてきた109.5%で変わっていなかったのですが、90年頃の約1600社から01年には約400社まで約4分の1にまで減少を続けてきたのです。質屋は金利引下げには関係ないので、貸金業の方へと需要がシフトしていったためであろうと思います。
日賦業者は89年に約400社だったのが、96年には約1260社へと大幅に増加しました。これも109.5%の特例金利があったので、闇金などがこれに目を付けて、日々取り立てを行うことが可能なことも悪用されたためなのだろうと思います。
それから、これも前から書いていますが(貸金業の上限金利問題~その12)、民間金融機関の個人向け貸出は大幅に減少してきたことは、貸金業の貸出競争を招いたとも思えます。銀行・信金などの個人向け融資(目的別ローン、カードローンなど)は90年には約21兆円程度あり、このうちカードローンが約13.7兆円あったのが、03年には約4.4兆円まで減少したのですね。つまり約9.3兆円の信用供与が失われたということです。それと期を同じくして、貸金業の信用供与額は増加の一途を辿りました。銀行の不良債権問題とか、厳しい銀行検査とか、そういうことも関係しているかもしれませんが、要するに、民間金融機関は大幅に貸金市場から撤退していき、逆に貸金業者が同時期に約3兆円から約11兆円まで残高を増やしてきたのです。
闇金被害の顕著な増加や自己破産の増加は、これらの影響を受けて大体98年頃から増加してきたのですよ。特に、98年以降は国民所得の減少というのが明らかとなってきていたので、そうした時期とも一致しているのです。00年に上限金利を引き下げた結果、闇金被害が増えたとも、破産が増えたとも言えないのではないかと思いますね。そういう要因ばかりではないと思います。
経済学理論を信じている人々が、なぜ実際の数字で理論の正しさを証明しないのか、不思議ですね。「理論的にも実証的にも明らか」などと豪語できるのは何故なのか、その気持ちを知りたいですよね。「理屈はもっともらしく」、でも現実と全くかけ離れているなら、到底信用できるような理屈じゃありませんね。しかも、最後の決め台詞が一緒なのも笑えます。「教科書嫁」ですから(笑)。
大手の貸出比率は経年的に上昇してきた。これは競争力があることで達成されただけであって、普通に考えれば大手スーパーが弱小個人商店を駆逐するのと何ら変わりないように思えるが。上限が引き下げが本当の原因だ、などとは思えないのである。
金融庁の統計上の区分としては「消費者向無担保金融業者」というのがありますが、一般的な貸金業はこれです。で、90年には約8000社あったのですが、90年代は一貫して減少傾向でした。90年以前でも、上限が段階的引下げが行われていたので、どこからが引下げの影響なのは不明ですけれども、かつては貸金業者は事業者向けも含めて約8万社あったと言われていますが、それが90年には約21000社に減少してきたのですね。なので、ずーっと昔からほぼ減少トレンドを続けてきて、大手への集約化が進んでいったという過程を見ているだけとも考えられるのです。
で、約8000社から98年には6067社、99年には5859社に減少してきたのです。10年くらいで2000以上減ってきたのです。大手の無人機登場が93年、広告緩和が95年、社内上限金利引下げが97年頃までですから、その間は中小業者数は確実に減ってきたのですよ。ところが00年の上限引下げ直前には逆に増加しているのですよ。6029社に増えている。引下げ完了後の01年には6218社ともっと増えたのです。この時に多かったと思われるのは、財務局の認可を受けて、通常の借り手を釣り上げる「闇金」が増加したことです。結局、上限金利引下げが直接原因とも言えず、大手・準大手のグループがそれ以下の規模の業者を駆逐していったのだろうと思いますね。
しかし、これ以降闇金被害が社会的に取り上げられ、警察の取り締まりも強化され、03年の取立て規制などの強化(貸金業規正法改正等)された結果、違法業者の登録は行いにくくなったので、かつての減少トレンドに戻っただけなのではないかと思えます。
貸金業と隣接市場とも言える、質屋ですけれども、これも時代と伴に減少傾向なのであり、上限金利は日賦業者と同様に特例的に認められてきた109.5%で変わっていなかったのですが、90年頃の約1600社から01年には約400社まで約4分の1にまで減少を続けてきたのです。質屋は金利引下げには関係ないので、貸金業の方へと需要がシフトしていったためであろうと思います。
日賦業者は89年に約400社だったのが、96年には約1260社へと大幅に増加しました。これも109.5%の特例金利があったので、闇金などがこれに目を付けて、日々取り立てを行うことが可能なことも悪用されたためなのだろうと思います。
それから、これも前から書いていますが(貸金業の上限金利問題~その12)、民間金融機関の個人向け貸出は大幅に減少してきたことは、貸金業の貸出競争を招いたとも思えます。銀行・信金などの個人向け融資(目的別ローン、カードローンなど)は90年には約21兆円程度あり、このうちカードローンが約13.7兆円あったのが、03年には約4.4兆円まで減少したのですね。つまり約9.3兆円の信用供与が失われたということです。それと期を同じくして、貸金業の信用供与額は増加の一途を辿りました。銀行の不良債権問題とか、厳しい銀行検査とか、そういうことも関係しているかもしれませんが、要するに、民間金融機関は大幅に貸金市場から撤退していき、逆に貸金業者が同時期に約3兆円から約11兆円まで残高を増やしてきたのです。
闇金被害の顕著な増加や自己破産の増加は、これらの影響を受けて大体98年頃から増加してきたのですよ。特に、98年以降は国民所得の減少というのが明らかとなってきていたので、そうした時期とも一致しているのです。00年に上限金利を引き下げた結果、闇金被害が増えたとも、破産が増えたとも言えないのではないかと思いますね。そういう要因ばかりではないと思います。
経済学理論を信じている人々が、なぜ実際の数字で理論の正しさを証明しないのか、不思議ですね。「理論的にも実証的にも明らか」などと豪語できるのは何故なのか、その気持ちを知りたいですよね。「理屈はもっともらしく」、でも現実と全くかけ離れているなら、到底信用できるような理屈じゃありませんね。しかも、最後の決め台詞が一緒なのも笑えます。「教科書嫁」ですから(笑)。
またいつ破産するかもしれない、こういう場合100万破産したら実質900万からしか利息収入が生まれない。
ここから人件費、光熱費、ガソリン代、広告宣伝費、事務所家賃、その他経費を差し引かれるとやっていけるかどうかちょっとと思いますよ。5人雇うだけで1人20万としても100万は月にかかり、貸付残高を増やすための事業資金もひっぱってこなければならない。
こういうふうに考えるといままでの経費で利益が減るのはまちがいないわけですから、税収が低くなるのも間違いありませんね。大手はともかく、中小や零細はやってられませんね。
だからやってられないので、じりひんになって見切りをつけきれず倒産するか自分から見切りをつけて廃業するか、地下にもぐるか、そして従業員も路頭に迷う人もでてくる。
また貸金業の参入規制も厳しくなってるわぇですから、貸金業は減るのはほぼ確実なわけです。
2000年の40.004パーセントから29.2パーセントに下がったのとわけがちがいますから。あのときはあれにはからくりがあって大手は30パーセント前後で融資してたので、ほぼ痛手はなかった。
今回は確実に痛手はありますし。中には一部上場している会社もある。株主にダメージを与えるのも間違いないわけですし、配当も減る。都道府県の協会も下げたらやってられないので確実に解散するといっているくらいですから。
確実に税収が減るので国にはメリットはないと思うんですけどね。
でも政治家の人たちは多重債務者を減らすために法案をとおすんでしょうね。
いろいろぐだぐだいっているけどそれでも減るか増えるかなんて法が改正されてからではないとわからないですから。
これはそうですね。ただ、業界の弱小業者を守ることが利益となるかと言えば、これはどうでしょうか。業者が失業したら、生き残ってる大手から借りてみたらいいのではないでしょうか。同様のよしみで融資してくれるかもしれませんし。
そもそも極論からいうと法を犯さずにおこなっいる業者までも路頭にまよわせようとしてるんですから、悪いことをする人には悪いことする人に対して条件を厳しく罰則すればいいわけで、法を犯してない業者まで一緒に条件を厳しくする権利は政治家ですからあるんでしょうけど、それでもこれは圧政や横暴きわまりないですよ。
>生き残ってる大手から借りてみたらいいのではないでしょうか。同様のよしみで融資してくれるかもしれませんし。
これは消費者のことをいってるんでしょうか、業者のことをいってるんでしょうか、いずれにしても、金融知識豊富なお金の貸し借りの裏を知り尽くしている失業寸前の業者に大手が融資するわけがありません。
まず大手で断られるから零細や中小にいくわけで零細や中小がなければ、お金にこまっているひとたちは、どこも借りるとこがなく、生活に困ったり、自分の欲望にまけて、お金を手に入れるには手段を選ばないことをしますよ。
ただどこから借りることもできないので、強盗するかもしれないし、窃盗するかもしれない。
まあこれはいきすぎにしても、人間飢えには勝てませんから、必死になって自分たちの飯を確保するために抵抗するわけです。
金利下がってみないとわかんないでしょうこればっかりは。
これはもう明らかに大手企業のみの保護法です。特例金利も大手企業のための特例。施行開始一年後には中小零細は登録要件クリアできないので廃業。資金需要者は一気に行き場を失うことでしょう。