電脳筆写『 心超臨界 』

自然は前進と発展において留まるところを知らず
怠惰なものたちすべてにののしりを発する
( ゲーテ )

不都合な真実 歴史編 《 つかんだ事実をそのまま書けば右翼ということになる――曽野綾子 》

2024-06-21 | 04-歴史・文化・社会
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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『沖縄ノート』では、赤松大尉は島の住民から容赦なく食糧を徴発し、非情に住民に自殺を命じる悪の権化のように描かれている。こんな悪人が軍人にいたのだろうか、という素朴な疑問を抱いて、渡嘉敷島に向かった人がいた。作家の曽野綾子さんである。曽野さんは徹底的に現地を取材し、一冊の本を書いた。『ある神話の背景』(文藝春秋社)である。曽野さんは現地でできる限り多くの住民に直接話を聞いた。そして、軍に自殺を命じられたという話を、一人からも聞くことができなかった。このことをそのまま書いたのである。


「致知」2008年1月号――◎特集◎健体康心 → http://www.chichi.co.jp/
朝日の論点ずらしは 歴史を偽り 未来を歪めるものである
( 連載第143回「歴史の教訓」上智大学名誉教授・渡部昇一 )

(上記記事より抜粋、p117)

鬼のような軍人が
住民に自殺を命じた

沖縄戦に備え、渡嘉敷(とかしき)島には赤松嘉次大尉、座間味(ざまみ)には梅澤裕少佐を隊長とする守備隊が配置された。しかし、アメリカ軍の猛攻に敗北、その上陸を阻止できなかった。その混乱の中で住民の集団自殺は起こったのである。

戦後間もなく、地元沖縄の左翼系新聞が、「鉄の暴風」と題する連載記事を掲載した。その中で住民の集団自殺の悲劇は軍の命令によるものだったと報じた。これが「集団自殺、軍の命令説」の始まりである。

当時は印刷用紙不足が深刻で、書籍の出版は困難を極めていた。当時の出版社は用紙の確保が何よりも大事な仕事だったほどである。

そんな中で「鉄の暴風」はすんなりと一冊の本にまとめられ、出版された。出版したのは朝日新聞社である。そればかりではない。この本はすぐ英訳されている。

この本の後書きで編集責任者が、この本の出版に当たってはいろいろな方面のお世話になったと礼を述べているが、その世話の中身は、用紙を確保できたことにほかならない。戦後間もなくの昭和20年代前半、用紙を簡単に確保する力があったのは、GHQ以外にはない。当時GHQは、日本は徹底的に悪かった、それは軍が極悪だったからだと喧伝(けんでん)し、軍と国民を離間させ、それをテコに占領政策を遂行しようとしていた。この事情を考えれば、すぐに英訳されたこととあわせ、「鉄の暴風」がすんなりと出版されたのはGHQの後押しがあったからだ、と推測するのは容易である。つまり、集団自殺が軍の命令だったとするのは、日本軍の極悪ぶりを印象づけようとするGHQ、すなわちアメリカ占領軍の意図によるものだった、ということである。

その後、アメリカのこの意図を継承し、利用したのが左翼であった。さらに軍の暴虐ぶりを強く印象づける本が出版された。著者はのちにノーベル文学賞を受賞する作家の大江健三郎氏、本の題名は『沖縄ノート』、出版元は岩波書店である。これは「鉄の暴風」に基づいていて、集団自殺を命令した赤松大尉などは、悪鬼もかくやと思われるような人物として描写されている。

こうして、集団自殺の軍命令は、動かないものになっていく。

ただ、これを裏づけるものもあったのである。渡嘉敷島と座間味島で集団自殺した住民は戦死と同様に見なされ国から慰藉金(いしゃきん)が支払われていたのだ。両島の守備隊長であった赤松大尉と梅澤少佐が、集団自殺は軍の命令と認めたからにほかならない。

『沖縄ノート』では、赤松大尉は島の住民から容赦なく食糧を徴発し、非情に住民に自殺を命じる悪の権化のように描かれている。こんな悪人が軍人にいたのだろうか、という素朴な疑問を抱いて、渡嘉敷島に向かった人がいた。作家の曽野綾子さんである。曽野さんは徹底的に現地を取材し、一冊の本を書いた。『ある神話の背景』(文藝春秋社)である。曽野さんは現地でできる限り多くの住民に直接話を聞いた。そして、軍に自殺を命じられたという話を、一人からも聞くことができなかった。このことをそのまま書いたのである。

曽野さんと言えば右翼と見る向きがある。そう見られるようになった最初は、この本ではなかったかと思う。曽野さんは右翼でもなんでもない。ただ本当のことが知りたかっただけである。事実を知ろうとして、つかんだ事実をそのまま書けば右翼ということになるなら、それはそう見る側が事実よりもイデオロギーを優先させる、歪んだ見方の持ち主、ということだろう。
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