電脳筆写『 心超臨界 』

敵を知り、己を知れば百戦殆うからず
( 孫子 )

こころの一冊 《 「ちびっこカムのぼうけん」――後藤啓子 》

2024-06-24 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  人生は良書だと思う
  深く入り込めば入るほどより豊かな意味が見えてくる
  ( ハロルド・S・クシュナー )
  I think of life as a good book. The further you get into it,
  the more it begins to make sense.
  ( Harold S. Kushner, American rabbi, 1935- )


北の北の国の、一年中雪をいただき、火を噴く大きな山のふもとに、カムという男の子が病気のお母さんと住んでいました。この山には誰も登ったことがありません。山のてっぺんに、夜な夜な北の海のクジラをつまみ上げ、火にあぶって食う大男のオニ、ガムリィがいたからです。


「ちびっこカムのぼうけん」
( 神沢利子・作、山田三郎・絵、理論社 )

北国の壮大な自然と宇宙――かいだんぶんこ・後藤啓子
(「こころの一冊」08.05.16日経新聞(夕刊))

1924年生れの作者は子ども時代をサハリンで過ごしました。そこからオホーツク海を隔てて見えるカムチャッカには日本の漁場があり、往来が多く、作者にはとても身近に感じられたそうです。火山の多いこの地が物語の舞台です。

北の北の国の、一年中雪をいただき、火を噴く大きな山のふもとに、カムという男の子が病気のお母さんと住んでいました。

この山には誰も登ったことがありません。山のてっぺんに、夜な夜な北の海のクジラをつまみ上げ、火にあぶって食う大男のオニ、ガムリィがいたからです。

ガムリィは、登ってくる者を誰彼かまわずつかまえて、遠い海にはじき飛ばしました。カムのお父さんも北の海にはじかれ、白クジラにされたのでした。

けれどもこの山には、どんな病気も治すイノチノクサがありました。カムはお母さんの病気を治そうと、「山のオニなんかこわいものか」と登って行きます。兄弟のように育ったカモシカのプルガも一緒です。

途中、金ぴかの大グマに投げ飛ばされそうになったり、大ワシの岩棚、魔物がいる黒い湖と、次々恐ろしい目に遭ったりします。でも、カムは彼らをうまく味方にし、イノチノクサを手に入れるためにはオニの指輪が必要だと教わります。

そして、ガムリィが最も恐れる夜になりました。670年目の、火の山の大釜をかきまぜるガムリィの頭上で、天空の星座、銀河の水をたたえた北斗の大ヒシャクが傾き始めます。水が一滴でも落ちれば、釜の火は消えてしまいます。ガムリィは火を守るのに必死です。北国の自然と宇宙が繰り広げる、スケールの大きな世界です。

「うちの子は私が薦める本は読まないんですよ」とは、お母さん方からよく聞く言葉です。大人は細かい心理描写に目を留めがちです。けれども小学校中学年くらいまでは、昔話のように出来事を積み重ねて語るこのような本に、より親しみを覚えるようです。
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