電脳筆写『 心超臨界 』

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ダニエル・パイプス

教えない歴史1 《 万博派遣で経済機構を学んだ渋沢栄一――小笠原幹夫 》

2024-03-02 | 04-歴史・文化・社会
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渋沢は、幕末の動乱期に農民から幕臣になった人です。株式会社(当時の言葉で「合本(ごうほん)会社」といいます)の制度をつくることによって、いわゆる明治の元勲と肩をならべ、近代日本を築く指導者の一人となりました。


◆万博派遣で経済機構を学んだ渋沢栄一――小笠原幹夫

『教科書が教えない歴史』
( 藤岡信勝、産経新聞ニュースサービス (1996/8/1)、p64 )
〈 国づくりの設計 〉

東京・日本橋近くの常盤橋(ときわばし)公園をはじめ、丸の内かいわいに、いくつかの銅像となっているある人物がいます。それは、渋沢栄一です。設立した企業は500、関係した公共・社会事業600にものぼります。渋沢栄一は、今も彼がその基(もとい)をきずいた丸の内のオフィス街を見下ろしているのです。

渋沢は、幕末の動乱期に農民から幕臣になった人です。株式会社(当時の言葉で「合本(ごうほん)会社」といいます)の制度をつくることによって、いわゆる明治の元勲と肩をならべ、近代日本を築く指導者の一人となりました。

大きな商売をするためには、一人の資本家が元手を出すよりも、たくさんの人が集まって資金を出し合って経営する方が有利です。このことは、いまから考えてみれば当たり前な話ですが、江戸時代の日本にはそのような伝統がありませんでした。なぜなら、江戸時代は手工業による小規模な経営が中心で、鉱山、貿易、鋳造(ちゅうぞう)などは、幕府、藩が直接支配していたからです。しかし開国後、製鉄・造船・運輸などの大がかりな産業や大量生産が企てられるようになるとどうしても合同資本による大規模経営が必要となってきたのです。

維新後、渋沢は新政府によびだされ、大蔵省租税正(そぜいのかみ)に就任します。合理主義精神をもつ渋沢は経済機構の改革につぎつぎ手腕を発揮し、洋式製糸工場建設、銀行制度の設立などに力をつくしました。「銀行」という言葉を作ったのも渋沢です。

渋沢栄一は、西欧の経済機構についての知識をもとに上のような改革をおし進めました。でも、どのようにしてその制度を学んだのでしょうか。

1867年(慶応3年)フランスで万国博覧会がり、渋沢は、幕府から派遣する一行に加えられました。幕府はパリ万博への参加、出品と同時に薩摩や長州に対抗して準備を増強するためにフランスのゼネラル・ソシエテ銀行から600万ドルの借金をもくろんでいました。その交渉は経済面に明るい渋沢にまかされました。

しかし、渋沢には借り入れが成立した場合、日本はいったいどうなるのか不安でした。幕府はそれで一時はすくわれようとも、日本そのものは借金のためにみずからの首を絞めて、結局フランスの経済的従属国になるのでは、と。

だが、幸か不幸か、渋沢たちがパリ滞在中に幕府は瓦解します。この間、渋沢はあるフランスの銀行家のもとにおもむき、フランスの経済機構、銀行、取引所、公債、社債などについての知識を深めていたのです。1880年に大蔵省を退職したのちの渋沢は、第一国立銀行を設立、また東京株式取引所を創始します。1882年には、資本金600万円という巨大合本組織「共同運輸会社」(日本郵船の前身)を作り上げました。近代国家の形成期にあって、株式会社という組織づくりに情熱を傾けた一生でした。
(小笠原幹夫)
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