電脳筆写『 心超臨界 』

変化することは
真の学習がみな到達する最終結果である
( レオ・ブスカーリア )

かけがえのない家族 《 レイチェルを育てた母親の影響 》

2024-08-05 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  世の中でいちばん大切なものは家族と愛
  ( ジョン・ウッドン )
  The most important thing in the world is family and love.
  ( John Wooden )


◆母親の影響

『「気づき」の力』
( 柳田邦男、新潮社、p54 )

レイチェルが生まれたのは、アメリカ北東部の内陸に入ったペンシルバニア州スプリングデールという田舎町、しかも町の中でなく農場を経営する家だったから、森や野原や川で好きなだけ遊べるところだった。誕生日は1907年5月27日。2007年は生誕百年を迎えるのだ。私がレイチェルの本を読み直しているのは生誕百年という時期だからでもある。レイチェルがなぜ『沈黙の春』という歴史に残る本を書くことになったのか、その背景を考えると、自然界の生命ある者に対する限りない愛着がなければ、自然環境の破壊に対して敏感に反応することはなかったのだろうと容易に推測できる。さらに深く考えてみると、敏感に反応するかどうかは、感性の豊かさ如何にかかってくる問題だ。

そう、人生の方向さえ決める心の大事な要素は、感性というものだ。私は最近とみにそう思うようになっている。りんご農家の木村秋則氏についても、そういう眼でみた。

レイチェルの感性の芽生えは、幼少期に遡る。母親は結婚前に教師をしていた知性の豊かな女性だった。レイチェルは3人の子どもの末娘だった。幼い頃から独りでいるのが好きな、どちらかというと“孤独な子ども”で一日の大半を森や小川のほとりで過ごした。

母親はレイチェルが知的好奇心の強い子であることにはやくから気づき、2歳の時から熱心に本の読み聞かせをしたり、一緒に森や野原や川のほとりを探索して、小鳥や虫や花について教えた。それは決して知識を詰めこむような教え方ではなく、自然界がいかに神秘に満ちた美しいものであるかに気づくような楽しい個人授業だった。

象徴的なエピソードがある。レイチェルが5歳の時だ。ある日、アルゲニー川のほとりで独りで遊んでいると、足もとにころがっていた石ころに、暗い色の一筋のうず巻き模様が埋めこまれたように入っているのに気づいた。珍しい石なので、お母さんに見せようと、持ち帰った。母親は「これは化石よ」と言って、地質時代の生物がどのようにして化石になったかを解説した本を持ってきて、レイチェルと一緒に本をめくりながら、探した。そして、海の生物の化石についての頁を見つけると、母親は言った。

「この化石は海の生き物だったのよ」

レイチェルは不思議な感覚にとらわれた。海は見たこともないほど遠くにあるのに、何百万年か前には、ここが海だったとは、その夜、レイチェルはベッドに入ると興奮がおさまらず、なかなか眠れなかった。海ってどんなところなのか、想像がふくらむばかりだった。この日抱いた海へのあこがれは、やがて四十代になって子ども向けに著した『われらをめぐる海』などの作品となって結実するし、何よりもレイチェル本人が終生、海辺で生き物を採集したり散策したりするのを一番楽しいことと思うようになる原点となったのだ。

人物の伝記を読んで、一番感動するのは、こういうエピソードだ。子どもの心の形成において、母親の力、母親の影響というものは絶大だなと思う。
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