電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスではなく
一方が降伏するからである
ダニエル・パイプス

幸せの赤いボールペン――Hさん

2024-07-13 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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立ち直るきっかけをくれたのは内職だった。気分転換にもなるはずだと、通信教育会社から、ペン習字の添削の仕事を請け負ったのだ。子どもの頃から書道を習い、字には自信があった。赤いペンで添削し、アドバイスの言葉を書き入れていく。丁寧な仕事ぶりが評価され、仕事はどんどん増えていった。不思議なことに、忙しくなると、夫との関係は自然に解消された。


◆幸せの赤いボールペン

「お守りの赤ボールペン」〈 複職時代 〉 田中和彦(キネマ旬報社 代表取締役専務)
( 2005.03.26 朝日新聞(朝刊)be on Saturday―― b-usiness )

「これが、夫婦の危機を救ってくれたんですよ」

笑いながら、Hさん(35)はバッグから1本のペンを取り出した。インク切れのありふれた赤のボールペン。彼女にとっては、お守りのような宝物だという。

Hさんが寿退社で証券会社のOL生活にピリオドを打ったのは7年前。昔から結婚したら家庭に入り、子育てに専念しようと決めていた。スポーツジムや料理学校に通い始めたが、夫婦だけの気楽な暮らしをいつまでも続けるつもりはなかった。

だが、3人目の家族が誕生する兆しは一向に現れなかった。心配になって病院の検査をうけたものの、異常は見つからなかった。

抑うつ症状に悩むようになったのは、結婚生活が3年目を迎えた頃からだ。広告会社に勤務する夫とのいさかいも絶えなかった。

立ち直るきっかけをくれたのは内職だった。気分転換にもなるはずだと、通信教育会社から、ペン習字の添削の仕事を請け負ったのだ。子どもの頃から書道を習い、字には自信があった。

赤いペンで添削し、アドバイスの言葉を書き入れていく。丁寧な仕事ぶりが評価され、仕事はどんどん増えていった。不思議なことに、忙しくなると、夫との関係は自然に解消された。

「夫以外にエネルギーをぶつけるものを見つけたのが良かったんですね」

これがきっかけで、人に教える喜びに目覚めたHさんは書道教室を開き、今や50人以上の生徒を抱える。確定申告が必要な個人事業主である。

芸は身を助けるというが、何が人生を変えるかわからない。最初に買ったボールペンはたったの90円だった。

「苦しい時を支えてもらったと思うと、インクが切れても捨てられなくて」

ペンのお守りの御利益なのか、Hさんのおなかは丸々と膨らんでいる。念願の母になる日も近い。
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