電脳筆写『 心超臨界 』

偶然は用意の出来ている人間しか助けない
( ルイ・パスツール )

「ドラゴン桜」が下流化社会を救う――三浦展

2024-06-23 | 03-自己・信念・努力
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(2006-01-04投稿)
戦後の日本では、1950年代後半から1970年代前半にかけての高度経済成長期に中流社会が発展を遂げ、いわゆる「新中間層」という階層が増加した。ところがいまは、この「中」が減って、「上」と「下」に二極化しているという。二極化といっても「中」から「上」に上昇する人は少なく、「下」に下降する人が多い。「下流社会」の三浦展さんは、漫画「ドラゴン桜」はこうした下硫化に歯止めをかけるために登場したのだ、という。


◆「ドラゴン桜」が下流化社会を救う

『下流社会』
( 三浦展、光文社 (2005/9/20)、p174 )

コラム3 ドラゴン桜メソッドは下流化を食い止める?

社会が階層化、二極化、下流化の流れにあるからこそ、その流れに逆らう上昇意欲に満ちた表現に新鮮味が感じられることがある。人気漫画でテレビドラマにもなった『ドラゴン桜』がその良い例だ。

筋書きは、経営破綻した三流私立高校の立て直しにやってきた弁護士・桜木健二が、高校を超進学高校に変貌させようとする。まずは生徒のなかから意欲のある生徒男女各1名を選抜し、東大進学を目指して特別授業を行い、みるみる実力を上げていく……。

特別授業のノウハウが現役東大教授やホリエモン、「声に出して読みたい日本語」の齋藤孝・明治大学教授、杉並区立和田中の藤原和博校長らによって評価されているほか桜木が発する人生訓が、現在の混迷した教育界や社会全体に蔓延(まんえん)している価値観への挑戦状とも受け取れて、すがすがしい。

たとえば、次のようなセリフ。

「社会のルールってやつはすべて頭のいいやつが作っている。そのルールは頭のいいやつに都合のいいように作られているんだ。逆に都合の悪いところはわからないように隠してある。つまりお前らみたいに頭を使わずに面倒くさがっていると……一生だまされて高い金払わされるんだ。だまされたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら、勉強しろ」

「お前らガキは社会について何もしらないからだ。知らないというよりも大人は教えてくれないんだ。そのかわり、未知の無限の可能性なんて、なんの根拠もない無責任な妄想を植えつけてんだ。そんなものに踊らされて、個性生かして、人と違う人生送れると思ったら大間違いだ! (東大に入れば)なんの夢も描けねえ真っ暗闇から抜け出せるんだ」

「カタ(型)がなくておまえに何ができるっていうんだ。素のままの自分からオリジナルが生み出せると思ったら大間違いだ! カタにはめるな! なんてホザくやつはただのグータラの怠け者だ!」

「ナンバーワンにならなくていい。オンリーワンになれだぁ? ふざけるな。オンリーワンていうのはその分野のナンバーワンのことだろうが。」

上流の子供は、あらかじめ下流の人間とは異なるように育てられる。生活態度、言葉づかい、勉強のしかた、すべてが相互に関連して、上流らしさが作られる。

しかし、中流や下流の若者は、学校や家庭を通じて、だれもが平等だといって育てられる。ところが中学、高校、大学、就職と進むに連れて、社会には上も下もあることに気づかされ、ショックを受ける。そして社会から離脱していくのである。

『ドラゴン桜』の面白さは、社会にある不平等を、自由、個性、オンリーワンなどという言葉で隠している大人の欺瞞(ぎまん)を暴き、子供たちに社会の真実を知らしめ、だからこそあきらめずに努力しろと主張するところにある。

そして、東大に入れるかどうかは先天的な能力の差ではなく、挨拶するとか、脱いだ靴を揃えるといった当たり前の生活態度が基礎にあり、その上で問題をテキパキと解いていくことが重要だと主張する。まさに、社会の下流化にパンチを浴びせる傑作である。

ちなみに「百ます計算」で有名になった陰山英男は、実は「百ます計算」だけで学力を向上させたのではないという。では何をしたかというと、「早寝、早起き、朝ごはん」を習慣づけたのである。そういう生活の基本から教えないと、下硫化した現代の親は、夜の10時過ぎに子供を連れて居酒屋やカラオケに行ってしまう。これではゆとり教育でなくても学力が下がるのは当然であろう。
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