電脳筆写『 心超臨界 』

手本は人を教える学校であり
他からは何一つ学べない
( エドマンド・バーク )

あらゆる愛情の基本は親子の情愛である――北尾吉孝

2024-09-11 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散『2024年8月発表:トランプ前大統領「米国を再び偉大にするための核心的公約20」』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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あの中で僕は「あらゆる愛情の基本は親子の情愛であり、それを知らずにどうして妻を、夫を、子どもを愛することができるだろうか」と書きました。自分が母親に対して憎しみを抱いていて、将来結婚した時、果たして奥さんや子どもを本当に愛せるのかと苦悩し、考えに考え抜いた末、結論として会いに行ったと。まだ憎しみは消えないけれども、この人が自分の母親だと認められるまでになったと、書いてありました。


「人生の大則」の書――『修身教授録』に学ぶもの
◎対談――松井秀文&北尾吉孝
『致知』2007年10月号 p16 )

【北尾】 子どもというのは、本当に弱い存在なんです。両親の愛情、これが唯一の生きる道なんですよ。だから僕は被虐待児という存在を知った時、本来一番愛されると思っている親から虐待を受けるというのは、これ以上の悲劇はないだろうと思いました。子どもは選挙権がないから、高齢者を守るのと比べたら税金のかけ方が全然違う。だから僕は児童養護施設に寄付をして運営を助けるSBI子ども希望財団をつくったんです。

なぜ“希望”とつけたかというと、一度、ある施設の子どもたち五十人くらいをホテルのバイキングに招待したことがあったのですが、後になって届いたお礼状の中にこんな内容のものがあったんです。

「私はこんなにおいしものを初めて食べました。これからももう食べることはないと思います」

これは大変ショックでした。自分の未来に対してこんなにも否定的になるのかと。そう思った時、いてもたってもいられない気持ちになって、この子たちに希望を与えないといけないと思いました。

(中略)

【松井】 北尾さんのような大きな規模ではないですが、私個人の活動に仲間の人々が賛同をしてくれて、千葉県にある養護施設の支援活動や岩手・東京・千葉にある知的障害者の施設の支援活動をしているのです。

養護施設には非常に優秀でも非常に大学や専門学校に行けない子どもがほとんどで、その進学率は1㌫くらいしかありません。また、高校を卒業したら彼らは施設を出なければなりません。そうするとまず住む場所から確保しなければなりませんし、そのためには働かなければなりません。学費を支払うことはとても無理と考え、最初から進学を諦(あきら)めている子が多いわけです。ですから養護施設の子どもたちでも、向学心のある子どもたちが進学できるよう支援をしたいというのがいまの私の強い思いであり、それが一つの「置土産」に通じるのではないかと思っています。

【北尾】 そのとおりですよ。実はいま、僕が応援している学生がいるんです。

彼はもともとSBI子ども希望財団が寄付をしている施設にいたのですが、ある日その施設が火事で丸焼けになってしまった。その時彼はまだ高校の学生でしたが、火の中を小さな子どもたちを両脇に抱えて何往復かしたらしいんですね。その勇敢な行為を消防署が表彰すると言ったら、「当たり前のことをしたまでで、表彰されることじゃない」と断ったというんです。

その話を聞いて僕は非常に感激したのですが、さらに感激したのは、彼が非常に優秀で、一流大学への入学試験を受けて通ったというのです。ただ、奨学金だけでは下宿して通うのは難しいので、僕が月々支援しているのですが、僕がそちらのほうに行く機会があるとうちの母親なんかと一緒に食事をしたり、著書を送ったり、という関係を続けてきました。

それが今年の父の日に彼からメールが届きました。これが結構ぐっと来る内容でしてね。

【松井】 少しご紹介ください。

【北尾】 彼は小学校入学前に両親が離婚したこともあり、施設に入れられたわけです。施設に預けられた子どもは、一般的に子どもの頃は母親が大好きで、そういう目に遭っても、「お母さんは悪くない、自分が悪いんだ」と思うものなんですが、ある程度の年齢を越えると、今度はそれが憎しみに変わるのです。

彼も自分をこういう施設に預けた母親に憎しみを持っていて、自分には母親はいないと決めて会おうとしなかった。ところが、僕の『何のために働くのか』を読んで、会う気になったというんです。

【松井】 あの本は私も読ませていただきました。非常に大切なことがたくさん書いてありますね。

【北尾】 あの中で僕は「あらゆる愛情の基本は親子の情愛であり、それを知らずにどうして妻を、夫を、子どもを愛することができるだろうか」と書きました。自分が母親に対して憎しみを抱いていて、将来結婚した時、果たして奥さんや子どもを本当に愛せるのかと苦悩し、考えに考え抜いた末、結論として会いに行ったと。まだ憎しみは消えないけれども、この人が自分の母親だと認められるまでになったと、書いてありました。

それで、そういうわけで自分には父親はいないから、ご迷惑かもしれないけど、北尾さんを父親のように思っています」と書いてあったんですよ。

【松井】 それは嬉しいですね。

【北尾】 僕は泣きましたよ。このメールを読んで。家内も「あなた、よかったですね。こういうことをやってきて」と言ってくれました。ああ、僕の真心が通じて、彼の心に何かしらの「置土産」ができたのかなと思っています。


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アフラック相談役・松井秀文(まつい・ひでふみ)
昭和19年東京都生まれ。43年東京大学経済学部卒業後、川製
鐵に入社。外資系損保会社勤務を経て、48年知人を介して知り合
った大竹美喜氏とともにアメリカンファミリー生命保険会社日本支
社設立に参画。50年契約部長、56年取締役、平成4年副社長を
経て、7年社長、15年から会長。この7月で相談役に。
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SBIホールディングズCEO・北尾吉孝(きたお・よしたか)
昭和26年兵庫県生まれ。49年慶応義塾大学経済学部卒業後、同
年野村證券入社。53年ケンブリッジ大学経済学部卒業。平成元年
ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社常務取締役、4
年野村證券部長を経て、7年孫正義氏の招聘によりソフトバンク入
社、常務取締役に就任。現在SBIホールディングス代表取締役C
EO。著者に『何のために働くのか』(致知出版社刊)他がある。
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