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社会保障改革を推進せよ・4

2007年07月18日 14時58分27秒 | 社会保障問題
年金会計の実態がよく判らない、という意見はありがちだ。確かにそうだ。いくら使ったのか、いくら損したのか、数字を出せ、とか、野党やみのもんた(笑)とか、よく言っているよね。金の流れが把握し難い、というのはあるだろう。これは今に始まったことじゃないのだけど。

一元化を反対しているのは、旧大蔵勢力なのではないかと思っている。
それは何故か?過去の悪行三昧がバレるからなのではないか?(笑)。
制度があまりに簡単になってしまえば、金の出入りも流れも判り易くなってしまう。それではダメなのだ。いかに「貪り組織」を維持するか腐心してきたであろうから、金を横流しできるシステムを組んでおかねばならなかったのだろう。金をあっちへ動かし、こっちへ入れ替え、そうやってロンダリングを重ねて、そこから自分たちの取り分を分配していくのさ。要するに、そういうこと。(かな?と思った。陰謀論だけど)
年金資金から預託金利2.5%で集めて、それを再び4%とかで貸し出せば、利払い差額は大蔵が使い道を決められるからね。100兆円分ならば、1.5兆円がバックされることになるから、その決定権限を行使することが可能になる、ってことだ。その金が有効に使われていたのであれば、文句は出にくいだろうが、そうとも言えなかった、ということだろう。

旧大蔵の資金運用部に集められた金は、湯水の如くに注ぎ込まれた。無駄な分野にも。官主導でよい投資対象をたくさん見つけられれば良かったのかもしれないが、それは困難だった、ということであろう。大雑把に言って、旧郵政省時代の預託金150兆と年金資金150兆の合計300兆円もの資金があったのなら、この300兆円をいかに用いるかで大きく変わっていたであろう。最も大きな誤りであったのは、国立大学や国立病院などの投資対象を真っ先に切っていったことだろう。教育と医療・介護分野は成長分野であったのに、公共投資対象から外していったのだ。利払い主体としては、本来的には望ましかったのに、だ。利益水準が厳しいというのであれば、確かに経営努力は必要であるかもしれないが、税によって一部利子補給なども可能であったし、それこそ(省庁お得意の)施設整備費として部分的に負担することも可能であっただろう。どうでもいい分野に投資するくらいなら、こうした未来へ繋がる投資を選択する方が何倍も良かったであろう。結果的にはそれら利益は国民に還元されるものだからだ。利用者と税負担をした国民たちが利払いしているのとほぼ同様であり、それが回りまわって郵貯や年金の利払いに10兆円程度(300兆円規模の資金に3%程度の利息を払うことになると仮定して)還元されることになるなら、分配先としてはあまり問題ないように思うけど。しかし、教育や医療が、公共投資分野から真っ先に切り離されたのだ。


年金の話に戻ろう。
年金のカラクリというのは中々複雑だ。けれども、判ったこともあったので、見てみることにする。

厚生保険特別会計~年金勘定

資料の数字がH13年度末のものなので古いのだが、他の資料が見つけられないので、とりあえずこれを見てみた。
この中で、年金勘定(要するに厚生年金)の比較貸借対照表があったので、それを見て下さい。

未払い保険料が2兆円以上にもなっている、というのがH11年から続いているのだ!
これって、どうよ?と思いませんか?恐らく未納保険料の債権は5年でしょうから、5年以上経過してしまえば、まるまる損失となってしまうのです。なので、毎年数百億円か数千億円規模の徴収漏れ保険料が存在していることになるのではないか、と。ただ、2兆円超の未納分のうち、13年度末に旧三公社(NTT、JR、JT)共済の未払い金が約7840億円存在するようです。民営化に伴って(旧職員分?)、一気に払うことが出来なかった分が1兆円以上残っていたのだが、これを数千億円程度分割で払っていたのであろう(現在は未払い分が残っていないかもしれません)。それでも、1兆数千億円もの保険料が未納のまま時間が経てば順次消えていっている、ということだ。

もっと驚愕すべきことは、H13年度末時点で業務費用・財源差額累計は約10兆円にも達しており、資産・負債差額は累計で4兆8200億円にもなっていたことだ。保険料のアップで多少改善されてきたのかもしれないが、それでもマイナスは残っているであろう。

旧大蔵の資金運用部は、年金福祉事業団に10兆円超の資金を移し変えたんだろう、多分(この辺の経緯はよく知りません)。1兆円以上の政府出資金も含まれていたようだ。11年度の出資金明細のところに出ていた。「承継一般勘定」という名目だ。推測であるが、これの一部が例のグリーンピアものとか何とかに投入された資金だろうと思う。現在はこの損失をまだ抱えている、ということだ。帳簿上では減価償却が進むので、長い年数を置いておけば、いずれ資産規模は縮小して消えていくからだろう(笑)。途中で処理しない限り、損失が表面上にハッキリ出てこないだろうからね。売却損は簿価よりも大幅に減るからでるわけで。

事業団の維持運営費として、一般会計や特別会計から業務費用とか補助金の形で毎年数千億円もの資金が供給されていたはずで、それらの投入資金も全てパーになった(本当は全部じゃないだろうけど)であろう。で、損失があまりにデカイので、どうしたかと言うと、総額を膨らませて薄める、という作戦にしたのだろう。それが総合勘定というヤツだな。大蔵が損失を挽回する為に「追い貸し」した、ということだろう。

これは多分こういうこと。
10兆円が長期返済の借入(年金資金から事業団への投入)で、期間中は利払いもある。事業団の事業単独では10兆円は返せないし、利払いもできない。ではどうするか?10兆円を更に「追い貸し」して総額を大きくし、貸し付け金利以上の運用成績を出してもらって、返済に充てる、ということだ。追加した10兆円の利払いが3%なら年3000億円の金利を大蔵(財務)省に払わねばならないが、運用が5%とかならば3000億円払っても2000億円分は承継勘定の利益ということにできるからね。それでも3兆円以上の欠損金を抱えていただろう。

年金資金運用基金

これで見ると、保養基地の投入資金規模は1000億円くらいで、痛いことは痛いが全体(年金積立金とか)に比べればそうでもない。交付金527億円の方が毎年毎年なので、ダメージが大きい。年金住宅融資の延滞債権の約580億円も大きいね。年金保険料未払い金に比べれば全然小さいけど。まあ、欠損金の3兆3820億円が回収されるまでは、まだまだかかりそうだ(笑、ここ2年くらいでかなり挽回できただろうと思うのだけどね)。

国民年金の保険料未納額はH13年度時点で1兆8千億円超だったので、現在は2兆円以上になっているかもしれない。厚生年金と国民年金両方では4兆円規模になってしまうかもしれない、ということだ。こちらの問題に比べれば、グリーンピアとかなんとかは、額が小さいのだ。未納保険料は毎年生み出されて、債権期間を過ぎれば取れなくなってしまうからね。
厚生年金保険料未払いは、企業倒産などで未収になってしまうこともあるかもしれないが、この分は今の記録漏れ問題とも関連しており、複雑だろうな。従業員は払ったことになっているが、事業主が払ってなければ「払っていない」のは確かだし。これをどうするか、というのはよく検討するべきであろう。


いずれにせよ、年金財政に大きな影響を与えているのは「未納分」が一番なのだ。未納を解決することが、近道と思えるが。国民側にしても、グリーンピアとかのヘンな資金投入で政治家や官僚を責める気持ちは判らないでもないが、影響で見れば大したことないのだから、現実を知るように努力するべきなのだろう。一番責められるべきは誰かといえば、「払ってない人たち」なのではないか?それは大勢の国民ってことだよね。




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