ISOな日々の合間に

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「ユリウス カエサル ルビコン以前(中)」へ

2006年04月14日 | お楽しみ
ルビコン以前(上)では、幼年期から青年後期の三頭政治開始直前までのカエサルが描かれている。

カエサルの性格について帯には以下のようにある。
「生涯を通じて彼を特徴づけたことの一つは、絶望的な状態になっても機嫌の良さを失わなかった点であった。楽天的でいられたのも、ゆるぎない自信があったからだ。そして、男にとって最初に自負心をもたせてくれるのは、母親が彼にそそぐ愛情である。幼時に母の愛情に恵まれて育てば、人は自然に、自信に裏打ちされたバランス感覚も会得する。そして、過去に捕われずに未来に眼を向ける積極性も、知らず知らずのうちに身につけてくる。」

人物としての魅力の一面を語る話として「カエサルと女」、「カエサルと金」は面白い。

「カエサルと女」では、美男ではなかったカエサルが、「600人もいた元老院議員の三分の一が寝取られた」という史家がいるほどに、女にモテ、しかもその女の誰一人からも恨まれなかったという。その理由の第一が、愛する女を豪華な贈り物攻めにしたこと。第二に、愛人の存在を誰にも隠さず、彼の愛人は公然の秘密だったこと。そして第三に、次々とモノにした女たちの誰一人として決定的に切らなかったことらしい。

「カエサルと金」では、カエサルは天文学的な借金をしていたとある。使途の一つは愛する女たちへの贈り物である。代表例はローマの一等地に豪邸が二つ買えるほどの真珠であったりする。他の使途はローマの中心部における公共事業であり、家庭内でのカエサルは実に堅実な暮らしぶりであったという。

何故、天文学的な借金が出来たのか? 借金があまりにも増大すると、債権者の悩みの種となり、不良債権として忘れ去るにはあまりにも多額すぎて、むしろ全力を挙げて債務者が破滅しないように努めることになるらしい。

とは言うものの、女と金についての話は、一般人にはとても信じがたいところ。それだけにカエサルは桁外れであったのだろう。