電脳筆写『 心超臨界 』

自分を励ます最良の方法、それは人を励ますこと
( マーク・トウェイン )

叶うまで諦めないからこそ夢が叶う――石黒由美子さん

2010-11-28 | 03-自己・信念・努力
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『致知』12月号、p44 】
インタビュー(2) 叶うまで諦めないからこそ夢が叶う
石黒由美子・北京五輪シンクロナイズドスイミング日本代表

幼い頃、交通事故で瀕死の重傷を負った
石黒由美子さん。だが彼女は入院中、
「シンクロで五輪に出る」と発心し、度重なる
後遺症に悩まされながらも、2008年の北京五輪で、
見事その夢を叶えてみせた。長年抱き続けた
彼女の夢を実現させた原動力とは
何だったのだろう。
その軌跡を伺った。


  石黒由美子(いしぐろ・ゆみこ)
  昭和58年愛知県生まれ。小学校3年でシンクロナイズドスイミン
  グを始める。平成14年愛知県立日進高等学校卒業、20年北京五
  輪にシンクロ日本代表として参加し、チーム5位入賞。同年愛知教
  育大学卒業、21年同大学院卒業。同年神戸大学大学院入学。並行
  して現在、兵庫県西宮市立香櫨園小学校、大阪府高槻市医師会看護
  専門学校で教鞭を執る。著書に『奇跡の夢ノート』(NHK出版)
  がある。

(上記記事より抜粋)

――石黒さんは8歳の時に交通事故に遭われ、様々な後遺症を抱えながらも、「シンクロで五輪に出る」という長年の夢を見事に叶(かな)えられたそうですね。

【石黒】 北京五輪からもう2年が経ちます。いまはシンクロを引退しましたが、「夢を諦(あきら)めない」といったテーマで講演をしたり、小学校の非常勤講師や、大学院で運動心理学の勉強などをしています。

私は高校生の頃から、特にスポーツ心理学に興味があって、自分がアスリートとして強くなっていくためには、メンタルの部分が不可欠であることに気づいて勉強するようになったんです。


――事故では大変な重傷を負われたと伺っています。

【石黒】 顔面粉砕骨折に眼球打撲、網膜剥離(もうまくはくり)に手足の骨折……。顔面を540針縫う大手術もし、事故前の記憶もすっかり消えてしまっているんです。ただ、私自身はそれが悲しかったり、落ち込んだりという気持ちは全然なくて、入院生活を凄く楽しんでいましたね。

入院生活をですか?

【石黒】 はい。学校を一日中サボって、お母さんと一緒にいられるって最高だなって(笑)。母がとても忙しい人だったので、そばにいてくれること自体が凄く心強くて、それだけでもう幸せでした。

それに母は私のしらないうちに病室の鏡を全部取り払っていたので、私は自分がひどい顔になっていることも知らず、それに気づいたのは1年以上も先のことでした。


【石黒】 それと、私は小さな頃から「夢ノート」というものを母の影響でつけていたんですが、そこにきょうクリアすべき課題を、かなり細かく書くようにしていました。

きょうこの部分のここを習得するとか、1週間後、こんな感じになっているようにするとか。これは毎日、朝晩書くんですが、1日が終わると次の日の課題が見えてきますよね。でも寝るとたいがい忘れるので、朝、改めて1日どう過ごすかを考え直して、毎日毎日勝負を懸けていってました。何となしに進むという日は、1日もなかったと思います。

――日記とはまた違うのですね。

【石黒】 日記と違うのは、きょうあったことを綴(つづ)るのではなく、それを受けて自分はどうしたいのか、何をしなきゃいけないかを書いている点ですね。「いまできていないこと」はいいんです。大事なのは「その後」のことなんですよ。

それから、夢が叶うと、叶った内容の上から赤ペンで線を引き、「ありがとうございました」と書き添えました。感謝したところから次のステップが始まる。何事も当たり前のことじゃないんだよ、というのが母の教えでしたので。

――夢を叶えるために必要なことは何だと思われますか。

【石黒】 第一に明確な目標があること、第二はそれを支えて励ましてくれる人の存在です。この二つが絶対条件で、どちらか一つが欠けるとできないんですよね。五輪に出たシンクロのメンバー全員にもこのことは共通していました。

ただ、この二つが揃(そろ)っていても、全然いい成績が出なかったり、そういう持続の心を引き裂くような結果に出遭うことがよくあります。

でも実は、発心、決心をした瞬間に、その夢の半分以上、いや、8割から9割かなっていると言っても、過言ではないと思うんです。もう本当に、あと一歩か二歩行ったらそこを越えられたかもしれないのに、まだ姿が見えてないばっかりに、途中で諦めてしまう。そこを確信できるかできないかは、もう自分の気持ち一つなんですよ。

――こちらの気持ち次第ですか。

【石黒】 人生というのは、自分で決めたとおりの道を行くんですよ。これは脳科学の分野でも証明されています。「自分はこうするんだ」という思いが潜在意識に植えつけられた瞬間に、脳はそのとおりに動いていくんです。逆に「できない」と思い込ませてしまえば絶対にできるわけがない。

だから脳にインプットをする瞬間に、発心、決心をして、「私はこれをやる!」と思えば、その時点でもう8割か9割は叶っているんです。それが結果として現れるか否かは本当にあと一歩。その日がいつ来るかは分からない。でも必ずくることが分かっていれば、何も怖くないんですよ。

いまはごく小さな単位ですが、自分の経験を交え「夢を諦めなければ必ず叶うんだ」ということを一人でも多くの人に伝えていきたい、語っていきたいと思いますね。

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