司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

期間満了日 その2

2009年11月17日 | いろいろ

期間というのは、ワタシたちのオシゴトにとって非常に重要なモノです。会社法の一連の手続には、必ずと言って良いほど期間が定められていて、1日たりとも間違えれば致命的な場合もあります。

例えば、組織再編時の債権者保護手続などですね。 また、どんな会社でも株主総会は開かれるはずですが、その際の取締役会の決議だとか、招集通知の発送なども期間が定められています。結構奥が深くてワタシも未だに悩むことが多いのですが、詳細はまた後日に。。。

ところで、民法にはこんな規定があります。

第百四十二条
 期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

ちなみにこの規定は、年、月、週などで期間を定めた場合だけでなく、「日」で定めた場合にも適用されます。

昨日のハナシに戻りますが、新株予約権の行使期間の満了日が祝日になってしまった場合、期間満了日は当然に翌日に延びるのでしょうか??

会社法の施行前はこの解釈が疑問でした。例えば資本減少の効力発生日は、債権者保護手続の満了日の翌日とされていました。債権者から異議がない場合には、異議申述期間の満了日の翌日になります。 この考え方でいくと異議申述期間の満了日は日曜日・祝日と定めることができないことになり、月曜日や祝日の翌日に効力発生させることができなくなってしまいます。現在では、任意に効力発生日を定めることができるので、解消されてはいますが、当時は悩ましいモンダイでした。

会社としては、「期間満了日が延びること自体は特別異論はないが、もし、登記された期間満了日の翌日に新株予約権を行使する方がいた場合、登記できないのは困る。それに、どちらにしても新株予約権者に通知をすべき事項なので、ハッキリさせたい。」というご意向です。

と言うわけで、登記所に照会してみました。当初は消極的な見解で、「そんなの聞いたことないし~。」とおっしゃっていましたが、判例の見解から考えてもやはり延びるとするのが妥当ということになりました。

結局、満了日に行使したヒトはいませんでしたが、行使期間満了による新株予約権の抹消登記の日は、登記された行使期間満了日の翌々日とし、行使期間そのものは変更登記不要として、登記申請いたしました。

考えてみると、期間満了日として休日を定めることができないなら、登記する時点でそれを審査しなくていいのでしょうか? 「取引をしない慣習」というモノが客観的に判断できないから審査しないってことかな?? 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする