般若心経 《 「集諦」「滅諦」「道諦」――松原泰道 》

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煩悩は、貪(むさぼ)りや愛欲や瞋(いか)りなど、私たちの身も心もくたくたにさせる好ましくない心情の総称です。さらに、悲しいことに私たちはこの心情に執われて、その虜になって逃げ出せないのが実情です。


『わたしの般若心経』
（ 松原泰道、祥伝社 (1991/07)、p254 ）
7章 無明(むみょう)――人間の苦悩はどこから生じるか
(2) 四諦(したい)・八正道の智慧
無苦集滅道　無智亦無得
むくしゅうめつどう　むちやくむとく

◆「集諦(じったい)」「滅諦(めったい)」「道諦(どうたい)」

四諦の第二は「集諦」です。苦は「無明から生じる煩悩が集積され集合されて生じる」という意味です。つまり苦の原因となる真理を示すのが集諦です。

煩悩は、貪(むさぼ)りや愛欲や瞋(いか)りなど、私たちの身も心もくたくたにさせる好ましくない心情の総称です。さらに、悲しいことに私たちはこの心情に執われて、その虜になって逃げ出せないのが実情です。

しかし何としてでも、この苦の原因を整理し整頓しなければならない。またそれは可能だという真理が、第三の「滅諦」です。そして無明や煩悩を整頓する道（方法）が、四諦の最後の「道諦」で、その実践の徳目が八項目あるので、八正道（八つの正しい道）と名づけます。