ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

ライバルをつくれ

2008年02月28日 | 審査・コンサル
今週前半は信州上田(街のそこ此処に六文銭のマークを見る)にて運搬会社の更新審査でした。そのときの印象に残る一場面をご紹介します。若い社員が顧客先にて荷物を引き取る様子を観察し、インタビューを通じて現場におけるEMSの運用状況を確認する際のエピソードです。

この日は、2トントラックで3種の商品を受け取る仕事です。先ず顧客の正門近くで1立米ほどの定型容器に入った約1トンの商品を容器ごと、ユニックという小型クレーンで吊り上げて荷台に積み込みます。
次いで、比較的柔らかな部品のような商品が入った1立米ほどの大きさのフレコンバッグをユニックで吊り上げて先ほどの容器の隣に積み込みます。
 その後、トラックを工場裏手に移動させ、バラの部品を荷台に積み込みます。この場合、バラの部品が1立米ほどの鉄製容器に収められていて、その上蓋を外し、容器ごとユニックで荷台まで持ち上げ、荷台の上で容器を転倒してバラのまま落として荷台の空いている部分に積み込みます。

この一連の作業を見ながら私に付き添っているガイド役の先輩社員に尋ねました。「あなたも同じ順番でされますか?」と。すると、「いいえ、私は逆の順番でやります。最後にやった作業がもっともやりにくい作業なので、荷台に何も置かれていない最初の段階ですべきです。」と。

そこで「若い社員に一定の力量を認めてこの仕事を任せていますが、十分習熟していないということは、社員によって仕事の効率や質のレベルに違いがあるということですね。」と尋ねました。「そのとおりです。私は過去に先輩に『ライバルをつくれ、そのライバルを超える努力をしろ』と言われてきました。」との回答でした。

そのことを受けて、審査報告書では次のように伝えました。「ユニック作業など一定の力量がないと任せられない作業を洗い出し、トップランナー方式などによりその力量の向上を計画し、実施し、その効果を評価することで教育・訓練のPDCAをまわし、業務効率や業務の質の向上を図ることは改善の余地がある。」と。

ISO14001:4.4.2項の教育・訓練にもPDCAの要素が含まれていることを知ってほしいと思って指摘しました。

写真はホテルの窓から見た昨日朝の上田駅です。このブログは浜松へ向う新幹線の中で書きましたが、何かと遅くなり夜中の発信なってしまいました。

注目ニュース 080210-080223

2008年02月26日 | 週間ニュース:ピックアップ
○(経0222企業総合9)日本経済新聞は金属や樹脂の高騰で食品容器
の減量化やリサイクルを加速とビールや即席麺の事例を紹介

◇(経0222国際7)仏トタル(石油大手)は年内に仏南部の発電所を改
造し二酸化炭素地下注入試験を開始,独オーエンやRWEも注入施設
建設へ

◎(経0222テクノロジー15)古河電池と豪州の連邦科学産業研究機構
は鉛蓄電池とキャパシターの組み合わせで電池寿命を走行実験で4倍
に向上することを確認,ニッケル水素電池の3割のコスト

◎(刊0222建設13)大成建設は自然データにより飛来可能な誘致したい野鳥に
適した環境を植栽で創り出す緑化手法を開発

◎(経0220企業13)日本コカコーラは廃熱利用ヒートポンプやLED照明,ノン
フロン冷媒など使用の環境配慮型自販機を発表,省エネで電気量40%削減

◎(刊0221日物流15)JR東海は酸化ニオブを光触媒に使ったガラスの製造技術
を開発,はがれにくく汚れも付きにくい,洗車ブラシに強く,鉄道車両に採用

◎(刊0221環境13)OKIは研究グループ全従業員の使用済みユニフォームを
リサイクル,帝人ファイバーでポリエステル繊維に再生しチクマが完全循環型ユニフォー
ムを縫製しOKI研究グループに再納入

◎(刊0219環境13)OKIデータは福島事業所で外部部材倉庫を撤廃し,工場内
部に確保した在庫スペースに統合し工場での生産効率向上と工場倉庫間の輸送廃止
効果で二酸化炭素排出量を72%削減

○(刊0219情報通信11)日本ヒューレットパッカードはITを使い地球環境を保
護するグリーンITへの取り組みを強化,省エネブレードサーバーの導入提案や空
調最適化省エネサービスを08年中に提供開始

◎(刊0219表紙1)三菱総研は日本海の大和堆でホンダワラを大量に養殖し海藻か
らバイオ燃料やウランなどの希少金属など回収する構想を打ち出した,実現のため
コンソーシアムを4月に発足させる

◎(経0216夕刊3)日本経済新聞はアーバンBiz面で自分のマイ箸を持ち歩き,
割りばしの無駄使いを減らそうとする動きが広がっていると,携帯用のデザイン
や専用袋が充実と,飲食店で伊豆荒井や保管のサービスも

○(経0215環境15)西宮の松下電工化研は近隣の小学校で出前の環境教室,手
まわし発電機で蛍光灯と白熱球を比較など

◎(経0211科学17)青山学院大学や東京大学,名古屋大学の研究グループは
カーボンナノチューブが超電導現象を起こすことを確認,-253度Cで

信州上田市にて、審査の合間に。

環境ニュース 080216-08024

2008年02月24日 | 週間ニュース:ピックアップ
◇(経0222夕刊19)環境相は再生紙偽装問題で,責任重大で国民が納得する
けじめをつけることが不可欠などと,経営責任は各社が判断することとの考え
○(刊0222環境10)日本製紙連合会は古紙配合率偽装防止策として分析表や
品質規格書の明示を義務化などの制度案を策定
●(経0221企業総合11)製紙会社18社は古紙配合率偽装に関する調査報告
書を経済産業省と環境省に提出,王子製紙は80年代から偽装,日本製紙は調
査中,北越製紙は社長が引責辞任へ

●(経0222経済5)経済産業省は業務用エアコン,ブロードバンドルーター,
家庭用大型エアコン,L2スイッチを省エネ規制に追加,政省令改正し今夏施行

●(経0222企業13)日本経済新聞社は第20回企業イメージ調査結果を日経
産業新聞に発表,環境配慮企業の1位は11年連続でトヨタ,東京電力やホンダ
東京ガス,シャープ,良品計画が上位に

◎(経0222夕刊3)経済産業相は温暖化ガスの排出権取引制度も目標設定で
セクター別にベンチマーク方式が最良との見解,環境省は検討開始を歓迎
●(経0220表紙1)経済産業省は民間企業などに温暖化ガスの排出量上限を
義務付け,排出量の売買で過不足を調整するEU型排出権取引の導入を検討へ
方針転換<米の動きで,見苦しい>
●(経0219国際9)日本経済新聞は米大統領選挙で民主党候補が2050年まで
に90年比で温暖化ガスの排出量を80&削減,共和党候補も削減法案を準備と,
政策が激変を予測
●(経0216夕刊2)国際エネルギー機関は米国のエネルギー政策<の妥当性>に
ついて検証し,温暖化ガス削減の観点から不十分との判断を示した,最近成立の
包括エネルギー法も手ぬるいと

○(経0219社会39)厚生労働省は食中毒発生で都道府県が同省に届け出る原因物質
に9タイプの細菌のほか新たに化学物質を追加するなどの再発防止策をまとめた

○(経0218社会38)厚生労働省は食品に残留するメタミドホスなど有機リン系
の農薬の試験方法を事務連絡,日本生協連はより精密な検査を実施,日本経済
新聞は異なる基準を指摘

●(経0216夕刊13)日本経済新聞は冬の東京湾の海水温が2度上昇し南方産
のミドリイカガイ(貝)越冬が多く観察と,地元漁協はノリの養殖への影響を懸念と

環境ニュース 080210-080216

2008年02月23日 | 週間ニュース:ピックアップ
ニュースソース側のシステムトラブルの復旧が十分でないため、1週間遅れでお届けします。

◎(経0216表紙1)日本経済新聞は環境力第6部地球企業の条件(4)で旅行・
買い物で排出権<カーボンオフセット>が小口利用可能となりヒット,システム
活用が経営を変える,もっと活用をと


●(経0216国際7)国連と国連国際パートナーシップ基金(欧米の投資家連合)
は地球温暖化に関する行動計画を共同発表,米証券取引委員会に対し企業の環境
対策や対策コストなど開示義務付け要求

●(経0216企業総合9)王子製紙,日本製紙,東海パルプは古紙以外に綿やケナ
フ,ガバス,竹などの配合率も偽っていた

◎(刊0216企業総合9)日本製紙連合会は再生紙の表示問題で検討委員会を開催
し,古紙の配合率に応じて4段階で区分の報告,定義の明確化で混乱回避,実数
表示も

◎(刊0214環境11)環境省は再生樹脂の偽装問題で日本プラスチック工業連盟
など22の関連工業団体に実態調査を要請した
(偽装続発、開いた口が塞がらない)

●(経0213総合3)欧州連合は2011年をめどにEU並みの温暖化対
策を取らない域外国からの製品輸入を規制する方針,輸入企業に排出権購入
義務化や炭素関税案浮上

◇(経0213経済教室25)京都大学の諸富徹准教授は経済教室欄の排
出権取引導入の視点(上)でキャップ方式の導入急げ,自主計画には限界と,
排出権取引で3類型の利点欠点を紹介

◎(刊0213環境12)印刷インキ工業連合会は会員60社中12社
でアメリカ大豆協会のソイシール,日本環境協会のエコマークの表示をし
たシンク製品の一部に基準を満たしていない製品があったと

◎(経0211表紙1)日本経済新聞は環境力第6部地球企業の条件で二酸化炭素
排出削減は(最重要)経営指標と松下電器,新日鉄は省エネで最王手ミタル
に対抗,各国は日本のトップランナー制度に注目

●(経0211科学17)環境省は企業や自治体の公害対策経験者退職者を中心に
途上国支援の参加者を募集,国境なき環境協力団,来年度支援ニーズ調査,
09年度から派遣の方針

孫たちとの週末080221

2008年02月22日 | Granddaughter
火曜日と水曜日は札幌での審査。木曜午前は市川でコンサル、その後2時過ぎに孫たちの待つ長女の家へ迎えに行きました。孫たちのパパは仕事でこの週末家に帰れないので、我が家へ遊びに来ることになりました。大歓迎です。

この時間帯は電車も空いているので、孫娘は京成線では椅子に座れ、京浜東北線では荷物バックに腰掛けることで余り疲れることも無く浦和に到着しました。弟はまだ乳母車で移動です。

浦和東口でお婆ちゃんが出迎えてくれ、駅前のパルコ1階にある「コールドストーンクリーマリー」でおやつを購入し、冷たい石の上でアイスクリームをミックスする様子を見学。

実は、この週末もかなり多忙ですが、孫たちとの時間を何とか優先して楽しく過ごしたいと思っています。



2月は多忙

2008年02月18日 | Granddaughter
企業にとってニッパチといえば、忙しくない時期の代名詞です。反面、審査やコンサルにとっては多忙時期になります。顧客は本業以外に気を配る余裕があるこの時期に審査やコンサルを受ける傾向が高いからです。

昨日高山のコンサルから帰って直ぐに旅支度を整え、月曜日の今日夕方には札幌に飛びます。火曜日と水曜日は審査です。今年の札幌の降雪状況はどのような状態でしょうね。

三人の審査員で市中にある本社のほか、郊外にある四ヶ所の工場を審査します。雪が厚く積もっていると移動も大変ですし、現地にて寒い中で工場周辺の様子を見て歩くこともままならない状況もあり得ます。

寒くて風雪が強かったりすると、手がかじかみ審査チェックリストにメモするのも大変です。晴天を祈りながらANAで旅立つことになります。

写真は出発前の羽田の様子です。

背中にアイスクリーム

2008年02月16日 | 旅先にて
明日午前は高山で継続コンサルの仕事。そのため先ず14:13東京発の「のぞみ35号」で孫家へ向かう。顧客から電子メールで届けられていた明日のための30枚ほどの資料に目を通し終え、浜名湖の景色を見ているときのことです。

左の肩甲骨あたりが急に冷たくなり、オッヤと思って振り返り座席ヘッドカバーを見ると緑色のペースト状のものが二ヶ所に付いている。下の部分はべっとりした状態になっている。

後ろ座席の乗客を見ると、3歳くらいの女の子が抹茶アイスを夢中に食べている。その脇に若い母親と父親。この両親も何が起きたかを気付いていない。

そのときすぐに事情を察しました。新幹線車内販売のアイスクリームを食べたことがある人ならご存知のはず。よく冷えていてとても硬く、すぐ食べようとしても付属の木のスプーンがなかなか機能しない。

取り分け小さい子には気の毒。きっと必死になって硬いアイスクリームと格闘したに違いない。その結果、一部が力の余り跳ね上げられ、全席の私のところまで飛んで来たに違いない。でも私が覗いたときはようやく軟らかくなり堪能中だったに違いない。

乾かないうちに着替えたり、洗ったりする場所やタイミングが取れないので、彼女の母親にウェットティシューでべとつかない程度にふき取ってもらい、一件落着にしました。

抹茶アイスが乾くときっと染みが取れないだろうなと一瞬思いました。でも、それよりも、その女の子は我が家の孫娘と歳、格好がそっくり。とても人事とも思えなかった、と言うわけです。

写真は高山線の美濃太田手前、木曽川沿い。見ての通り、単なるアリバイ写真。

高山のホテルにて


櫻家の鰻

2008年02月14日 | 旅先にて
第1日の審査が終わりホテルに帰ってすぐ、三島広小路にある「櫻家」へ仲間の審査員を誘って出かけました。昨日は水曜日でしまっていて、出かけても肩透かしを受けたましたが、今日はお店が開いていました。

うな重(¥2,620)を注文しました。流石にまったく臭みの無い鰻。身はふっくらとしており、味は上品で、それでいて濃くのある、味わい深いおいしい鰻でした。ついて来た仲間の審査員も結構鰻好きで舌が肥えていますが、「この店は当りですね」といっていました。流石、創業安政元年というべきでしょうか。

詳しくは、以下のHPをご参照ください。
http://www.sakura-ya.net/
忙中閑ありならぬ、忙中美味ありといったところでしょうか。


三島のうなぎ恋いし

2008年02月13日 | 旅先にて
このところ担当する審査は、登録後6年を経た第2回目の更新審査のリーダーが続いています。組織がISO14001の仕組を生かし経営に役立てているなら如何にそれを支援できるか、もしそうで無いなら組織の弱点はどこにあり克服するための指摘としては何が可能かを模索する状況が続きます。

著名な大企業だったり、中小企業であったり、はたまた地方自治体の公社であったりと対象組織は様々です。審査に入る前の準備段階でも神経を使います。過去の記録をたどり、今の活動とのつながりや組織の考え方を整理する必要があるからです。

ところで、明日からはそうした例の一つ、三島にある企業の更新審査です。せっかく三島に来たので、日本で最もおいしいといわれる鰻を楽しもうと思っています。三島では富士の伏流水が豊富。その伏流水で育てた鰻が最もおいしいといわれている。

しかし、残念。今日は水曜日。有名な「うなよし」、「桜家」、いずれも休みでした。せっかくホテルから20分も歩いて出かけて行ったのに。でも、一つ気付きました。三島はJR駅付近よりも、伊豆箱根鉄道で一つ目の「三島広小路」付近が最も繁華であるらしいことを。おいしい鰻屋もその近くにあるのです。明日こそ楽しみましょう。

写真は三島駅近くで新幹線車窓から見た17時頃の写真です。

注目ニュース 080203-080209

2008年02月09日 | 週間ニュース:ピックアップ
今回から週間環境ニュースを二つに分けて紹介します。
この「注目ニュース」では、効果が期待できそうで注目したい環境に有益な技術や取り組みを紹介します。別報の「環境ニュース」では従来どおり政治・経済・社会的な視点も交えながら環境上懸念されるニュースを紹介します。

○(刊0208中堅31)三重の大橋建設は日本グリーンなどと共同出資でバイオ
エタノール製造プラント販売の新会社を設立,岐阜大学などの研究グループ
が開発した酵素で雑草などからエタノール

◎(刊0208科学技術28)東芝は1チップで16GのNANDフラッシュメモリ
ーを開発,3月から量産開始,チップ面積3割低減

○(経0207夕刊1)岐阜県土岐の山津製陶は破損陶器を微粉砕して原料に混入
して陶器を生産,食用陶器に20%混入し二酸化炭素排出量3%減

◎(刊0207環境14)清水エスパレス(プロサッカー)はゲーム開催に伴う二
酸化炭素5年分の排出権を取得のため三井住友銀行と信託契約,試合時の電
力とシャトルバスを対象に,ワールドカップ参考に

◎(刊0207環境14)宝酒造は4月から体験学習のTaKaRa田んぼの学校を開
く,千葉県で年4回,小学生とその家族,田植・草取り・収穫・恵み編

○(刊0207自動車5)日産はバイオ燃料の普及を目指す北海道十勝でのE10
(エタノール10%含有ガソリン)実証プロジェクトに参加,対応車の技術認
定を国土交通省から取得

○(経0206全面広告38)ブリジストンは溝が浅くなったタイヤのゴムを張り
替えてリトレッドタイヤ(更正タイヤ)にして再利用と全面広告,原材料が
3分の1に削減

◎(刊0206環境14)千葉県東金のマックはフロンガスの代わりにプロパンガ
スと二酸化炭素の混合冷媒を使った業務用冷凍システムを開発,発売へ,消
費電力を20%改善,引火対策実施

○(経0205消費31)ザプリンスパークタワー(ホテル)は宿泊費の一部で温
暖化ガス排出権購入の宿泊プランを発売,ホテル側も同額寄付と

○(刊0205エレクトロニクス7)川口のエプセルはLEDを使った冷凍倉庫用照
明を発売,発熱少なく長寿命,低消費電力で冷凍電力負荷が低減

◎(経0205企業15)コネクトリプロは使用済み携帯端末の液晶ディスプレー
をネットで販売へ,端末はリサイクル会社から購入,自社で検査,市場開拓

●(経0204夕刊1)八戸工大は衛星データから地上の温度変化を利用した不法
投棄場所の探索システムを開発

○(刊0205自動車4)日産は自社のカーナビ向けにエコドライブの指南サービ
スを追加

○(経0204列島28)大阪府はバイオエタノール3%混合ガソリンを輸送用燃
料に利用する実用化実証事業を5月から一般家庭用車両に拡大,供給スタン
ドも拡大

環境ニュース 080203-080209

2008年02月09日 | 旅先にて
今回から週間環境ニュースを二つに分けて紹介します。ここでは従来どおり政治・経済・社会的な視点も交えながら環境上懸念されるニュースを紹介します。

●(経0209社会34)公正取引委員会は自動車用省燃費グッズを科学的根拠
なく効果ありとうたって製造・販売した19社に表示中止や再発防止を命
令,ソフト99やすばるメディアなど

●(経0209表紙1)三井化学グループは事務用ファイルの表紙などに使われる
再生樹脂で再生品の配合率を偽って出荷していたと発表,99年以降の製品
の8割,配合率0も6割(9ページに掲載)

●(経0209社会34)印刷インキ工業連合会はエコマークやソイシール認定を
受けた加盟企業のうち半数の14社が基準を満たしていなかったと経済産業
省に報告,新たに大日精化など8社(自己宣言、自己申告制は機能しない)


●(経0208経済5)環境省と経産省の合同審議会は京都議定書目標達成に向
けた最終報告をまとめた,政府や自治体,企業が削減策を着実に実行すれば
達成可能と,計画に反映へ

●(経0208社会38)世界保健機関(WHO)は世界各国のたばこ規制に関する包
括的報告書をまとめた,日本は先進国では価格が安く喫煙率が高い,倍の開


●(経0208金融7)金融庁は07年3月期の有価証券報告書の審査結果を発表
,企業統治の項目で記載漏れが約5割,注意喚起の上訂正報告書の提出を要


◎(刊0206総合2)財政制度等審議会の会長は道路特定財源の使い道で環境へ
の配慮に使うのも一方法と個人的見解,国家財政の状況から収入を維持しつ
つ使途を考えるのが筋と

●(経0206社会43)ジェイティフーズは昨年11月に微量のトルエンを輸入
ギョーザから検出したが,回収や公表などせず,別の輸入ギョーザでジクロ
ルボスを検出,届け出も公表もせず

●(経0206社会42)大日本インク化学,日本新聞インキ,東洋インキ,東京
インキ,サカタインクス,ザインテックはエコマークやソイシールの認定基
準を満たしていないインクを一部販売と発表

○(経0205総合2)首相は環境問題を議論する首相官邸直属の本部を近く設置
する方針<環境省はどうした>

◎(経0205社会38)環境省はグリーン購入法の見直しで来年度は紙製品の古
紙配合率の基準緩和を見送る方針,再生紙偽装問題で全容解明が不十分なた
め,大手製紙メーカーに追加調査を要請

●(刊0205環境13)神鋼環境ソリューションは塩ビリサイクル事業を見直し
へ,廃塩ビが中国への輸出拡大で集まらずリサイクル工場の稼働率が低迷し
<塩ビよお前もか!>

◎(刊0204総合2)経済産業省はグリーン電力証書の認証や取引ルールを定め
るガイドライン作りに着手,5月までにまとめる<今頃>

●(経0202夕刊10)国土交通省は軽自動車検査協会が新車の車検証に記載す
る燃費基準レベルを実際より高く記載していたとして厳重注意し再発防止を
指示,36万台で5-20%高く表示

◎(経0203社会34)内閣府は科学技術と社会に関する世論調査の結果,資源
エネルギー問題や地球環境問題が科学技術の発展で解決とみている人が62
%と3年前の倍<自己努力否定で願望も>

古紙配合率偽装:検証可能な報告書は提出されるか

2008年02月07日 | 温暖化/環境問題
古紙配合率偽装に関しては、ISOマネジメントシステム審査員の立場上も非常に気になる事件です。まずは審査機関の対応以前に政府はどのように対応するのでしょうか。最近の政府の対応をNET上の記録でレビューすると以下の2件が印象的です。

1. 再生紙に含まれる古紙の配合率を製紙会社が偽装していた問題で、経済産業省は30日、偽装を認めた18社に対して、来月20日を回答期限とした追加調査の実施を文書で要請した。(2008年1月30日20時31分 読売新聞)
2. 今回の偽装問題の全容解明が不十分なため、再生紙の古紙配合率偽装問題を受け、政府は5日の閣議で、グリーン購入法に基づき義務付けられている中央官庁などで使用するコピー用紙の古紙配合率について、4月からの引き下げ方針を見直して、現行の100%に据え置くことを決定した。(東京新聞 2008年2月5日 09時49分)

この原因は、例えば、王子製紙の2008.01.08発表の報告書「古紙配合率に関する調査結果について」
http://www.ojipaper.co.jp/release/cgi-bin/back_num.pl5?sele=4&page_view_selected_=1
でしょう。更には、この種の内容を検証せずに、ただ取り纏めただけの業界の報告など、これらの報告が到底真実とは思えないからでしょう。

「真実と思えない」と言うのは、公開された情報が検証可能ではないからです。今時、あのような根拠不明な報告で政府や国民が納得するとでも思っているのなら、時代錯誤も甚だしいと言うべきでしょう。

ちなみに、王子製紙のHPにある「環境への取り組み」では、「古紙利用の現状」で古紙利用率は公表しているが、単なる事実の一面に過ぎなくて検証可能なデーターではない。

又、「王子製紙グループ企業行動報告書 2007年版」でも製品に古紙がどのように使用されているかの詳細なデーターは公表されていない。しかもこの報告書は大和総研の主任研究員なる専門家とおぼしき女性が第三者意見(簡単に言ってしまえば、単なる感想文に過ぎない)を表明しているが、この報告書が第三者によりデーターの網羅性や信頼性に関する検証を受けたとの記述はない。

「書けない事情があるから載せていない、真実を隠しているから第三者検証を受けない」報告書なのではないかと疑いたくなります。

製品を分析しても古紙配合率を調べられないと言う。そのことが偽証にブレーキを掛けにくくしたように思えます。でも、製造段階のデーターを用いれば検証できるはずです。どの製品にどれだけ古紙を配合し、どれだけ製造したかを製品・グレードごとに集計する。その一方で、全体として原料としてのバージンパルプと古紙をどれだけ使用したかのデーターとを照らし合わせれば真偽の程が分かるのでは?そのデータの開示が求められているのではないでしょうか。

昨年の各社の各工場における「ばい煙濃度データーの改竄事件」といい、非常に残念なことに、王子製紙はじめ業界全体がコンプライアンスの意識がまだまだ低すぎるように思えてなりません。政府や審査機関は今後どのように対応するのか注目しようと思います。

能力開発:CPD

2008年02月05日 | 審査・コンサル
専門分野の業務に従事する者は、能力が錆付かないように継続的な能力の維持・向上が求められています。CPD(Continuing Professional Development)と言い、技術士会では「継続研鑽」、ISOの世界では「継続的専門能力開発」と訳しています。前者では年間50時間、後者では15時間以上の実績報告が求められています。

実績の例として、技術士会では、①研修会、講習会、研究会、シンポジウム等への参加、②論文等の発表、③企業内研修及びOJT、④技術指導研修会、講習会の講師等、⑤産業界における業務経験などを上げています。

今週は、火曜日から金曜日までの4日間、「日本産業廃棄物処理振興センター」が開催する講習会に参加していますが、言わば「継続的専門能力開発」に取組んでいることになります。

講習会の目的は、これから産業廃棄物の収集・運搬業や処理業の許可を受けようとする方などが、産業廃棄物の適正な処理を行うために必要な専門的知識と技能を習得することです。この講習を受け、修了試験に合格すると業の許可申請が可能になります。

私の場合は、業を始めるためではなく、廃棄物に関する法律や関連技術の理解を深めることで、ISO14001の審査の場で顧客の廃棄物に関連する環境リスクの削減や管理に寄与することであり、審査の付加価値を高めたいとの思いによるものです。

実は、58歳で独立するときまでには様々準備を重ね勉強したので、独立後は試験なるものを受けることは無いだろうと思い込んでいたのです。しかし、その後の世界的な流れとして専門職に対するCPDの重要性が叫ばれ、技術士や審査員を続ける限りCPDの実績報告が求められ、何歳になっても勉強会や試験からは開放されることはなさそうです。

頭が固くなる暇が無く、むしろ、喜ぶべきことなのでしょうね。

環境ニュース 080127-080202

2008年02月02日 | 週間ニュース:ピックアップ
●(経0201夕刊3)環境省は京都府を温暖化ガス削減モデル地域に指定し,協
力して各家庭の電気代等を削減した分をポイント化,協賛企業が負担し,そ
の分削減とみなす仕組みを今秋にも運用

◎(経0202企業総合11)日本製紙連合会は第三者の立ち入り確認のための古
紙配合率点検項目を3月までに作成,製品化後の科学的検証困難性から,そ
のうえで再生紙の定義など決定する

●(経0201夕刊1)生協連コープネット事業連合は千葉市のコープ花見川店で
昨年末購入のギョーザから130ppmのメタミドホス(有機リン系殺虫剤)が検
出されたと発表,冷凍ギョーザで中毒発生,中国製

●(経0202社会38)ザ・インテック(大日本印刷系)は基準外のインクにエ
コマークを表示,石油系溶剤30%未満が条件なのに品質優先でと釈明<ほ
かにもあるのではと疑念誘う>

◎(経0201夕刊7)農林中金の中川洋特別参与は十字路欄で企業監査のインセ
ンティブのねじれが監査法人などの見直しで話題にと,監査対象の経営者が
監査契約し報酬を決めている問題をねじれと

●(経0201表紙1)政府は温暖化ガス削減で中印などからODA通じ排出権獲
得へ,市場より安く購入で財政負担抑制,各国と交渉を本格化<国内対策も
お忘れなく>

◎(経0201企業11)王子製紙,日本製紙など大手製紙5社は再生紙の古紙配
合率偽装で陳謝する共同声明,各社が総額10億円を拠出し間伐材の利用な
ど社会貢献を実施<本音は損失軽減策>

◎(経0131表紙1)全日空は08年度から4年間に6000億円を投じて燃費
効率が良い新型機を60機あまり購入,更新ペースをあげて半数を新型機へ
,燃料費負担1割軽減

◎(経0131首都圏39)横浜市は5月からごみの分別を守らない市民や事業者
に過料2,000円を科す条例適用開始,市民に3回注意後も1年以内に違
反には,事業者に2度注意しても従わないと公表

●(経0131企業13)リコーは環境省の偽装品継続利用策について,表示との
かい離が大きい商品の販売はできないと,日本経済新聞は自治体などまとめ
買いで再生紙の需給がひっ迫と市場混乱を報道

◎(経0129夕刊22)政府は地域活性化統合本部の会合を開催し環境や生活者
の視点を重視した都市づくりを目指した都市と暮らしの発展プランを了承,
環境モデル都市10か所に財政支援など

●(刊0129表紙1)経済産業省は環境ISOなどマネジメントシステム規格を
取り消された企業名を公表する方針,3月に信頼性確保のための指針を策定
,認証基準の緩い機関からの再認証不能に