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孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アメリカ  白人警官の黒人への過剰暴力事件は、トランプ大統領のツイートをめぐるバトルへ

2020-05-29 22:25:19 | アメリカ

(米ミネソタ州ミネアポリスで、警官の膝で首を押さえつけられるジョージ・フロイドさん(2020年5月25日撮影)【5月27日 AFP】)

【「黒人であることが、死刑宣告になってはらない」】
アメリカにおける人種問題は今更の話で、特に白人警官の過剰な暴力等によって黒人などが犠牲になる事件が大きな社会問題になったりもします。

そうしたなかでも、今回のケースは酷すぎるのでは・・・という感じが。

****「息ができない…ママ」 警官に首押さえつけられ黒人男性死亡 米****
米ミネソタ州ミネアポリスで26日、警官が手錠をかけられた黒人男性の首を膝で5分以上押さえつけ、男性が死亡する事件が起こった。

これについてミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長は「すべての点で間違っている」「黒人であることが、死刑宣告になってはらない」と非難。関与した警官4人を免職にしたと発表した。
 
この様子を捉えた動画が拡散し、警察によるアフリカ系米国人に対する扱いに対し再び激しい非難の声が上がっている。
 
死亡したのは40代とみられるジョージ・フロイドさん。上半身裸のフロイドさんは首を押さえつけられた状態で

「膝が首に。息ができない…ママ、ママ」と懇願していた。通行人が撮影した映像には、フロイドさんの声が徐々に小さくなり、警官らが「起きろ、車に乗れ」と言っても反応しなくなった様子が収められていた。
 
フロイドさんは病院に搬送されたが、死亡が確認された。
 
弁護士によるとフロイドさんは、偽造の疑いで警官に呼び止められたという。弁護士は「この虐待的で過剰かつ非人道的な力の行使が、警官に非暴力な容疑をかけられた一人の人間の命を奪った」と訴えた。
 
警官により黒人男性が窒息死した事件としては、2014年にニューヨークでエリック・ガーナーさん(当時43)が、たばこの違法販売容疑で拘束された際、首を締められ死亡した事件がある。ガーナーさんの死によって、抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命も大切)」が全国的に広がった。 【5月27日 AFP】
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事件の状況をもう少し詳しく説明する記事によれば・・・

****フロイドさんに何があったのか****
警察の声明によると、偽の20ドル札を使おうとした客がいると商店から通報があった。

警察によると、警官たちは自動車内にいた男性を発見。車から離れるよう命令すると、男性が抵抗したという。その後、「警官たちは容疑者に手錠をかけ、彼の体調に異常が見られることに気づいた」という。

現場で撮影された動画からは、フロイドさんと警察のやりとりがどうやって始まったのかは映っていない。しかし、白人警官1人に膝で首を押さえ付けられたフロイドさんが「息ができない」、「殺さないで」と言っているのが確認できる。

目撃者たちは警官に対し、フロイドさんの首から膝をどけるよう求めた。「鼻血が出ている」、「首から離して」といった声も上がった。

フロイドさんは動かなくなり、ストレッチャーに乗せられて救急車で運ばれたが、その後死亡が確認された。【5月28日 BBC】
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事件を起こした警官は懲戒免職にはなりましたが、訴追はされていません。

****黒人男性死亡で抗議デモ、市長は警官の訴追求める 米ミネアポリス****
(中略)
ミネアポリス警察の実力行使に関する方針では、気道をふさがないように容疑者の首を膝で押さえ付けることを警官に認めている。

ミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長は、「(警官4人は)懲戒免職となった」、「正しい判断だ」とツイートした。
フレイ氏は、「アメリカで黒人だというだけで、死刑宣告であってはならない。白人警官が黒人男性の首に膝を押し付けるのを、私たちは5分間、目にした。5分間もだ。誰かが助けてくれと言っているなら、本当なら助けなくてはならないはずだ」と述べた。

ミネソタ州選出のエイミー・クロブシャー上院議員(民主党)は、ただちに外部組織が徹底的に捜査するよう求めた。
連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出しており、連邦法違反で訴追する可能性について、州司法当局に報告する方針。

アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為の告発は、米各地で起きている。最近はメリーランド州で、男性がパトカーの中で警官に射殺され、大きな注目を集めた。

2014年のガーナーさんの事件では、事件から5年以上たった昨年8月、ガーナーさんの逮捕に関わったニューヨーク市警の警官1人が懲戒免職となった。訴追された人はいない。

BBCのジェシカ・ルッセンホップ記者によると、フロイドさんの事件への対応では、拘束に関与した警官4人が即座に懲戒免職になったことが、何より意外だった。

また、結局は大勢がデモに参加したものの、市当局は速やかに断固とした行動をとることで、パンデミック中に大規模な抗議デモが起きないようにしたかったのだろうと指摘した。

米自由人権協会(ACLU)のペイジ・フェルナンデス氏は、フロイドさんの事件について、「この悲劇的な動画が、警察が黒人の命を奪うことを阻止するための意味ある変化がほとんど起きていないことを物語っている」と述べた。【同上】
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【白人女性による差別的事件も】
フロイドさんの事件が報じられた27日には、別の差別的な事件に関する報道も。

****犬をつなぐよう注意した黒人男性を警察に通報、白人女性に非難殺到 米****
米ニューヨークのセントラルパークで野鳥観察をしていた黒人男性に犬をリードでつなぐよう言われた白人女性が、「命の危険がある」として警察に通報する様子を映した動画が拡散し、アフリカ系米国人に対する差別だと非難する声が上がっている。
 
この動画は、通報された黒人男性のクリスチャン・クーパーさんが撮影したもので、ツイッターで3000万回以上視聴されている。
 
25日に女性が犬を散歩させていたのはセントラルパークの野鳥観察スポットで、この周辺では犬はリードでつなぐこととされている。
 
女性は犬を必死にコントロールしながらクーパーさんに近づき、携帯電話を操作しながら「アフリカ系米国人男性が私の命を危険にさらしていると通報してやる」と言い放った。
 
そして女性は緊急通報番号911に電話し、「セントラルパークにアフリカ系米国人男性がいて、私を撮影し、私と犬を脅している」と説明した。
 
この動画が投稿されると、この女性のことをオンラインで特権意識を持った白人女性を表す名前「カレン」と呼ぶなど、ソーシャルメディアでは怒りの声が広がった。
 
ニューヨークのビル・デブラシオ市長はこの女性は「単純明白な人種差別主義者だ」と批判。「女性は男性が黒人だったから警察を呼んだのだ。規則を破っていたのはこの女性だったのに、男性の方が犯罪者だと決めつけた。これがなぜなのか私たちは分かっている。この種の憎悪はわれわれの町では許されるべきものではない」とツイッターに投稿した。
 
問題の女性は資産運用会社フランクリン・テンプルトンに勤務するエイミー・クーパーさん。通報されたクリスチャン・クーパーさんと名字は同じだが、他人。
 
エイミーさんは米テレビ局NBCのインタビューで謝罪をしたが、自分は脅されていると感じたため過剰反応しただけで、人種差別主義者ではないと主張した。「みなさん、特にあの男性とその家族に対して心から謝罪する」とエイミーさんは語った。
 
勤務先であるフランクリン・テンプルトンは26日、調査の結果、問題の従業員を即時解雇したと明らかにした。 【5月27日 AFP】AFPBB News
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【抗議行動は一部暴徒化】
フロイドさんの事件への抗議行動は、一部暴徒化する状況にもなっています。

****米警官が拘束の黒人死亡、抗議拡大 一部暴徒化、略奪も****


米中西部ミネソタ州ミネアポリス市で、白人警官が取り押さえた黒人男性を死亡させた25日の事件を受け、この警官を殺人罪に問うよう求める抗議活動が広がっている。

27日夜から28日未明にかけ、デモ隊の一部が商業施設を放火したり略奪したりした。捜査当局は厳正な捜査を行うと強調し、沈静化を図っている。
 
(中略)それでも、抗議活動は止まらず、27日夜には市警分署前に数千人が集まり、警察側が催涙弾を発射するなどの騒ぎになった。デモ隊の一部は暴徒化して近くの商業施設を襲撃。それに絡んだとみられる死者も1人出た。
 
ミネソタ州のティム・ワルツ知事は28日、事件について「正義と公正を求め続けなければならない」などとして抗議に理解を示しつつ、「一部が不法で危険な行いに関与した」と暴徒化した参加者らを非難。治安を保つために州兵を投入する知事令を出した。抗議活動はロサンゼルスやニューヨークなど各地にも広がっている。
 
トランプ大統領は28日、事件の動画を見たとして「本当にひどい。衝撃的な光景だった」などと話した。

司法省は事件の調査に最優先で取り組む方針を表明。抗議する人々の間では警官の起訴に時間がかかっているとの不満も広がるが、地元郡検察のフリーマン検察官は「捜査を正しく進める必要がある。そのために時間を与えてほしい」などと訴えた。
 
米国では、警官の黒人に対する過剰な暴力が各地でかねて問題になっており、今回の事件にも「またか」との受け止めが強い。
 
2014年にはミズーリ州ファーガソンで黒人少年が警官に射殺されたことをきっかけに大規模なデモが発生。ニューヨークでも同年、黒人男性を取り押さえようとした警官が男性の首を後ろから締め上げ、この男性が死亡する事件があった。この事件では警官は不起訴となり、抗議活動が起きていた。【5月29日 朝日】
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ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は28日、警察を助けるため州兵を動員したとのことですが、“これまでのところ、ミネアポリスの警察署にも、平和裏に行われたデモでも、州兵の姿は見られない。”【5月29日 ロイター】

【SNSをめぐる大統領とツイッター社のバトルに】
上記記事によれば、トランプ大統領も「本当にひどい。衝撃的な光景だった」と話していたそうですが、より大きな関心は暴徒の方にあるようです。

“トランプ米大統領はツイッターに、ミネアポリスのフレイ市長が事態を収拾できなければ、自身が州兵を送り込んで「すぐに仕事を終わらせる」と投稿した。” 【5月29日 ロイター】

そしてトランプ大統領の暴徒鎮圧を求めるツイートは、「暴力の賛美」と判断され、全く別の問題にも火を付けることにもなっています。

*****ミネソタ州デモ巡るトランプ大統領の投稿、ツイッターが注意喚起****
米ツイッターは、米中西部ミネソタ州・ミネアポリス近郊で黒人容疑者が警官に拘束される際に受けた行為で死亡した事件を受けた激しい抗議活動を巡るトランプ大統領のツイートのひとつについて「暴力を美化している」と注意喚起する表示をつけた。(中略)

トランプ大統領は「悪党らはジョージ・フロイド氏への追悼をおとしめており、許せない。たったいまウォルツ知事と話し、軍は知事を全面支援すると伝えた。われわれは事態を掌握するだろうが、略奪が始まったら発砲が始まる。ありがとう!」とツイートした。

現在、このツイートを読もうとすると、「このツイートは暴力の美化に関するツイッターの規則に違反しています。しかし、ツイッターはアクセス可能にするのが公共の利益と判断しました」という通知が表示され、それをクリックしないと読めない。

ツイッターは、この措置について「人々を暴力行動にかきたてないため」と説明。コメント付きでリツイートはできるが、「いいね」をつけたり、返答、リツイートはできないとしている。

ツイッターは今週、トランプ氏の大統領選郵送投票を巡る投稿に、ファクトチェック(真偽確認)を促す警告マークを表示。トランプ氏はこれに反発し、28日にソーシャルメディア企業の規制強化に向けた大統領令に署名した。【5月29日 ロイター】
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トランプ大統領のツイートの翻訳分は【時事】によれば、以下のようにも。
“「これらの悪党は(死亡した黒人男性の)ジョージ・フロイドの名誉を傷つけている。ワルツ州知事とさっき話をして軍は最後まで一緒にいると伝えた。どんな困難でも私たちはコントロールするが、略奪が始まれば、射撃が始まる」”【5月29日 時事】

暴徒化した抗議行動のコントロールを求めるのは当然ですが、「略奪が始まったら発砲が始まる」云々の発言は、トランプ大統領らしいと言えばそれまでですが、およそ民主主義国リーダーの発言とは思えません。

天安門事件を起こすよう国か、麻薬犯罪が疑われる者を超法規的に殺害する国か・・・そんな国の指導者の言い様です。

なお、トランプ大統領は2016年の選挙戦当時、天安門事件について「(中国政府は)暴動を抑え込んだ」と、「暴動」という表現を使用しています。

いずれにしても、28日にソーシャルメディア企業の規制強化に向けた大統領令に署名した直後のツイッター社の判断ですから、今後トランプ大統領が「報復」にでることが予想されます。

****トランプ氏「ソーシャルメディア閉鎖も」、ツイッター警告に反発****
トランプ米大統領は27日、ソーシャルメディア企業を規制もしくは閉鎖するとけん制した。短文投稿サイト運営の米ツイッターが前日、トランプ氏のツイートに初めて、読者にファクトチェック(真偽確認)を促す警告マークを表示したことが背景とみられる。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で、明確な証拠を示すことなく、ソーシャルメディア企業の政治的偏向を改めて批判。「共和党はソーシャルメディアプラットフォームが保守派の見解を全面的に封じ込めていると感じている。こうした状況が起こらぬよう、われわれはこれら企業を厳しく規制もしくは閉鎖する」とし、「今すぐ行いを改めるべきだ!」と述べた。

トランプ大統領は前日、郵送投票について「実質的に不正」で「不正選挙」につながるとツイート。郵送投票を採用する州が複数ある中でカリフォルニア州知事だけを取り上げ、攻撃していた。その後、このツイートには青い「!」マークとともに郵送投票に関する真偽確認を促すメッセージが表示された。

クリックすると、ツイッターが集めた郵送投票に関するニュースや情報を掲載したページに移動する。【5月27日 ロイター】
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****SNS投稿への介入阻止=運営会社の免責を制限―米大統領令****
トランプ米大統領は28日、インターネット交流サイト(SNS)への投稿に対する運営側の介入を阻止するための大統領令に署名した。11月の大統領選を控え、自身の主張に対する異論は、信ぴょう性の確認が目的であっても認めない姿勢を鮮明にしたもので、批判の声が出ている。
 
大統領令は、ツイッター社がトランプ氏の投稿を「要事実確認」と注意喚起したことを受けた措置。トランプ氏はホワイトハウスの署名式で「独占企業から言論の自由を守る。彼らは歯止めなき力を持っている」と同社の対応を非難した。【5月29日 時事】 
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ミシガン州の暴徒より、こちらのSNSをめぐるバトルの方が、より大きな問題となりそうです。

事実関係が怪しい(あるいは、明らかにフェイクと思われる)メッセージを垂れ流し、それが注意喚起されるとSNS運営会社を締めあげようとする・・・「日本にとってアメリカは価値観を同じくする国」と言っていいもかのか怪しくなります。

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