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朝鮮戦争の教訓

2009年12月31日 12時28分47秒 | 防衛問題
朝鮮戦争のことを指摘するコメントを頂戴しましたので、少し書いておきたいと思います。

これまでにもよくある話がこの「朝鮮戦争の教訓」ってやつでして、戦車必要論を説く人たちなんかが持ち出してくるわけです。そういうのと同じですね。

これはまあ、よいでしょう。

朝鮮戦争で、序盤から海兵隊が投入されたという事実があったのか?といえば、なかったみたいですね。そんな、数時間~数日で海兵隊が投入される、なんていう事実は得られないわけです。

朝鮮戦争 - Wikipedia


また、戦闘開始となったのが6月25日で、安保理開催は27日でしたので、早期に米軍の地上戦力投入なんて行われてはいません。数時間で海兵隊が殴りこみに行くなんてことはなかったんですよ。

早期に投入された戦力としては、7月1日に釜山から上陸し鉄道で移動したスミス隊があったそうです。戦力は約500名、戦車はない部隊だったそうです。特殊任務の部隊と似たようなものということでしょうか。

台湾有事の際には大型ヘリのスーパースタリオンで駆けつけるらしい海兵隊も、似たような戦力ということでしょうか。まさか、戦車を連れて行くとでも言うんでしょうか?


で、このスミス隊は烏山付近に展開し防衛線を張ることになったらしいのですが、7月5日に北朝鮮軍と会戦した途端に、数時間で潰走となってしまったみたいです。一緒にいた韓国軍の部隊はもっと大勢みたいですが、それでもダメだったということでしょうね。スミス隊の3割以上の兵が失われたみたいです。

スミス隊以外にも、米軍24師団の歩兵連隊や砲兵大隊も到着して参戦したらしいのですが、これもやはり敗走となったそうです。

要するに、(ヘリで届けられる程度の)過少戦力を投入しても、超人戦隊でもなければ戦況を改善できるはずもなく、投入された米軍の損失が甚大となる可能性が高い割には、大勢に影響を与えるほどでもないという、損失面ばかりが目立つということになるのではないか、と。

朝鮮戦争では、実際にスミス隊や24師団の部隊が壊滅的な損害を受けたのだ、ということです。それと似たようなことを、現代でも米軍が実行してくると思いますかね?
本当に、そんな運用をやってきますか?


朝鮮戦争を調べてから云々というのは、まさに、自説のあらゆる部分で必要性とか正当性などの論拠として使っている人たちこそが、まず学ぶとよいのではないでしょうか。そうすれば、自らの主張点の矛盾というものについて、気づくことがあるかもしれません。ああ、詳しく知っていて、無知を罵る人たちはいますから、そういう知識を有していても、役に立ってないとか自ら矛盾に気づけないとかであるので、知ったところで大した意味はないかもしれませんね。「詳しい人たち」の誰かの主張は、他の「詳しい人たち」の主張の矛盾点や問題点を指摘することになってしまう、というようなもんですわ。

結局は、オタクのカルトクイズ的知識披露自慢みたいなもんですか。