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中国の米国企業買収は失敗か

2005年07月30日 13時17分20秒 | 外交問題
米国は、人民元引き上げの評価が「不十分」という明確な答えを中国側へ用意した模様。ユノカル買収の最後のチャンスだったのでしょうが、二桁(10%以上)を期待していたのに中国側の引き上げ幅が余りに小さく、中国側の「なめた態度」に怒ったというところでしょう。それが、買収阻止条項が下院に続き、上院でも可決されたという意味でしょうね。中国系米国人たちには恐らく独自のネットワークがあるだろうし、経済的成功を収めた人々はある程度の効力を有するロビイストを抱えているはずで、上院への働きかけも可能であったでしょうが、人民元の失望が大きすぎて、さすがに聞いてもらえなかったのではないかな、と。

まずは、読売の報道が先でした。これはCNOOCからではなく、親会社の中国海洋石油総公司の筋からのニュースだったようです。


中国海洋石油、米ユノカルの買収を断念 : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

上の記事より一部抜粋します。

【北京=東一真】中国海洋石油(CNOOC)の親会社、中国海洋石油総公司は29日、米石油9位ユノカルの買収を断念したことを明らかにした。総公司の対外投資担当者が本紙の電話取材に対し、「ユノカル買収はもう考えない」と述べ、買収断念を認めた。米議会で「中国脅威論」が台頭し、中国海洋石油のユノカル買収計画に反発が強まったため、これ以上交渉を継続しても成果はないと判断したと見られる。


しかし、CNOOCは否定的で、ロイターにすかさずネタを流した模様。この時点では、上院への働きかけがどの程度効いているのか、分ってなかったのではないのかな、と思います。可決しそうということになれば、必然的に買収は諦めということになるでしょうから。通らない可能性もあるということであれば、まだ交渉余地はあるだろう、と。一縷の望みに賭けてみようというところでしょう。

この辺は、石油総公司とCNOOCの情報源が別々に動いていて、もたらされた情報が錯綜していたんだと思います。


Yahoo!ニュース - ロイター - 米ユノカル買収案、まだテーブルの上に=中国海洋石油

この記事より、以下に転載します。

[シンガポール 29日 ロイター] 中国海洋石油(CNOOC)<0883.HK><CEO.N>の広報担当者は、同社が米ユノカル<UCL.N>買収を断念したと一部で報道されたことに関し、ロイター通信に、1株=67ドルの提案はまだテーブルの上にある、と述べた。読売新聞は、CNOOCの親会社、中国海洋石油総公司の対外投資担当者が、同紙に「ユノカル買収はもう考えない」と延べ、買収断念を認めた、と伝えていた。

ただ、CNOOCの周辺では、CNOOCが、米政界で強まる反対ムードを懸念している、との声が聞かれている。ある関係筋は、CNOCCが、買収額の引き上げ、現提案の維持、提案の取り下げなど、あらゆる提案を検討しているが、まだ最終的な決定は下していない、と指摘。「現時点で取締役会は、慎重だ。ワシントンの動きについて、多くの懸念材料がある」と述べた。


でも、やっぱりダメで、上院で可決されちゃった、と。

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <ユノカル>米上院、中国企業による買収阻止法案を可決


許しませんよ、中国さん、という番長米国の態度でしょう。やっぱりですか。

参考記事:中国の米企業買収意欲と為替のこと(追記あり)

ちょっと、いい気味。とか言うと、マズイんでしょうけど。ロイターは、ハメラレタ、と。シンガポール辺りでは、空気が読めないんでしょうかね。

一方、読売は、やったな、と。「ホレ見ろ」というところでしょうか(笑)。



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