電脳筆写『 心超臨界 』

ひらめきを与えるのは解答ではなく質問である
( ウジェーヌ・イヨネスコ )

「犬のお伊勢参り」は日本文化の象徴――百田尚樹

2024-05-31 | 04-歴史・文化・社会
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お伊勢参りに行こうと働いて働いて、いざ行こうとなったら年を取ってしまって足腰がたたなくなったり、病気で行けなくなったりする人がいるわけです。いまさら江戸からお伊勢さんまで行けない、と。そういう人はどうしたか。自分の飼い犬をお伊勢参りに行かせたんです。犬の首にお参りに持って行く巻物とかお供え物をぶら下げて。


◆「犬のお伊勢参り」は日本文化の象徴

『「日本国紀」の副読本』
( 百田尚樹&有本香、産経新聞出版 (2018/12/28)、p147 )

【百田】 『日本国紀』には、けっこうユーモラスな話も出てくるんですよね。ふつうの歴史の本ではまず出てこないようなエピソードをちりばめています。しかし、そのエピソードは単におもしろいだけではなくて、エピソードそのものが私たち日本人を象徴する話でもあったりするのですよ。

【有本】 日本人とやっぱり日本そのものを物語る逸話ですよね。

【百田】 日本の文化、あるいは日本人の考え方、当時の社会制度も含めて、この「犬のお伊勢参り」はすべてを象徴している。まさに日本でしかあり得ないなというものです。

簡単に言うと、日本は江戸時代に街道整備が行われていました。たとえばイギリスは1800年代の初めごろでも、ロンドンから少し離れた郊外の町にも女性一人では行けないくらい非常に治安が悪かったのです。ヨーロッパはみんなそのようなものだった。でも、日本は1700年代にすでに京都から江戸まで(約500キロ)女性が一人旅をできたのです。街道には宿場町ができて旅籠(はたご)も整い、移動には駕籠も馬もあったんですね。

【有本】 治安がよくてインフラが整っていた、と。

【百田】 そう。気軽に旅をできる環境が整っていたのです。そうして街道が整備されてから流行ったのが「お伊勢参り」です。とにかく一生に一度はお伊勢参りをするといった、みんなお伊勢参りをした。お伊勢参りをするといったら関所もどんどん通してくれます。

ところがお伊勢参りに行こうと働いて働いて、いざ行こうとなったら年を取ってしまって足腰がたたなくたったり、病気で行けなくなったりする人がいるわけです。いまさら江戸からお伊勢さんまで行けない、と。そういう人はどうしたか。自分の飼い犬をお伊勢参りに行かせたんです。犬の首にお参りに持って行く巻物とかお供え物をぶら下げて。

【有本】 路銀もね。

【百田】 そう路銀も、自分の家の住所を書いた札も犬の首にぶら下げて、犬をお伊勢参りに行かせたわけです。犬はとことこお伊勢さんに向かう。すると道中、お伊勢参りに行く人たちが「お前も行くのか、おいでおいで」と犬を連れて行ってくれるんです。

旅籠の人も「偉いね、この犬、お伊勢参りするんやね」と言って、首にぶら下げているお金を旅籠の人がちょっと取ってそれでエサをやる。そしてお伊勢さんに行っておいで、と。さらに親切な人がいて「この犬、偉いねえ」と言って、「私のお金を入れてあげる」と犬の首の袋にお金をいれるんです。

【有本】 出発したときよりお金が増えているんですよね。

【百田】 しばらく行くと犬の首がお金で重くなってしまって、歩けないんですよ。すると「この犬、かわいそう。銀に替えてあげましょう」とわざわざ軽い銀に両替してくれる人もいたのです。

犬は最終的にお伊勢さんに行きます。すると今度はそこにいる人が首についている住所を見ながら、連れて帰ってくれるんですよ。これが記録にいくらでもある。

【有本】 幕末には相当あったようですね。

【百田】 戻ってきた犬はたいてい丸々太っていたそうです。どれだけ親切に扱われたかということですよね。なかには、豚のお伊勢参りもあったんです。これは「さすがに珍しい」と書いてありますけれども。

これはふつうに考えれば笑い話だけれど、私はこの犬のお伊勢参りを知ったとき「これが日本人だ!」と思いましたね。日本でしかあり得ない話です。

【有本】 そうなんですよ。世相もわかりますしね。

【百田】 そう。当時の日本はこんな国だったのかと。動物さえ大事にする当時の人々のやさしさがわかります。西洋では動物は食べるものだったり使役するもの、道具なんですよ。ところが日本では、犬は仲間で、家族同様なのです。

これが日本近隣の某国なら、犬は次の日に食われる。

【有本】 そう。身ぐるみ剥がされてね。犬は当然食べられていると思いますよ。

【百田】 犬をお伊勢参りさせる、みんながそれを助ける。こういう国は、世界中を探してもないですよ。
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